おーまいえんぷれす、悪魔のこと教えてよ!
「……臭うな」
二日前、森からした異臭。
血に混じっていたそれを感じ取る。
「瘴気、ですね」
「瘴気ってのは?」
「悪魔が撒き散らす臭い、だとでも思っていれば良いでしょう」
ということは、当たりか。
どうやらアゲハも俺と同じものを感じ取っている。
「精霊や上位の妖精も似たものを撒き散らしますが、そちらは不快な臭いではありません」
場所はミラシアの王都。
ここに近付くうちにより濃くなってきたこの臭気は王国の中心部に至って逃れようもなく辺りを満たしてしまっている。
「やっぱり、悪魔信奉者か」
「でしょうね。この感触では食べ物に混ぜたか、定期的に補充しているか……」
不意に不穏な音を耳が捉える。
刃物を打ち合う音。
剣戟の気配は斜め後方五十歩というところ。
「……三本向こうの裏路地、ってところか」
「行きますか?」
「当然」
言うと同時に縮地で距離を縮める。
突然に現れる所を人に見られる訳にもいかず、屋根の上を渡ってきたのが活きた。
見れば、三人の兵士が一人の旅人を切り捨てているところだった。
ミグが居れば間に合っていたのだろうが、俺では助けられまい。
「また狂信者か!」
「今度は二人だぜ! お前今試し切りしたんだから俺らに譲れよ」
「ハッ! 早い者勝ちだろ?」
狂信者……?
兵士の目はどう見ても正気のものではない。
狂信者と呼ぶのなら、それを口にした兵士達の方こそが相応しいだろう。
と、いうか、どう見ても話が通じそうにない。
後で何か隠し玉がないかアゲハに押し付けてみるか。
「……アゲハ、あれ任せられるか?」
「診ましょう」
倒れた旅人風をアゲハに任せて兵士三人に向き直る。
啖呵、考えるのも面倒だから今の心境をそのまま口にしようか。
「とりあえず、今死ぬか後で死ぬか選ばせてやるよ」
旅人の匂いは女、それを三人がかりで切りつける?
ああ、聞きたいことがなければ今すぐ切り捨てたい気分だよ。
「吼えるな! たかだか二人で何ができる!」
騎士にすらなれない兵士ごときに何ができるのか問いたいところだな。
兵士達は剣筋も何もないめちゃくちゃな振りで剣を振りかぶり、
「そんなんじゃ狼も殺せねえな」
振り下ろすと同時にその両手を地面に落とした。
パーツがあれば適当な治療術でも繋がるし、小脇に抱えて必死に持って帰らせることにしよう。
もっとも、適当な治療術じゃ骨が歪にくっ付いたりするんだけどそれは自業自得ってことで。
「アゲハ、大丈夫そうか?」
「ええ、弦慈公印の霊験あらたかな秘薬を使いました。
半刻もすればむしろ切られる前より健康になっていますよ」
「冗談だろ。治療術使ってたの気付いてるっての」
「ばれてしまいましたか。
どちらにしても目を覚ますまで半刻というところですね」
流石千年以上を生きている鬼というところか、無闇に器用なヤツである。
兵士の方は腕を切るついでに剣の腹で頭を打ち据えている。
こっちも目を覚ますまで半刻ってところか。
「若。リュフェに滞在されているのでは?」
不意に俺の影から這い出る伺見。
おい、お前さっき俺の影にわざわざ入り込んでるの分かってんだぞ。
それともなにか、コイツらは初対面の人間が居る時は影から出てこないといけないとかそういう規則でもあるのか?
