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ビギニングヒーロー  作者: ろけっと
8/13

才能開花!!やはり理想とは程遠い

ちょっと長め。

退院後、すぐ郷田さんが迎えに来て俺の能力が鑑定して貰えるらしいところへと向かっていた。


「やっと僕の能力を知ることができるんですね!楽しみだなぁ。」

「あはは。高人くんはそればっかりでしたもんね。」

「それはそうだろうよ。なんたってこれからのヒーロー活動に関わることだろうしな。」

そういえば、

「あの〜苗さん、郷田さん。」

「所長と呼べ。」

「所長と苗さんってどんな能力を持っているんですか?」

ずっと気になっていた、苗さんはともかく所長はランキングに入るようなヒーローだ。どんな能力を持っているのか気になる。俺が見たのは拳1つで怪人を吹き飛ばしてしまうとこだけだったし。

「高人、その質問他の事務所の奴らにはあまりするんじゃねーぞ。」

「え?どうしてですか?」

「ヒーロー能力は確かに強力な物もあったりします。でも、能力を知られることでそれがそのまま弱点に繋がってしまうこともあるんです。なので、ヒーロー協会に申請した後は余程有名なヒーロー出ない限りは能力を隠しておいた方が都合がいいんです。怪人の中には高い知能を持つ個体も確認されてますし。」

なるほど。確かにいくら強い能力を持っていても対策を立てられてしまったら困るもんな。

ん?

「苗さん。怪人にも高い知能持つものがいるって獣型の怪人以外にも存在するんですか?」

「はい。怪人にも階級があって獣型の怪人は一番下は下級怪人として扱われます。中級は言語を話せる知能を持つものが中級怪人と呼ばれます。そして幻獣型の怪人が上級怪人。ここからは実力が桁違いになります。並みのヒーローなら一瞬で殺されてしまうほどに。」

怪人にもそんなに種類がいたのか・・・俺やっぱり知らないことだらけだったんだな。

「そして自らを怪人騎士団ファントムナイツと名乗る九体の怪人がいます。この九体こそが私達の最終討伐対象です。まだ確証は得られてはいませんがこの九体の怪人が他の怪人を生み出す元凶だと言われています。そしてランキングに載っているヒーローを束にしても勝てるか怪しい集団です。」

えぇ!?そんな怪人が存在してたなんて・・・「でも、心配は要りませんよ。ここ数年全く動きがありませんし。」

「そうだ。10年前にあるヒーローがファントムナイツ全員を相手にして半殺しにしたからな。その傷が癒えてないのか、あるいはそれが元で死んだかだな。」

「そのあるヒーローって?」

ゴクリ。生唾を飲む。

「・・・ランキング1位破壊神セクメト。今もランキング1位に立ち続ける最強のヒーローだよ。もっともあまり本人が目立ちたがらなかったからほとんど情報がないがな。」

破壊神って・・・どんだけごっついやつなんだろ。

「でも。破壊ってフレーズを聞くとなんだか所長みたいですね。」

「・・・」

「所長?」

なぜか所長が黙り込んでしまった。もしかして何か気に触ってしまったんだろうか。

雰囲気が悪くなってきた思っていると、

「た、高人くんは私達の能力を知りたいんですよね?これから一緒に仕事もするわけですしね。ね?」

苗さんが雰囲気を変えようと話してくれる。

「私はヒーローというよりも、ヒーラーといったところです。どんな怪我をしようと生きていれば直すことが出来る治癒能力ですよー。」

「す、凄い。苗さんってそんな凄い能力を持っていたんですね!!」

「えへへー。それほどでもあっちゃうかなぁ〜。」

苗さんが褒められて照れていると、

「苗の能力は珍しくデメリットというデメリットが無いからな。ただし相手に接触していることが条件だが。」

「いや、それでも十分凄いですよ!!」

「それで、俺の能力だが、超再生と超怪力だ。」

超怪力?超再生?いやいやいや、

「え!?所長2つも能力が使えるんですか!?」

サラッと言ったが所長は今とんでも無いことを言ってないっすか!?

