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奮戦の勇者②

 蛸の椀手が、リーナを捉えた。

 「きゃぁっ!」

 可愛い悲鳴と共に吹き飛ばされるリーナへの追撃を防ぐようにキールが動く。しかし一人で八本の椀手を防ぎきることは出来ないのでそう長くは持たないだろう。

 地面へ打ち付けられるリーナへ矢が飛ぶ。

 矢はリーナに刺さらず、鈍い鏃でリーナの鎧に当たる。

 瞬間、リーナの体を初級の回復魔法が包んだ。

 リーナの体の傷が少し癒える。

 (ナイス、アチェリー!)

 リーナは再び蛸に向かって駆ける。

 後方より雷を纏うヤが蛸に降り注ぎ、爆音を轟かせる。

 蛸の注意がアチェリーに向いた瞬間、リーナは蛸の懐へ飛び込んで剣を振るう。

 蛸が面倒臭そうにリーナへ意識を向けた瞬間、キールの体が回復する。

 しかし、回復量は微々たる物であった。

 そもそもアチェリーが使える魔法は上級探知、中級各種攻撃、初級回復魔法のみであるから、主回復師(メインヒーラー)として動くのは不得意どころか無理に近い。

 このままではアチェリーの回復魔法で治癒できる範囲を超えた攻撃を受けた時か、アチェリーの魔力が尽きた瞬間全滅(ジ・エンド)だ。

 「おおおおっ!」

 キールが自己加速魔法を使って奮戦する中、しかしリーナは希望を喪っていない。

 例え自らの攻撃が通じない敵でも。

 例え自らが即死しうる攻撃を放つ敵でも。

 例え自らの仲間が死力を尽くして勝てない敵でも。

 こう思えるのだ。

 (絶っ対、シスのほうが強い!!)

 そう、確信できるのだ。


 最早、シスの強さを疑うということはない。

 最早、シスの行為を疑うということはない。

 もしシスが自分のことを疑っていても。

 リーナがシスを信じないなどありえない。

 「行くよ……!!」

 リーナがそう叫んだ瞬間。

 願いが天に通じたか。


 一条の光線が、垂直(・・・)に蛸を貫いた。


 「…シス!」

 日光(・・)が挿し込む中、リーナの声はむなしく反響する。

 「…日光?」

 アチェリーが耳を傾ける中、その声は届く。

 

 「エトー、流石にやりすぎなんじゃないの?」

 「大丈夫だって、ナン。0番(ゼロ)はそこまで柔じゃないはずだからさ。」


 男と女、二人組みの声が。

 明かに、シスではない声が。

 上から降ってくる(・・・・・・・・)


 「…、…!!」

 リーナはやっと違和感に気付いた。

 土の中に引きずり込まれたシスが日光の挿す場所から攻撃を放つわけがない。


 つまり。


 シスではない…!!

 「構えて!」

 リーナは咄嗟に二人に言う。

 「…?」

 「…、…?」

 まだ状況が良く分かっていないらしいキールとアチェリーが不思議そうにしながらもそれに従う。

 これまでに、一行の誰かを指して0番(ゼロ)と呼んだワンは、シスとまともに戦いほど強かった。

 あのレベルの敵に相対すれば、ほぼ瞬殺されてしまう。

 じりじりと緊張が高まる。

 体感では永遠と思える時間が過ぎ。

 人影が、現れる。


 パラシュートを展開させた2人は、リーナを見ると二人で騒ぎ立てる。


 「エトー! いたよいたよー! さっさと回収して戻ろうよ!」

 「そうだな、ナン。戻って一緒にいよう。」

 「エトー! 分かったー! エトと一緒ー!!」

 2人は地面に着地する。

 パラシュートが衝撃を緩和させても、着地時は自ら転がらないと骨折は免れないはずなのに、2人は膝一つ曲げない。

 「…さて、君達を回収させてもらう」

 「抵抗しないでねー、面倒臭いから。」


 天はリーナの願いを聞き届けなかった。遣わしたのは、悪夢。


 蛸よりも絶望的な戦いが、始まる。

読んで頂いてありがとうございます!

さて、リーナVSエトとナン、どちらが勝つでしょうか?

…簡単すぎますね。

ブックマーク評価ポイントが増えました!

面白いと思った方はどちらでもいいのでよろしくお願いします。そうすると筆者の士気が上がります。

次回も頑張って更新するのでよろしくお願いします!

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