当然アゲハもその辺りは感知している。
驚く素振り一つ見せない。
今出てきた伺見はどこか残念そうな空気を漂わせている。
驚かせたければ相手を見ろ、相手を。
「走り込みのついでに寄ったんだよ。で、どのくらい探れてる?」
「その者が各所の内部情報を集めている最中です。
直接侵入するには悪魔の目が多く、なかなか上手くことが運べていないというのが実情ですな」
「ふーん。前もそんな感じだったのか?」
「以前はここまで露骨に悪魔が顔を出すことはありませんでした。
おっと、こんなところで立ち話という訳にもいきませんな。
我々の拠点で報告させて頂きましょう」
うん。
半刻もどうやって時間潰そうかと思ってたところなんだよな。
顔には出さないけど。
ってか、そこの旅人風のヤツはシェル姉の小間使いだったのか。
この程度の連中に切り倒されるようじゃ情報もあんまり期待できないんじゃないのかねぇ。
「その者は戦闘や侵入が専門ではありませんからな。
ただ、これまでこうも早く正体に感づかれることもなかった。
いやはや悪魔とは怖ろしいものです」
伺見が兵士三人を手と一緒に縛り、担ぐ。
ちなみにコイツは男だ。
伺見の性別は見た目や声、体格からは読めない。
やたらと薄い匂いから判断するしかない。
匂いが薄いのは追跡に特化した猟犬を誤魔化すためだとか。
その匂い、俺はばっちり嗅ぎ分けてる訳だが、本当に犬も誤魔化せるのか?
「こちらへ」
大の男を担ぎながら伺見が先導を始める。
「そこの旅人風はどうする?」
「お任せしても構いませんかな?」
「……まあ、良いだろう」
ということで、旅人風は俺が抱えることにした。
軽い、柔らかい。
うん、なんというか匂いが薄いのも相まって現実感が薄い。
「しかし、なぜこうも早く侵入者が特定されたのか……」
「匂いでしょう」
「匂い、ですか?」
伺見の疑問にアゲハが即答する。
「大方捕らえた者に化けて潜り込んでいたのでしょう?
ああ、答えなくても構いませんよ。
急に瘴気が薄く、どころか、瘴気が一切なくなれば当然警戒もするでしょう。
瘴気はよほど鼻が鋭くなければ嗅ぎ分けられませんからね。
犬や狼程度ではちょっとした違和感に気付くかどうか、というところです。
瘴気の元の悪魔なら話は変わりますが」
「なるほどな。この匂いで嫌な顔するの俺だけだった訳だ」
「人が瘴気を嗅ぎ分けるなど聞いたことがありませんよ。
シュリト、貴方本当に人なのですか?」
何故か種族を疑われた。
いや、人間だぞ?
……人間のはず、だよね?
「人間、ああ、アゲハが言うにはヒューマンか?
俺は間違いなくヒューマン、の、はずだけど?
親父もお袋もヒューマンだったし」
「では突然変異か何かでは?」
「やけにヒューマンじゃない何かにしたがるなお前。
生まれた時も特に変なところはなかったはずだぞ。
少なくとも何か変なところがあったなんて話しは聞いたことない」
コレばかりは直接見た訳ではないので断言できないが、何かあればもっと周りの扱いが変わったり生まれた時の話しされたりするだろ?
「……そうですか」
「ええと、そちらのお嬢さん。その瘴気というのは?」
途中からいきなり話しから放り出された伺見が方向を修正する。
っつか、アゲハが居るのに結構ベラベラ喋ってるよな。
普通に俺らについて来てるのにも反応してないし。
「悪魔が発する匂いとでも思っていてください」
「悪魔が発する匂いですか」
アゲハは先ほど俺にしたように適当に受け流す。
「後でちゃんと教えろよ」
「二度は教えませんよ?」
面倒ですから、とアゲハ。
ああ、もしかして伺見が俺の影に入るの察知してたから適当に流された訳か。
よくよく考えるとこの男の伺見、俺らの縮地に普通について来たな。
今も縮地で移動してるし、案外できる男なのかもしれん。
そろそろ街を抜けるな。
拠点ってのは……ああ、あの森の中に野営でもしてるのか?
