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ネットダイアリ-17-

佐藤の存在確認をネットダイアリで確認したところ、新たな事実が。昴は何が何だか分からなくなる。

 朝起きて、すばるは、昨日確認したコンピ研の佐藤のことを再度確認しようと、珍しく、朝、パソコンを点け、ネットダイアリを開いた。

「佐藤さん写っているじゃん」

 佐藤が写っている画像を再度確認し、ネットダイアリを閉じようとしたとき、すばるの目に、今日の日付が映った。登校までにはまだ余裕があったので、今日の日付で作成されたネットダイアリを見た。

 その内容は、登校時のあきらすばる、下校時の有坂ありさかすばると通常の風景だった。

「これなら、いつもの画像が張られているようなものじゃないか」

 次を見ると、玄関先に警察官が立っている画像があった。すばるの家のドアホンについているカメラからの画像だろう。次に、あった画像は、

「僕が警察に連れて行かれている・・・」

 これはどういうことだ。何が起きている。いや、何が起きるのだろうか、と考えたほうがいいのか。混乱しているうちに、母から声がかかった。いつの間にか、いつも家を出る時間を過ぎていた。


 あきらに「寝坊して遅れる」とメールをし、家を出た。もちろん、寝坊はうそである。

「しまった。画像に含まれている情報を見ておけばよかった」

 通常画像の中には、画像そのものの大きさや解像度などのイメージ情報以外に撮影日時や作成者、場合によっては、撮影したカメラの機種まで情報として残っている。

 すばるは、動揺していて、通常、確認するような情報を確認しないで家を出てしまった。少なくとも、パソコンの電源を入れておけば、学校から休み時間に確認できたものの、いつものどおり、パソコンの電源は落としている。もちろん、大元のコンセントからもはずしてある徹底ぶりだ。

「外出中、僕のパソコンは、いつも、元の電源から抜いているから、ハッキングされることはないはずなんだけど?」

 そんなことを考えながら、学校へと向った。


 学校は、普段と変わらない。いつもどおりあきらと話をしていた。

「今日のお前、なんかおかしいぞ。昨日のGNAジーナは、いつもどおり定時で解散したし。なにかあったのか」

 長年の付き合いだから、あきらにはすばるの様子が変なのは、丸わかりなんだろう。かといって、今の状況を話せる状態ではない。恐らくあきらのことだから、すばるの言うことをまじめに聞いてくれると思う。聞いた内容がどんなことであれ、すばるが真面目なら、茶化すことやからかうことはないだろう。むしろ、あきらを巻き込む危険性がある分、あきらには言ってはいけない。そんな危機的状況であるとすばるは思っていた。

「なんか、GNAジーナ進まないね」

 あきらは昨日の狩りでまた、西側を探索しただけで、本当ならすばるの提案どおり、強敵がいる場所に行きたかったのだが、長年やっているこのようなネットゲームの経験から、あまり無理してもしょうがないことも知っている。特に、GNAジーナは、モンスターが経験値を貯めることができることを考えると、あまり簡単に倒されるわけにはいかない。

