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おみやげ買ってきたよ

作者: 誠次郎

王将に5歳くらいの男の子が、お父さんに連れられてやってきました。

「パパ、おみやげなんにするの」

青い洋服を来た男の子は顔を上げて黒い大きな目をキラキラさせていいました。

応対したのは、まだお店に入って1週間も経たない新人の女の子でした。

店の女の子はお店のエプロンをつけてましたが、おどおどしてて衣装が似合っていないようでした。

「餃子3人前と八宝菜下さい」

お父さんが、おみやげの注文をしました。

「は、はい、餃子3人前と、え〜と八宝菜で、よろしいでしょうか」

店の女の子は自信なさそうに内気な声で答えました。

「はい、そうです」

男の子はお店の入り口で楽しそうにはしゃいでました。

他のお客さんの迷惑になりそうだったので、お父さんは注文し終えると、

男の子の手を引っ張って

「ほら、ここにメニューがあるよ。読んでみてごらん」

と優しく言いつけました。


王将は中華料理のお店。

難しい漢字がいっぱい並んでます。男の子にはまだ読めない字がたくさん。

そこで男の子はメニューのはしっこに書いてあった文字を、

大きな声で言い始めました。

「いらっしゃいませー!」

「ありがとう、ありがとうございます」

男の子は手をつないだお父さんの顔と、お店の女の子の顔を両方交互にみながら

お店の挨拶をひとつずつはっきりと読み上げてました。

お店の女の子は男の子の元気な声に驚きながら、男の子の可愛い仕草に、

顔を赤くしながらうんうんとうなずいてました。

「どちらに、な、なさいますか」

「いち、(お父さん、これなんて読むの?)一人前でよろしいでしょうか}

そのうち店内にいたおばさんたちも声に気づいて、

入り口の方を一斉に振り向きました。

「あら、可愛い〜!」と黄色い歓声をあげました。

数分後、女の子はおみやげを受け取ると、元気に店の奥から出てきました。

男の子におみやげを渡そうと、かがみました。

「どうぞ。また、来てくださいね」

っていうと、男の子は、

「うん、ありがとう!バイバイ!!」

と元気いっぱい返事をしました。

お父さんは男の子の手をしっかり握りしめ、女の子には軽く会釈して、

お店を後にしました。

外はもう暗く、夜の風が湿気とともに頬をなぜていきます。

お店の外にはコーギー犬の小さな子が待ってました。

お父さんと子供が出てくるとくるくると走り回って、大きくしっぽを振って喜んでました。

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― 新着の感想 ―
[一言] とても読み易く、ほのぼのとした感じと周りの雰囲気がよく解り、 作者さんの優しい気持ちが出ています。
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