予想通りというか、真っ直ぐに森の中に入っていく。
外から見て森の半ばくらいかってところで伺見が立ち止まった。
「こちらです」
どうみても天然洞窟の口が広がっている。
「盗賊じゃねーんだから……」
「似たようなもんですよ」
ああそう。
「本当に天然洞窟って感じだな」
「街に構えた拠点は全て燃やされましたからな。
今では宿を転々としている数名以外の生き残り全てがここを拠点にしていますよ」
水音が聞こえてくる。
声が反響する。
歩く音を殺しているのは流石というところか。
明かりも点さずずんずん奥に進んでいく。
……所々トラップがあるのはやっぱ外敵避けなのか?
ま、この中にはそんなのに引っかかるヤツは居ないんだけど。
「……少し自信がなくなりますな。
私の部隊で最も罠に長けた者が設置したものなんですが」
「空気の流れが不自然です。もっと精進するようにと伝えておいてください」
「あと匂いもな」
「シュリト、貴方以外の人にそこまで求めても不可能ですよ」
つってもお前も匂いのこと分かってたんだろ?
「当然私も嗅ぎ取っていますが、この程度ならかなり鼻を鍛えた犬人でもない限り気付きませんよ」
「そんなもんか」
「伝えておきましょう」
そう言って伺見が扉を開いた。
これなら生活臭を辿って一人でも来れたな。
やたらと蟻の巣状に広がってる洞窟だが、正解のルートが分かるならどうということもない。
「ラージアントの巣の跡をそのまま使った拠点です。
彼女はそちらの部屋のベッドにでも寝かせておいてください。
私はこの兵士を特別室に連れて行っておきましょう」
「わかった。その後はこのテーブルにでも座ってれば良いか?」
「そうですね。お願いします」
伺見と別れ、指定された部屋の扉を開く。
質素な部屋に二台の二段ベッドが置かれている。
んー、詰め所って感じ?
匂いからすると女部屋ってところか。
ただ、変装用の道具以外これといって飾り気もない。
武具の手入れは共用の道具でやってる感じか?
抱えていた旅人風をベッドに横たえる。
「さて、戻るか」
部屋を出るとさっきの伺見がテーブルの前に立っていた。
「座らないのか?」
「流石に主の弟君と同じ席には着けませんよ。
そちらの客人もどうぞ、粗末な椅子ですが」
そんなに気にすることかね、と思いつつ椅子に座る。
硬いな。
どうでも良い、さて何から聞こうか。
「まず瘴気ってのが何かって所から聞いておくか?」
ミラシアの件でアゲハが聞きたいようなこともないだろう。
まず二人知りたがっている人間がいるものから聞いておこう。
「悪魔が発する匂い、と言いましたね」
「ああ、それは聞いた」
「瘴気自体に匂いはありません。
あれは瘴気に犯された空気の匂いなのです」
それは別にどっちでも良いかな。
瘴気が出てるところであの匂いがすることに違いはない。
「瘴気とは、悪魔が精神汚染に使う魔力のことです。
なので、悪魔が居れば必ず瘴気の匂いがする訳ではありません」
「ん、ん? ちょっと待て、物騒な単語が飛び出てるぞ……。
ああ、悪魔信奉者ってもしかしてそういうことなのか?」
「重度の精神汚染に犯された者のことですね。
彼らは悪魔に良いように使われる。
傍から見れば、確かに悪魔を信奉しているように見えるかもしれません」
「まあ、それは良いや。
で、それだと瘴気の匂いが濃いところに居るとまずいことになるんじゃ?」
本質がどうあれ周りが受ける影響は変わらない。
精神汚染されるかも、なんて場所にわざわざ飛び込みたくもない。
まず危険性から聞き出しておくべきだろう。
「瘴気の匂い自体に不快以外の効果はありませんよ。
匂いが変わるのは、精神汚染に使う魔力が持っている、物質を変質させる性質が発揮されているからです。
逆に言えば、悪魔が近くに居ること以外には特に危険性はありません」
「そか。ならそれで警戒すれば精神汚染に抵抗したりもできるのか?」
とりあえずあの街にいるだけで危険ってことはない訳だ。
次は対抗策を練ろう。
そのあたりの備えがあれば特に恐れるところもない普通の魔物退治で済むかもしれん。
……いや、それは流石に楽観視しすぎか。
精神汚染が解けても、解けたからこそ起きる混乱もあるはずだ。
何より、国の内部がボロボロになっている状態で汚染だけ解けても意味がない。
やはり、然るべき手順でことを運ぶべきだろう。
「できますよ。
というか、ある程度精神力が強ければ汚染などされません。
私やシュリト、ミグ、ミラ辺りなら魔力量も多いですから、汚染は難しいでしょう」
「ってーと、どういうヤツが精神汚染される訳?」
聞いてると、言葉はヤバいが中身はそんなにヤバい物じゃないのか?