「まずは、ギルドを待とう。確か、今日からだよね」

 GNAジーナのことを考えることで、少し心を軽くするすばるだった。

「イーデイさんは、マスターやってくれるかな」

「この前の話だと、やると宣言してたから。あ、そうそう、掲示板にも書いてあったよ」

「掲示板はさ、今みんな、ギルドメンバー集めに必死で、いろんなところが名乗り上げているでしょ。すばるは良く見つけられるな」

「それは、いつもどおりの方法だよ」

「まあ、いつも、それに助けられているんだけどね」

あきらからの情報があるから、いろいろと調べられるんだよ。僕は、あきらほど話し上手じゃないから」

「そかな」

「情報のやり取りはお互い様だよ」

「いよいよ、ギルドでマップを制覇するか」

「気の早いやつ」

 平穏な時間が過ぎた。


 授業が終わり、有坂ありさかと話をしたかったが、コンピ研を休むことをメールで連絡し、すぐに家に帰った。もちろん、画像に付帯する情報を確認するためである。

「僕が警察に連れて行かれる画像なんかは、簡単に作ることが出来る。僕なら付帯する情報も書き換えるだろう。まず、その辺の痕跡があるか、調べたい」

 すばるは、パソコンを点け、キーボードをうちながら、画面の隅々まで視界をめぐらせるように見た。

「今日の画像は、偽者だろうとして、まず、佐藤さんの画像から調べよう」

 画像を調べてみると、驚くことに、今日のデータが未来の時間情報があり、ほかの画像情報も不整合なものではなかった。過去の画像は別として、未来の情報が目の前にある。あと2時間ちょっとで警察がやってくるのか。すばるは信用してなかった。むしろ、パソコンをつけておくことにより、外部から何らかの攻撃があるのだろうと思っていた。

「僕を狙ったところで何の利益もないだろうに」

 確かにハッキングを行ったり、パソコン関連の技術情報やプログラミングが出来たりなど、普通以上の能力の持ち主ではあるが、すばる程度の能力を持つものは多い。むしろ、コンピ研の戸村とむら江原えばら御影みかげのように、一つの能力に突出した人のほうが標的になるだろう。

「もしかすると、中途半端にハッキングなんかしているから狙われたのかな」

 そんなことを考えながら、一応、警察が来るという時間までパソコンに向っていた。ただし、GNAジーナをする気分ではなかった。


 ネットダイアリにあった時間が来た。玄関の呼び鈴がなった。母が応対しているらしい。すばるは念のため、パソコンから玄関のカメラを見ないようにして、母から呼び出されるのを待った。


 少し経っても母から呼び出されない。

「やっぱり、偽造だったか」

 と胸をなでおろしたところ、母から呼び出された。

「まさか」



「黒野昴君だね」

 街の警察官が玄関にいた。母は、困惑の表情を浮かべ、すばるの背中に手を当て、

「行って来るだけでいいみたいだから、悪いことしているって言っているわけじゃないよ」

 どうも、逮捕のようなものじゃないらしい。

「驚いているね。事件というわけじゃないんだけど、ちょっと話を聞きたいんだ。君がなにかしたわけじゃないんだよ。心配しないで」

 やさしい口調の警察官についていくことにしたすばるだった。

 軽く身支度を整え、警察官と出て行った。パトカーに乗るわけでなく、歩きながら警察官が話し始めた。

「黒野君は、パソコンみたいな機械が強いんだってね」

「はい」

 すばるは用心深く、発する言葉を少なくする努力をする。

「今、この街でネットワーク関係の異常が起きているらしいんだ」

「・・・」

「君が呼ばれたのはそのことなんだ。残念ながら、うちの管轄じゃ、専門的な知識を持った人がいないんでね」

「・・・」

 ということは、その辺の犯人として疑われているのだろうか。確かに現在の警察庁には、いわゆるサイバー犯罪を専門とする組織があると聞いたことがある。そこから、すばるの行動が監視されていたのだろうか。すばるは身構える。

 それを悟ったのか警察官は、

「君のことじゃないから心配しないでくれ。本当に知恵を貸してほしいんだ」

 交番に着いたら、あきらもいた。

 すばるあきらと目で会話するように、「黙っていよう」という感じで見つめた。


 二人は、パトカーに乗せられ、警察署に向った。

 パトカーの中で、今起きている状況の大まかな説明を聞いた。

8日目の続編の投稿です。我ながらよくやるなと思ってます。初めて書いたときに、話の流れ、いわゆるプロットというやつかな、それがなかったので、キャラが不十分な二重人格となるようなキャラ崩壊してたり、矛盾点が多くて、全然話を前に進められなかったりしてました。(今でもそうかもしれませんが)今回はまあまあ、かけていると思ってます。自分なりにですが。

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