そらまめのそらもよう 〜episode4 石頭〜
ポカポカいい天気。
そらまめは、あったかい日差しにみちびかれて
さんぽに出ました。
フンフンと、鼻歌まじりで気分よく歩いていたら
ピーピーピーッ
空の方から鳥の声が迫ってきました。
そらまめは、ハッとして
目の前にあったキャベツ畑へ飛び込みました。
そして大きなキャベツの葉の間にもぐりこみました。
そらまめは、息を整えて耳をすまします。
パタパタパタ
近くで鳥の羽音が聞こえました。
そらまめは、キャベツの葉にはさまれたまま
息を止めてじっとしています。
サクサク ピッピ サクサクサク
足音が聞こえます。
そらまめは、かたいからだを
さらにかたくしました。
そのときです。
カプッ!
そらまめの頭に何かが食いつきました。
ブルブルブルブル
そらまめの体に悪寒がはしりました。
?
でもちっとも痛くありません。
ちょっと重いだけです。
そらまめは頭をふりました。
ボタっと落ちてきたのは
アオムシでした。
そらまめは、はじめてみるアオムシに
さらに体をかたくしました。
アオムシは、かたいそらまめの頭をかんで
アゴを痛めたようで
苦しそうな顔をしていましたが、
やがて、プイッと顔をそむけて
キャベツの葉をのぼっていきました。
そらまめは、しばらくドキドキが止まりませんでした。
ピーピーッ
鳥の声が遠くで聞こえると
そらまめはキャベツから這い出ました。
それから、そらまめは
アオムシにかまれた頭をなでると
また散歩の続きをはじめたのでした。