「精神力が弱いか、精神が不安定になっているもの。
かつ、魔力が弱いもの。
更に、定期的に汚染源の悪魔と接触しているもの。
全ての条件を満たさなければ継続的な精神汚染は発生しません」
「なら精神汚染は汚染源の悪魔だけ倒せば問題ないってことか」
割とシンプルな手順で済みそうだ。
が、アゲハは首を横に振る。
「悪魔が何のために精神汚染などということをするかわかりますか?
悪魔の肉体など飾りに過ぎません。
単に倒しても、これ程に汚染が広がっていては予備の肉体を幾つ用意しているかわかりませんよ」
「……倒してもその場ですぐに復活するってことか?」
「そうですね。悪魔の厄介なところはそこです。
悪魔の本体は精神体だ、といえばわかりやすいですか?
悪魔を殺すには、依り代にその悪魔の精神全てを封じて精神ごと破壊するしかありません」
「精神ごと、破壊?」
聞くだに物騒だな。
「簡単な話です。
魔力を込めて依り代を殺せば良い。
魔力でなら精神に触れることができますから」
「初耳なんだが」
「でしょうね。大昔なら精神に影響を及ぼす魔術も多く存在しましたよ。
あまりにも危険だったのでその魔術の術者は全て殺されましたが。
書物も全て焼き払われました」
「それまた」
「当然でしょう?
言ってみれば悪魔の精神汚染、その汚染効率を引き上げるような魔術ばかりでしたから。
今覚えているものが居るとすれば、各種族の王かそれに準じる地位や力を持つ者だけです」
「ん、前に悪魔にも王が居るって聞いた気がするんだが?」
「いますよ。ただ、使うことも誰かに教えることも禁じています」
「それは、どうやって?」
自分の能力と相性が良い魔術を使わない、なんてのは禁じられたとしても守れるとは思わない。
禁じる理由はわかる。
あまりにも醜悪で危険すぎる能力だ。
悪用の仕方だっていくらでも思いつく。
下手すりゃ、それだけで世界の半分くらいは支配できてしまうんじゃないかってくらいに。
「悪魔は精神に依存する生物ですからね。
契約というものがことのほか有効なのです」
「……ちなみに、内容は?」
「その魔術は精神魔術というのですが、まずそれを使わないこと。
誰にも教えないこと。
研究の兆しがあった場合即座に取り押さえ、その者を精神魔術使用不可能にすること。
破った場合、王の力が及んでいる全てのものの命が失われます」
「ど、どうやって?」
「契約魔術を使ってです。奴隷を縛る時に人も使っているでしょう?」
確かに奴隷には主人に一方的に有利になる契約が魔術によって施される。
契約条件を変更するにはその度に契約魔術を更新する必要がある訳だが……。
「よくそんな契約を結べたな」
「ほとんど全ての亜人と戦争になりましたからね。
十七代前の王の時代ですが、鬼も参戦したようですよ」
あー、最後には玉座で他種族の王に囲まれて……って訳か。
それは確かに契約せざるを得ないかも。
「種の存亡を賭けた契約ですからね。
あと、その代の悪魔王は狡猾ではあるものの臆病者だったそうです」
そりゃがっちがちの武闘派、それも世界最強レベルの奴らに囲まれたら受けざるを得ないか。
「なるほどね。ってか、その辺り喋ってもよかったのか?」
「広めれば鬼の王が首を取りにくる、と言えば軽々しく広める者など居なくなるでしょう?」
「お、鬼の、王?」
伺見が初めて口を開いた。
そりゃ驚くか。
「言ってなかったっけ。十年後俺と戦うって付回されてるんだよ」
「大丈夫なんですか?」
「まー、死なない程度には何とかしないとな」
「倒すくらいの気概がなければ生き残れませんよ」
……かもなぁ。
ほんと、十年後どうしようか。
折角近くに居るんだから、弱点でも探っておくか?
