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激戦の勇者 後編

 互いに互いを睨み合い、迫りあう二人。

 旧式(シス)新式(エト)

 どちらが勝つのか。

 シスが開いたままの『武器庫』から魔封宝石(ジュエル)を取り出す。

 暗緑に赤褐色の斑点が混じったあまり宝石とは思えない見かけのそれの名はブラッドストーン。

 その内包する概念より、最も研究が盛んな魔封宝石である。ブラッドストーンへ、シスは自らの魔力を流し込む。

 「させる訳無いだろう? …開放(バースト)

 「…遅い」

 エトが放った真なる爆発を。

 

 極みの爆発が力づくで消し飛ばす。


 「…っ! まさか…!? 超新星爆発っ!?」

 「…本当にお前は新式か? …俺が起こしたのは重力崩壊だ。超新星現象は重力崩壊による中性子星或はブラックホールへのかん移時に二次的に発生する現象だ。単体で起こせるわけがないだろう。」

 エトの驚きに、シスが淡々と言葉を返す。

 シスが語ったとおり、起こしたのは重力崩壊。星ぼしが自らの重力に耐えることが出来なくなり、収縮していく現象だ。

 収縮していく中で、星の外層部が爆発的に弾き飛ばされる現象を超新星現象と呼び、それは重力崩壊無しに起こることはありえないのだ。

 つまり、ブラッドストーンが司るのは重力操作である。

 空間断層とエトの間で起きた極みの爆発は、シスとエトの体を十メートルづつ弾き飛ばしている。

 「来るぞ。」

 今の爆発を超新星爆発と捉えたエトにとっては意味の分からない現象であろう。

 今もまだ、ブラッドストーンの魔封宝石によって加圧が続けられている先程爆発が起きた一点から。


 再び、爆発が発生する。


 「ガァァァァァ…!!」


 エトが叫びを上げる。

 エト自らが起こした爆発をはるかに越える超新星爆発を受けても立っていたエトが。

 先を極みとするならば、こちらは究極。

 「核融合爆発。重力崩壊時、残った軽元素が核反応を起こして燃え上がる。核の炎ってヤツさ。衝撃は、熱戦、放射能、熱中性子を食らえ。」

 空間断層に守られたシスが笑う。

 しかし。

 「…、リ、『分解(リソルヴ)』」

 最初の衝撃波という質量を持たない物以外、エトは全てを分解してしまう。

 「…『構築(ビルド)』」

 エトの呟きと共に、エトの傷が見る見る修復していく。

 己のDNA情報を全て理解して、傷の箇所に必要な組織を構築したのだろうか。

 幾分か余裕の戻った声でエトは言う。

 「これで君の攻撃は終わりかい? ならば残念だったね。僕を倒すことは叶わなかったみたいだ」

 「…。」

 そう、このブラッドストーンの魔封宝石を使った二重爆破は確かに強力だ。

 重力崩壊を使った超新星爆発、核融合爆発。

 この二つに耐えることのできる者は殆どいないだろう。

 しかし。

 耐えることのできるものにとって、これは致命打になり得ないのだ。

 出すことの出来る最大級であろう切り札を潰されたシスは、しかし表情を変えない。

 「どうした、シス? 僕を倒すって言っただろう?」

 もう既に勝ち誇っているエトへ向けて、シスは表情を変えた。

 敗北を悟る苦悶の顔。

 ではなく。

 勝利を確信する嗤い顔へ。

 「終わりだ。」

 宣言するのはシス。

 未だ加圧されていた一点以外に自分の体へ圧をかける。

 「来るぞ。」

 「…?」

 エトが首を傾げた、その瞬間。

 超新星爆発と、核融合爆発を起こしたその一点が。


 ブラックホールと化した。


 重力崩壊を起こした星の行く末。

 それがブラックホールだ。

 ただただ周りを吸い込むだけの重力の塊が、全てを吸い込む。

 

 「重力崩壊。俺が使ったのはそれ一つだ。本質を見抜く目を持て新式、上面につられた結果がこれだろう。」

 「…、……!」

 エトの体がブラックホールに吸い込まれていく。


あとがきは次話まとめていきます

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