ぷろろーぐ
この小説にアクセスしていただき、ありがとうございます。
ネット小説の執筆に感してはまだまだ初心者なので、この小説に関する批判や良かった点などありましたら、ご感想等お待ちしております。頂いたご感想には真摯に対応していきたいと思っています。
気が向いたらで構いません。
よろしくお願いいたします。
世界は広しといえど、自分の安心と信頼が保証され、我が物顔で歩ける範囲は、自分たちが思っている以上に狭い。
そしていざそこから一歩出れば、そこはまさしく一寸先は闇状態。一歩歩くにも細心の注意を払い、石橋を叩き、杖を転がしてみたりして行動しなければならない。
それらの行動を怠り、周りの状況を正しく判断せずに無闇矢鱈と突き進む事は非常に危険である。それはさながら吹きすさぶ大型台風に家族用のバナナボートで突撃するも同義と言えよう。
だがこの表現を見て、大多数の人はこう言うだろう。「話がオーバーすぎるだろう」と。
事実、自分でもそう思う。否、『思っていた』。
――その世界では『自称』人間が空中を自由自在に飛びまわり、光る球を飛ばしたりレーザーを放ったり、挙句の果てに他人の心を読むだの時間を止めるだの訳のわからない特殊な力を持っていたりと。
更には天狗や河童といった水木しげる作品でしかお目にかかれないような生き物が、さも当たり前のようにその辺をぶらぶらと歩いていたりする、『非常識』な世界だった。
それらの現象をこの二つの眼で目の当たりにしたとき、『ドッキリ大成功』のプラカードを持った男が効果音と共に現れるのを今か今かと待ちわびていたが、残念ながら未だに姿を現さないままだ。一体どこへ行ってしまったというのか。
世界は広しといえど、このような想像しうる範疇を超越した現象がポコポコ起こるような世界が他にあるだろうか。いや無い。あってたまるか。冗談ではない。
その世界の或る人は言った。「この世界では常識に囚われてはいけない」と。
俺はその時即座に言い返した。「無理です」と。