「私に弱点などありませんよ」
見透かされてらーな。
ますますどうしたもんか。
考えても妙案なんぞ浮かばん。
とりあえず目に見えてる問題の方に注力しよう。
「って訳だから、鬼の王って件も含めて今の話はシェル姉にだけ報告な」
報告できないとなれば何のための間者だという話になるしな。
「シェル姉というのは?」
「俺の義理の姉だ。んー、俺達の参謀、みたいな?」
「女性にして侯爵位を叙爵されている大貴族、シェルム・トレラ・ノーグレイス女侯です」
「では、口約束ですがもし広まっていることに私が感づけばリュフェを覗くファルマ全土を灰燼に帰すこととしましょう」
過激だな、おい!
「つ、伝えておきましょう」
さて、そろそろ話を戻そうか。
「えーっと、とりあえず悪魔の倒し方はわかった。
その、依り代? に悪魔の精神を集める方法はあるのか?」
「そこは私に任せてもらいましょう。
ミラシアには瘴気を払う花が咲きます。
それで香を作れば精神汚染を受けている者は出歩けなくなりますからね。
その間に精神汚染を治療する大規模術式でも展開すれば良いでしょう」
「……なんでもできるな、アゲハ」
「流石に国一つを覆うというのはできませんよ。
精精が、都一つを覆えるかどうか。
香の効果も絶対ではありませんから、準備中に邪魔でもされればご破算です」
「さっきの言い方だと楽勝みたいな感じがしたんだけど」
「そんな訳がないでしょう?
都一つともなれば私も半分以上の魔力を失う。
その魔力を上手く循環させるための下準備も必要です」
「ってことは、勝利条件はその術式を守り通すってところか?」
「その上で、最後に残った悪魔の依り代を探し出して殺す必要があります」
なんとも大雑把だな。
……いや、これって王都全体で防衛するってことか?
無理だろ、それ。
「術式を守るってどのくらいの広さで守らないとダメなんだ?」
「都を覆う円状、といったところですか」
「んな戦力ねえよ! 戦争でもあるまいしそんな軍隊引き連れて入国できるか!!」
おい、いきなり詰んだぞ!
どうすんだよこれ。
「せめて一箇所にまとめて、ってことができればいけそうなんだが……」
「それだと範囲が半分以下になりますね」
「逆に、半分以下に人を集めれば良い訳か。
……いやどうやるんだよそれ」
唐突に扉が開いた。
あー。旅人風、起きてたのか。
「わ、若様?」
「おー、もう大丈夫か?」
「即座に血を作る薬を飲ませておきましたからね。
多少ふらつくかもしれませんが、出歩くくらいならどうということはありませんよ」
アゲハの『どうだ!』みたいな顔に少しイラっとする。
「え、えっと。王都の半分に人を集めれば良いんですよね?」
乱入してきた旅人風が口を開いた。
「ああ。だが、どうにも方法がな」
王都を囲うように守りを敷く、よりは現実的かもしれないが、どちらにしてもお手上げだ。
さて、どうしたものかと考えていると、旅人風がおずおずと手を挙げる。
「多分、できますよ」
「え?」
は?
旅人風の衣服を身に纏った女を見ながら、俺こと元勇者候補シュリト・シェルム・ノーグレイスは呆気にとられた。
執筆中に寝ぼけて投稿するというポカをやらかしました。
正直すいませんでしたー! ※6/12 1:30修正




