1/1
始まりの鐘
キーンコーンカーンコーン。
キーンコーンカーンコーン。
「あ、チャイムだ。席に戻れー。」
委員長の言葉でクラスのみんなが席に着く。
彼、いや、委員長の発言を待っていたかのように担任の先生は教室に入ってきた。
「起立ー。礼。着席ー。」
ガタガタッ…
静まりかえった教室の雰囲気はなぜかいつもよりも重い。
「えー。とうとうみんなにもこの時がやってきました。」
ゴクリ…
クラスの生徒皆の唾を飲み込む音が聞こえる。
ドクン…ドクン…
心臓の音も聞こえる。はっきりと。大きく…
「あなたたちは全員今年で10歳となります。ということは、今年が何の年かわかりますよね?」
先生は静かにそう告げた。
それを聞いた途端、ようやくこの時が来たかとワクワクしてるものもいれば、深く考え込む生徒もいた。
私は後者だ。
これがワクワクなどしてはいられないことは大半以上の生徒がわかっていた。一方、楽しそうにしている生徒のほとんどはこの先のことなど全く考えていない、もしくは人生そのものに何も感じていない生徒ばかりであった。
何にせよ私たちはこれからの人生に関わる一つの大きな、大きな選択をしなければなかった…