「それに超って!?」

「落ち着け。車の中で暴れんな、ちゃんと説明してやるから。まず、ヒーロー中には稀に2つの能力を開花するものがいる。俺のような例でデュアルホルダーと呼ばれる。そんで超ってのは普通の再生能力や身体能力を上げる才能よりも遥かに才能が高いものに付けらんだ。例えば俺は腕を吹き飛ばされようが、10分も傷口にくっつけとけば元どおりだったりな。」

メチャクチャすぎる。てかもはや怪人より怪人してるでしょこの人。

「おい。今明らかに失礼なことを考えたろ?」

「め、め、め、滅相もございません!!」

「まぁいい。着いたぞ。」

こんな話をしているうちに目的地へと着いたようだ。


ドラゴンヒーローズに負けるとも劣らずの大きい事務所のようだ。

「ここは、百花繚乱。女ヒーローを中心にした事務所だ。」

「女ヒーロー・・・」

「2人とも〜手続きを済ませましたよー。」

「んじゃ行くぞ。」

苗さんが手続きを済ませてくれたお陰ですぐに能力を鑑定して貰えるらしい。


事務所の最上階まで通されると目を疑う光景があった。なんと奥の部屋にまで続く廊下に満開の桜が咲き誇っていたのだから。あまりに場違いながらも幻想的な光景に目を奪われる。


「す、凄く綺麗ですね。」

「この事務所の所長趣味なんですよ。とても乙女チックな人ですから。」

「この光景から想像できると思うが、結構ズレてる奴だから。覚悟はしておけ。」

か、覚悟はしておけって・・・一体どんな人なんだろ。


所長室の前に到着し中へと入る。すると、中も和風に統一されていて廊下と同じく桜が満開に咲き誇っている。そしてその桜の下には三人の人物が並んでおり、1人は腰に日本刀を刺して桜色の着物を着た黒い長髪の少女、もう1人は藍色の着物を着てメガネを掛けた、蒼いツインテールの少女。そ、そして、何よりも目立つのがこの幻想的な光景に、美しい2人の少女その2つから浮いている異形がそこにはいた。美しく煌びやかな着物に身を包みその着物に入りきらない胸筋を剥き出しにした巨漢がそこにはいた。


「ようこそ。百花繚乱へお待ちしておりました。デストロイヤー。」

藍色の着物に身を包んだ少女が声を掛けてくる。

「おう。これから俺たちの部下になる新人の才能が知りたくてなよろしく頼む。」

何事も無かったかのように話を進めているが高人はその巨漢が目に入って話が全く聞こえない。ふと、その物体と目が合う。

「あらぁ〜。そこのボ・ウ・ヤ・随分とおねいさんに熱烈な視線を浴びせるじゃなぁい。もしかしておねいさんに一目惚れしちゃった?顔も好みだしおねいさんとイ・イ・コ・トしない?」

あまりのおぞましさに声を上げる。

「し、所長ぉぉぉ。この人なんなんですかぁぁ!?」

思わず苗さんの後ろに隠れる。

「あ?なんなんですって・・・。あぁ。これを初見で見たら化け物にしか見えねーな。」

「あら失礼しちゃう。まぁ私は寛大だし自己紹介して上げるわ。私はこの百花繚乱の設立者。所長をやっている、ヒーロー『OTM』よ。気軽にオトメって呼んで。」

・・・

「ええぇぇ!?しょ、所長さんだったんですか!?す、すみません。し、失礼なことを。」

「気にしないでボウヤ。それよりお名前は?」

「か、柿崎高人です。本日はよろしくお願いします。」

オトメさんはグイッと顔を近づけるとまじまじと俺を見つめ、

「似てるわね。」

そう言った。

「へ?にてるって?」

そこで所長が声を掛ける。

「それより鑑定がさきだ。」

「あら。それもそうね。藍華お願い。」

そういうと俺の方にツインテールの少女がくる。

「海原藍華と申します。柿崎さんは今日はよろしくお願いします。」

「こ、こちらこそよろしくお願いしますぅ!?」

そういうやいなや、いきなり抱きついて来た。柔らかい感触が胸へと当たる。それに女性特有のいい匂いがして来てクラクラする。暫く抱きつかれて顔を真っ赤にして硬直していると、

「解析完了しました。」

そう言って、高人から離れる。

「高人。いつまで惚けてる。」

所長にビンタされて我へと帰る。

この子の能力って解析とかできる能力なのか?苗さんの治癒能力も接触しないとダメらしいしこの子もその類なのか・・・?

