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ビギニングヒーロー  作者: ろけっと
6/13

力の代償

PCが壊れて絶望してました。

高人が事件に巻き込まれてから一週間が経った。

腕の怪我もだいぶ良くなりギプスも取れ普通の運動なら問題なく行えるようになった。そして高人は、今自分を助けてくれたヒーローに貰った名刺を頼りに郷田ヒーロー事務所へと足を運んでいた。


ここがあのヒーローの事務所か・・・見た目は漫画とかに出てくるような探偵事務所みたいだな。


高人は意を決して事務所の中へと入る。


中は結構綺麗だな。えっと・・・郷田さんはどこにいるんだろ。


「あのうちに何かご用ですか?」

「うわっ!?」


後ろを振り向くとそこには少女がいた。

茶髪のショートヘア身長が自分よりも少し低いくらいで、童顔?と言うのだろうか幼さが残る容姿・・・そして何よりも一番目に入るのはその容姿に合わない大きな胸だ!一体何カップなんだ・・・

と高人が考えていると


「もしもーし」

少女が呼びかけてくる。

「えっ?す、すみません。少し考え事をしていまして、はは。あの郷田真紅郎さんはいらっしゃいますか?」

もしかして郷田さんの娘さんとかかな?

「所長にお客さん?珍しいですねー、所長ならすぐ帰ってくると思うのでこちらへどうぞ。お茶ぐらいなら出せますので。」

そう言うと少女はとたとた、と奥の部屋へと入って行った。

とりあえずただ立って待っているのもおかしいのでその少女へとついて行った。


「粗茶ですが。」

「いえ、ありがとうござます。」

「そう言えば自己紹介がまだでしたね。

私は南雲苗です。この事務所の事務員をやってます。」

「あっ。僕は柿崎高人です。一週間ほど前に郷田さんに助けてもらった。」

「あー!郷田さんが言ってた子か。郷田さん凄い褒めてたよ!!今時自分の身を犠牲にしてまで誰かを助けられるような奴はなかなかいねぇ・・・あいつは見所がある、ってもうあなたのことばっかりだったんだから。」


高人も褒められて悪い気はせず、自分があのヒーローに認められていると知りとても嬉しかった。南雲さんと雑談をしていると、事務所の扉が開き郷田真紅郎さんが入ってきた。


「うっーす。苗ぇ帰ったぞぉ。・・・ん?お前はこの前のガキじゃねーか。」

高人に気がついたようで話しかけて来る。

「は、はい。あの時はありがとうございました!お礼が言いたくてここにきました。」

「礼なんていいんだよ。俺はヒーローなんだからな!!」

「30にもなるおっさんのドヤ顔はきついんですけど・・・」

「苗、お前次の給料日覚えとけよ。」

「た、ただでさえ安月給なのに冗談じゃありませんよー。」


コントのようなやり取りをしている2人を前に高人は意を決して、話しかける。

「郷田さん!今回は以来の他にお話があります。どうか僕をこの事務所に入れてもらえないでしょうか!!」

「ふむ・・・。まぁ俺は素質があると思うしいいと思うが「郷田さん!!そんなに簡単に決めちゃダメですよ!!」うるさい黙ってろ。ただしお前にはヒーローになる為に今から命をかけてもらうぞ。」

真紅郎さんが真剣な表情で言う。

「俺は憧れのヒーローに追いつきたい!!みんなの笑顔を守りたい!!その為なら命なんて惜しくない!!」

心の中の想いを嘘偽りなく叫ぶ。


真紅郎はその叫びを聞き笑う。

「いいぜ。この薬を投与しろ。」

真紅郎から赤い液体の入った注射器を渡される。

「これは?」

高人が尋ねると、

「これは才能開花薬。才能開花薬は、人間の体に眠る潜在能力を引き出す薬だ、その他にも人間の基礎能力も底上げできる。わかりやすく言えば超人になれる薬ってわけだ。」

「く、薬!?」

高人が驚いていると苗が更に補足する。

「はい。例えば炎を上げ操るヒーローだったり能力は人によって様々なものがあります。まぁほとんどのヒーローはあまり他人に能力を教えたりしないので、余程露骨な能力でない限りは他の事務所のヒーローの能力を知る機会はないんですけど。」


高人は唖然とする。しかしそれと同時に希望を抱いた。才能開花薬を投与すれば自分も憧れのヒーローのようになれるのではないかと。しかし苗の一言によってそんな甘い考えは打ち砕かれる。

「ただし才能開花薬には、デメリットもあります。投与して適合しなかった場合、体の細胞が死滅してそのまま死に至ります。更に、才能開花薬は投与すれば90%の確率で死にます。それに無理に潜在能力を引き出すので寿命がどうしても縮みます。ヒーローになる人のほとんどは40歳まで生きることは出来ないと言われています。・・・私は正直貴方にこの薬を渡したくはありません。確かに貴方のヒーローになりたい気持ちもわかります、でもヒーローは、常に死と隣り合わせ。才能開花薬に適合する確率も低い貴方のように普通の学生がわざわざ死ぬような危険を冒す必要は「苗、そこまでだ。そこから先はこいつ自身が決めることだ。・・・この薬は、投与するといてぇぞ。」


・・・・・・・


「才能開花薬をください。」

高人は静かに一言だけ言う。

「骨は拾ってやる。あとアドバイスするなら・・・気合いだな。」

「なんで、ヒーローを目指す男の人ってみんな馬鹿なんですか。死なれても困りますし、何より初めて後輩ができるかもしれないんですし死なないでくださいよ。」

2人からの激励?を受け

「ありがとうございます。これからよろしくお願いしますよ。」

そう言って才能開花薬を投与した。



デメリット込みの『力』ですよねー。

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