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ビギニングヒーロー  作者: ろけっと
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現実は理想よりも・・・

やっとヒーロー要素がかけた。

鏡音に連れられて凛太朗と高人は電車に乗って隣町の竜宮市へと向かっていた。凛太朗と鏡音が話している最中にふと高人が疑問に思ったことを聞いてみた。


「鏡音の事務所に所属しているヒーローってどんなヒーローがいるんだ?」

少し考えるそぶりを見せて

「そうだね。父さんがいうには今は300人ぐらい所属しているらしいよ。」

「さ、300人!?とんでもなく大規模な事務所じゃないか!?お前の父さんすごいだな!!」

「父さんも現役のヒーローだしね。鏡音龍一郎ヒーローネームはブレイド、ヒーローランキングにものったことあるよ。」

「ぶ、ブレイドって剣聖ブレイド!?現ヒーローランキング3位のスーパーヒーローじゃないか!?」

ヒーローランキングとは沢山いるヒーローの中でも影響力のある者、知名度の高い者、単純に実力が高い者達の中でも特出したヒーローたちが選ばれるランキングだ。10位までが掲載されるからランキング3位になっている鏡音の父は正真正銘スーパーヒーローと言っても差し支えない人だ。


「そんな人が経営している事務所を見せてもらえるのか。くぅ〜ワクワクしてきた。」

「そんなすごい人だったんだな。鏡音の父さんは。」

「あはは。そう言ってもらえると息子である僕も鼻が高いよ。おっと、そろそろ電車も着くみたいだ事務所は駅からすぐそこだから。」

そんなたわいのない話をしていると電車が駅へとつき鏡音に着いて行くと10分もせずに鏡音の事務所へとたどり着いた。建物は10階建てのビルになっており『ドラゴンヒーローズ』という大きな会社名が書いてあった。

「こんなに大きい建物だったのか・・・すげぇな。」

「そりゃランキング3位の開く事務所ならこれくらい大規模でもおかしくねーだろ。おら、高人行くぞ。鏡音入って行っちゃったぞ。」

2人は慌てて鏡音の後を追った。鏡音は受付の人と数分ほど話すと、

「2人ともまずはトレーニングルームに行こう今の時間ならいろんなヒーローがいるよ。」

「本当か!?行こうヒーローがどんなトレーニングしてるのかすごく気になってたんだ。」

「確かに。怪人と戦える超人達のトレーニングか・・・いったいどんな厳しいトレーニングをしているんだろう?」

「さぁ、こっちだよ2人とも。」


鏡音に連れられて行くとそこには大規模なトレーニングルームがあった。一般的に見るような器具から、人間に扱えるのかもわかないような器具まで様々なものが置いてあり沢山のヒーローがそこでトレーニングをしていた。


「凛太朗!あれ見ろあそこのサンドバックの前にいるヒーロー。ハードパンチャーじゃないか!?この前テレビで見た!!目にまとまらないパンチで怪人をぶっ倒してた!!本物が見れるなんて感激だ!!ってあっちの500キロのバーベル持ち上げてるザ・タフネスだ怪力で怪人をぶっ飛ばすヒーローだ!!すごい有名なヒーローばっかだ!?」

「落ち着け直人。と言いたいけど確かにすごいな知らないヒーローもいるが、俺でも知ってるような有名ヒーローだらけ「あぁぁ!?あっちには炎を操るプロミネンスだ本物だぁぁ「うっせーぞ!!少し落ち着け!!!」

「あ、あはは。喜んでもらえて嬉しいよ。次はシュミレーションルームだよ。実際の怪人のデータが入っているから。その怪人と戦って訓練できるんだ。父さんもいると思うよ。」

「ついにブレイドに会えるのか楽しみだ。」

「やばい。興奮と緊張で死にそう。」


3人でシュミレーションルームへと向かうそこでは、10体の獣型の怪人首が同時に吹き飛んでいた。凛太朗と直人は何が起こったのかわからなかったがすぐに理解した。今シュミレーションルームの中で立っている日本刀を持った巨漢がそれをやったのだと。そしてその巨漢こそが、


