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四百二十円の運命

作者: 煙
掲載日:2016/08/28

未成年の喫煙描写がありますが、肯定する意図はございません


法律大事

俺は日課である散歩に出た

いつも通る道に少し飽き、違う道を行く


「あちゃ……

方向音痴なの忘れてたわ」


適当に歩いて来たので帰り道がわからなくてなってしまった

それから少し歩くと古びた神社が有りそこで休憩する事にした


丁度いい大きさの石を見つけそこに座る

そして煙草に火をつけた


「ふぅ……」


罰当たりだが迷子の俺に神様も寛容になるだろう


「そこのお兄さん、罰当たりですよ」


後ろから声を掛けられる

そこにいたのは十七~八の少女だった


「それを言ったらお互い様かな」


少女もまた煙草を吸っていた


「まぁ神様何て信じて無いので私には関係無い話ですよ」


「神は居なくても警察は居るから気をつけなよ、未成年の少女さん」


俺は煙草を吸い終わり携帯灰皿に入れた

少女も俺の携帯灰皿に煙草を入れる


「自分のを持ってないのか?」


「有りますけど出すのがめんどくさかったので」


まぁポイ捨てするよりは良いか


「汝隣人を愛せよ」


「神は信じないんじゃなかったのか?」


「信じてはいませんよ

けど何かあれば神頼み位は女子高生何でしますよ」


「それで今のはどう言う事かな?」


「端的に言うと煙草を切らしたので下さい」


そういう事か

予備の一箱あるしそれを上げようか

学生の内は煙草を買う金が心持たないだろう


「つまり今俺の横に入るから隣人って事で煙草を集るんだな」


「神の教えを使ってあげたんですよ」


「傲慢な事で」


俺は軽口を言いつつ煙草を投げ渡した


「……一箱丸々くれるんですか?」


「問題あるかい?」


「いえ、ありがとうございます」


少女は微笑んだ


「同じ銘柄ですね」


「運命かもしれないな」


「運命は四百二十円で売られてるんですね、随分と安い事に驚きましたよ」


「本当にそう思うよ」


それから少し喋ると少女は別れを告げた


「おやすみなさい、また会えたら安い運命も楽しくなりそうです」


「そうだね、その時はプロポーズでもしてあげようか?」


「心待ちにしてますよ」


そんな軽口と共に少女と別れた




あの少女と出会って一週間程がたったある日、俺は交通事故で入院する事になった


軽い怪我だったが様子を見るために二~三日安静という形だ


俺はやる事が無いため基本的に喫煙所で煙草を吸うか、本を読む事しか無い


そんなある日いつも通り喫煙所で煙草を吸っていると、声を掛けられた


「汝隣人を愛せよ」


横を見ると神社で見た少女が居た


「……何で病院なんかにいるんだ?」


「私も入院してるからですよ」


「じゃあ神社であった時はここを抜け出してきたのか?」


「そうですよ、うら若き乙女が病院でする事何て無いですからね」


誇らしげにそう言った


「まぁそういう訳で煙草を恵んで下さい」


「よろこんで」


俺は少女に煙草を渡す


「火はあるかい?」


「無いので貸して下さい」


俺は顔を近づけシガーキスをする


「……初めてのキスがシガーキスになりました」


頬を染め楽しげに笑う


「四百二十円の運命も馬鹿に出来ないな」


「本当にそう思いますよ

まさか貴方まで入院するなんて神様も何がしたいのやら」


わざとらしく顔を顰める


「では約束通り」


「約束何てしましたっけ?」


「俺と結婚して下さい」


俺は真面目な顔で少女を見つめる


少女は顔を真っ赤にし手で隠した


「た、確かに約束はしましたけど本当にするなんて……

初めてのキスとプロポーズを奪われるなんて……」


「約束だったからね

大人は約束を守るもんだろ?」


「……約束を守る人は好きですよ」


「それは良かった」



俺と少女は喫煙所を出た

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― 新着の感想 ―
[良い点] 四百二十円の価値が大きかったです。 とても読みやすかったし、女の子が可愛かったと 思います。最後の約束を守る人は好きという言葉に 性格が現れていて、良かったです。 [気になる点] 主人公の…
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