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ネットダイアリ-52-  GNAワールドの夜明け前 -2-

「今日の出席者は、107名か」

「第47回会議となると1378名の会員のうち、このくらいの出席率となるか」

「今日は大した議題はないから、後からの視聴で十分なのだろう」

「世情を語るには十分な数だと思うが」

「ここはあくまで会議体。世情は別のところでやってくれ」


「本題に入ろうか」

「GNAは、そろそろ次の段階に入ってきたか」

「そうだな。意外と時間がかかったな」

「日本政府からワールドテレポート実装の時期を延長してほしいという依頼を呑んだから仕方があるまい」

「どうも、日本では、ゲーム文化が多様化しているためなのか、なかなか、GNAに人が集まらないのだろう」

「日本グラウンドには期待していたのだが残念だ」

「そうだな。あのサブカルチャーは驚異的だと思ったのだがな」


「日本政府は、GNAの価値を理解してないようだ」

「仕方がないことだ。彼らの価値観はお金に重点を置いているのだから」


「他国は、グラウンド製作に苦慮しているようだが」

「一部だが、日本のクリエイターに接触している国もあると聞いている」

「ネット上で情報授受が出来るから簡単だろうが、対価の対応が困難だろう」

「この機に仮想通貨を広めては?」

「やめてくれ、我々の首を絞めることになるかもしれない」

「かもしれないが発展のためには面白いと思うのだが」

「個人的には、仮想通貨を広めることには賛成だが、我々が手を下してはいけない」

「うむ」


「GNAのルールを逸脱しないように進めるのも苦労する」

「そうだ。我々はあくまでも監視者だ」


「GNAに関係する投資は行ってはならない。原則を守らない者は、議会から追放するとともに、世界からも抹殺する」

「おいおい、抹殺とは誤解を与える。あくまでも、この世界から、お引取り願うだけだから」

「生物的な死より、精神的な死のほうが人間の死と言えないか」

「静粛に。ここは、哲学の話をする場なく、GNAを通して、実世界をいかに争わせる方法を議論する場だ」


「それと、GNAを娯楽として楽しむ場じゃ」

「プレイヤーとして参加している者には、GNA内での行動や発言にも制限があることは忘れずにね」


「それにしても、専属ライターたちは、うまく見せてくれている」

「中国の動きが活発で面白い」

「ロシアの動きも怪しいが、ルール遵守には心がけているようだ」

「米国は、自由にさせているが、そのうち何らかの動きがあるだろう」

「確かに。もともと米国大統領は、世界の覇権など興味がなく、国内に目を向けている主義なので、GNAでの政治手腕比べには興味がなかったからね」

「もともと、ロシアと中国が、実世界での覇権争いに領土をその価値として、計測しようとしていたからな」

「我々としては、そんな国同士の争いに、これまで築いたものを破壊されたくないからGNAを提供したのだから」

「結局は、国の首長の面子争いに他ならないからのう」


「ワールドテレポート実装後の各国の手腕を見せてもらおうじゃないか」

「仮想世界でも、お国柄が出るのだろうか」

「これは、壮大な実験じゃ」

「我々のように、理知的な対応が出来るか」

「ふっ。我々でさえ、まだ、野蛮なところがあるだろう。さっきみたいに」

「・・・」

「・・・」


「事前にお配りした議題のとおり、各グラウンドでの実質プレイヤー数ということで異議はないかな」

「・・・」

「では、実プレイヤー数で順位を決めることにする」

「オッズは、ワールドテレポート実装後、1週間目から始まること。結果は、ワールドテレポート実装後、30日とする」

「では、これで今回の会議は終了とする」


 会議内容映像は、会員1378名に送信された。

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