「ランキング3位・・・剣聖ブレイド・・・。」

圧倒的な存在感、見ているだけで足が震えて来る凛太朗も同じ様だった。これがスーパーヒーローの迫力なのだろう。トレーニングルームから出てきたブレイドは、

「おかえり。蒼龍、後ろの2人が見学者かな?」

「うん。父さん、この2人が今日見学をしたいって行ってた2人だよ。」

「は、初めまして僕は柿崎高人です。」

「お、同じく佐々部凛太朗です。」

「はっはっは。元気がいい2人じゃないか。初めまして、鏡音龍一郎だ。ブレイド呼んでくれてもいいぞ。」

「あ、あのサインを貰ってもいいですか?」

「ああ、勿論いいとも。」

サインを貰ってホクホク顔の高人に凛太朗が小声で、

「おい、当初の目的を忘れんな。」

「わ、忘れてねーし」


目の前には今スーパーヒーローと呼ばれるカリスマがいる。自分が目指すべき目標の様な存在だ。高人は自分の高鳴る心臓の鼓動を抑え意を決して声をかけた。


「あの!!ブレイドさん、俺ブレイドさんにお願いがあるんです!!!俺つい最近にヒーローとしてのライセンスを取ったんです。あなた達みたいに怪人から困った人達を助けたくて、それで、あの、俺をどうかブレイドさんの事務所に入れてもらえないでしょうか!?」

高人は自分の思いの全てをブレイドへと打ち明けた、ブレイドは少し考えると

「君は、見た所普通の学生みたいじゃないか?武術を学んでいたわけでもないだろう。人助けなら警察や医者にでもなればいい。何故ヒーローになりたいと思ったんだい?」

「昔、怪人に襲われた時にあるヒーローに助けて貰ったんです。名前も顔もわからなかったけど今その人のおかげで俺は生きているんです。だから俺は「いや、もういい。」え?」


「希望を持たせるのはかわいそうだ。はっきりと言おう君はヒーローにはなれない。」


ブレイドは確かにそう言った。はっきりと直人にはヒーローにはなれないと高人は頭の中が真っ白になった。

「なんでそんなこと言えるんですか!こいつは確かに鍛えてるわけではないです。けど、こいつのヒーローになりたいって気持ちは本当なんです!!」。

凛太朗が声荒げてブレイドへと反論する、それに続き鏡音も

「父さん、僕もそう思う。僕は柿崎クンとは今日初めて話した。けど彼のヒーローへの憧れや想いは本物だと思う。」

ブレイドはため息を吐くと

「柿崎君、君はヒーローにとって必要な条件は何かわかるかい?」

「そ、それは困ってる人を助け「違う」

「ヒーローにとって必要な第一条件は強いことだ。ヒーローとは絶対的な力であり、抑止力でもある。ヒーローが弱ければ誰も救うことはできない、君はただヒーローへの憧れや理想を口にしただけでヒーローとしての条件を満たせていない。

我々は常に死と隣り合わせで怪人と戦っている、そんな甘い考えでは怪人から人を救うことなどはできないし君も命を落としかねない。だからこそ言うのだ君はヒーローにはなれないと。」


優しく諭す様な声でブレイドは高人に現実を突きつける。自分がどれだけ理想や綺麗事だけを語っていたのか。高人は一目散に走り出した。一刻も早くこの現実から逃れたくて、

「あ、待てよ高人!!」

「さぁ柿崎クン!?」


2人は直人の後を追って走っていった。1人残されたブレイドは柿崎の背中を寂しそうな目で見ると、

「柿崎君君の理想はヒーローとって必要不可欠なものなのかもしれない。だが理想や夢だけでは何も守れず、救えんのだ。」


小さく呟くと彼は再びシュミレーションルームに入って行った。





次回やっと戦闘シーンあるかな?

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