などと考えていると、

「高人エッチなこと考えたりしちゃってたんじゃないですかー?」

「年頃の男のだものね〜。そんな初々しい感じ堪らないわ!!」

ニヤニヤと言った様子で苗さんとオトメさんが茶化してくる。

「そ、それより海原さん、結果を教えてください。」

なんとか話題を逸らそうと海原に、解析結果を聞く。

「はい。柿崎さんの能力は、模倣です。」

「もほー?」

苗さんが首を傾げる?

「模倣です。柿崎さんは、他者の能力の効果を理解することでそれを模倣して使うことが出来るのです。」

「ま、マジでか!?そんなヤバイ能力なのかよ・・・」

所長が珍しく驚いている様だった。

「そ、そんなに凄いんですか?」

「その気になれば全てのヒーローの能力がある使えるってことだろ!?凄いに決まっている!!」

そんなに凄いなんて、ひょっとして俺凄いヒーローになれちゃうじゃ?

そこで海原がまだ続きがあると話を区切る。

「ただしデメリットとしては同時に2つの能力は使用できないこと。そして適合した能力を50%まで使える能力です。」

ん?どゆこと?

「つまり、相性のいい能力ならオリジナルの二分の一の力を使えますが、相性良くない能力だと全くと言っていいほど使えないんです。試しにやって見たらいいんじゃないですか?」

「よし!高人俺の超怪力を模倣しろ。」

「ええ!?いきなりそんなこと言われても・・・」

「大丈夫だちゃんと受け止めるから。こい!!」


所長に言われてやってみることになる。所長と俺以外はみんな周りから離れて準備が出来た。


「じ、じゃぁ行きますね。」

「おう!」

いきなりそんなこと言われてもどんなふうにしたら能力が発動するかもわからないのに・・・とりあえず殴って見たらいいのか?

・・・いや待て海原の話なら能力を理解する必要があると言っていたな。超怪力・・・わからん!

「所長。」

「なんだ?」

「所長はどんな感覚で超怪力を使っているんですか?」

「そうだな・・・体の内側にある力を外に放出する感じだ。まぁわかりやすく言えばオナラみてーやかんじだ。」

いやな例え方だな。でもさっきよりはイメージはし易いな。内側から外側へか。

「行きます!!」

「こい!!」

イメージはあの時の所長。獣型を一撃で倒したあの技。

「ハイパーァァインパクトォォ!」

全身全霊をかけた一撃を打ち込む。

真紅郎は、それを受け止める。


結果だけいうと所長がほんの数ミリ後ろに下がっただけで終わった。


「どうせ俺の才能なんて。」

「た、高人くん気にしないで。まだまだこれから強くなっていけばいいんだよ。」

「そうよ。どれだけピーキーな才能でもあなたならきっと・・・泣きたいなら私の胸に飛び込みなさい!!」

なぐさめがかえってきつい。自分なりの全力は出せた・・・はず。

「そういや、見ない奴がいるな。誰だ?」

「今更?まぁ一ヶ月前に百花繚乱に入った風見桜ちゃんよ。桜ちゃん挨拶をして。」

今更ながら桜色の着物を着た少女の名前を知った。オトメさんのインパクトが強すぎて完全に忘れていた。

「風見桜です。以後お見知りおきを。」

改めてみると、凄い美人だ。腰まで伸ばした黒髪は黒曜石の様なみるもの全てを魅了するかの様な美しさで、胸は控えめながらもとてもスタイルが良い。一体、どんな才能を持っているんだろう?

「・・・では。」

え?

そのまま風見は部屋をでていってしまった。

「桜ちゃんは人よりちょっとコミュニケーションを取るのが下手なだけでいい子なのよ。それにヒーローになって一ヶ月ほどだから、ボウヤあの子とは仲良くしてあげて。」

「は、はい。」



「はぁ。結局現実はそんなにあまくなかった。」

俺も所長みたいにかっこよくて強い能力だったらなぁ。

「まぁ。俺が少し動くくらいの威力はあったし下級ぐらいなら問題なく倒せると思うぞ。それにお前はパンチの仕方がなってない。どっかで格闘技でも学んだらどうだ?」

格闘技か・・・うーん。

「高人くん悩んでる暇はありませんよ。次はヒーロー協会への申請です。正式にウチの事務所への配属するための手続きもありますし。」

「はーい。」


高人達は、次の目的地であるヒーロー協会本部へと足を進めた。










この調子であげたいな。

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