ネットダイアリ-39- 亮の参戦
「美柑さんは、まだ、がんばっているな」
昴が帰ろうとエレベータに向うとき、横目で美柑さんを見た。
昴は、グランソフトを後にして、さっきメールで連絡した亮の家に行った。もちろん、アルバイトの件である。
「いらっしゃい」亮は、昴を待っていた。
「亮のうちに入っていいかい」
「もちろん。どうぞどうぞ」
亮の部屋に入り、亮は、いつもどおり、飲み物と肉まんを持ってきた。
「なにから、伝えようかな」昴は切り出す。
「女の子の話がいいかな」
「いや、それは後になるよ」
「それ以上に重要なこと?」
「まったく関係ないわけじゃないけど、まず、アルバイトの件」
昴は続けた。
「僕と同じアルバイトしないか。実は、今のアルバイトGNAに関係しているんだ」
「マジかよ。じゃあ、昴はGNAで何かしているの?」
「いや、遊んでいるだけだけどね」
「え、遊ぶだけでお金もらえるの」
「今のところは」
「へぇ~。やばくない?」
「あのツェットからも頼まれたんだ」
「警察の仕事?」
「警察とは違うらしい」
ちょっと、考える亮。
「亮がアルバイトを一緒にすれば、もっと詳しく話せる」
「警察が大丈夫って言っているから大丈夫だろうけど。・・・遊ぶだけでお金もらえるんでしょ??」
「詳しくは言えないんだ」
と昴は、返答したものの、本当に遊ぶだけである。おっちゃんのGNAへの取り組み姿勢からはそれだけでは済まないという感じだった。もちろん、DDos攻撃の件もある。
「部活で遅れても大丈夫かな?」
「たぶん大丈夫だと思うけど、その辺は、アルバイト先で聞いて」
「なるほど」
「亮にも亮の都合があるだろうから、返事はあとでいいよ」
「やる」
即決である。
「部活は何とかなるだろうし、アルバイトの関係で昴が悩んでいるようだし。昴は、入ってくれといっているしな」
「入ってくれって言ってないよ」
「昴が頼むってことなんて滅多にないから、昴の危機ってことだよな」
残念ながら、亮の言うとおりだ。
「・・・」
「部活とかは自分でやるから、アルバイトするって伝えといてくれ」
「わかった。伝えておく」
「それで、俺はどうすればいいんだ」
恐らく、おっちゃんはまだグランソフトにいるだろう。
「亮のことメールしてみる」
少したっておっちゃんからグランソフトに来るように返事があった。
おっちゃんは亮に直接会って話をしたいそうだ。
「亮、いつ行く?」
「よし、すぐに行こう」
「え、すぐか?」
亮らしい返事である。
亮と昴は、すぐにグランソフトに行った。
一応、亮には、携帯からの電話をすることでエレベータが開くことは内緒にして、エレベータで3階に亮を案内した。
事前におっちゃんには、今から行くことをメールで知らせていたせいか、3階でおっちゃんが待っていた。
「君が神崎亮君だね。私がここの社長、井出だ」
「これ、そこらのおっちゃんじゃん」
亮は、おっちゃんに指をさして、昴を見た。
そんな亮を見た昴は、吹いてしまった。




