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秘密の発進

 トラックは城門から郊外へと駆動音を響かせて向かっていく。悪路のためガタガタと揺れており、時には軽い物が跳ねる。

 進路は東、炎国へ向かう道だ。


 キャビンはバンニングに小声で話しかける。

「そろそろいいわね」

「周囲に人影はない。やっていいぞ」


 バンニングが荷台との間の窓を閉める。

 キャビンはそれを見て、ハンドルの奥にあるボタンを押す。


 ハンドルに沿うように赤い魔法陣が構築される。


 キャビンがハンドルを強く握りしめて魔法陣に魔力を注ぐ。


 ガコントラックが大きく揺れ、体が後ろに引っ張られていく。

 斜めになった感じで上り坂をゆっくり上るようにキャビンの背中が椅子に吸い付く。


 荷台の面々も、揺れに身構えたが、その後はそのまま雑談を続けていた。


「成功ね」

「魔力に注意してくれよ。尽きる前に止まらないとまずいからな」

「了解」


 キャビンの前に広がるのは空、それとタイヤの前に広がる虹。

 キャビンはトラックで空を駆けていた。






 時は戻り、サハギン退治後の輸送隊舎研究倉庫にて。


 キャビンはパッド達研究グループに相談をしていた。

 隊員は好きな魔法だったり、エンジニアリングだったりを研究するグループがあって、輸送業務で使える技術開発をしている。


 そっちの仕事が主な隊員もいて、実はパッドも研究が本職だったりする。サハギンという未知の敵なので

 キャビンが引っ張り出した前回が珍しかった。


 そんなパッドも今日は本業だ。


「た、隊長。まさか魔力壁を敷いて空中を走るなんて……力技が過ぎるっす」

「そう? でも、半分のタイヤは道を走っていたわけだし……」 

「んー?そもそも道いるんですかぁ。話を聞く、というか地形を見る限り明らかに道なんてない箇所を走っていたりするです」

「空中を走っているっていうこと?」

「そう思うんですぅ。隊長、えっと、何枚か壁を出してみてくれませんか?斜め前方に向かって」

「ほい」

 キャビンは前回の無我夢中で出した魔力壁をイメージしながら出してみる。


 空中に、静止した魔力壁が三枚出現した。

「失礼しますぅ」

 パッド、その魔力壁を歩いて登っていく。上の方まで行くと、ジャンプしたり魔法で攻撃してみたり

 色々試した後、キャビンに向かって叫んだ。

「隊長ぉ。どうです。負担ありますかぁ?ジャンプしたときとかぁ」

「全くないわー」

「了解ですぅ」


 パッドはそのまま降りてくると目がキラキラとして、頬が高揚していた。


「その顔は、何か発見があったのね」

 キャビンが聞いてみると、パッドは一気にまくし立てた。

「まず壁の固定です。これはかんっぜんに空中に固定されますぅ。それに強度、さっきの魔法はトラックより数倍重い重力魔法だったんですけど、負担がないってことはトラックでも乗れるという事。元々の報告でも走っていたと聞いていたのでぇ、大丈夫だと思っていたんですけど。それで、追加でいい面としては平なんです。悪路走行と違ってぇ、平らな道が延々続くとなれば速度は出しやすいですし、蛇行がなければ速度を落とす必要もないですぅ。単に道なき道を走るよりすごいことが出来ます」


「便利なのはわかったわ。つまりどういうことが出来るのかしら?」

 キャビンはパッドを余計に興奮させないように、落ち着かせるように尋ねた。


「そ、空を走れますぅ」


 そんな会話があって、その後は研究班でわいわいきゃいきゃいしながらトラックへの実装を考えていた。

 トラックに魔法陣を組み込めばキャビンは魔力行使だけに集中できるからそうしようとか、流石にそのまま飛ぶのは目立つから隠蔽の魔法も混ぜようとか。

 虹がいい。

 じゃあ外からは虹が出てるように見えるようにしようとか。

 空飛んでたら目的地わからなくなるから望遠機能も実装しようとか。


 まぁ思いつく限り盛り上がりに盛り上がった。キャビンが元々行使していたのもあって実装は数日で出来てしまった。

 テンションが上がりまくった研究チームが眠れなすぎて、夜通し勢いで作業を進めていたためだ。


 誰かが、実際使うならデバン副班隊長に相談した方がいいと言いだしたので、出来た後にキャビンがデバンに出来たわと伝えるとピクルスを食べた時みたいな顔ををしていた。

「いずれ改良されるのは想定してましたが……こんな目立つ機能。どう使っていくんですか」


「便利なら普通に使えばいいじゃない。それより早く試したいわ」

 キャビンのはれトラックは城門から郊外へと駆動音を響かせて向かっていく。悪路のためガタガタと揺れており、時には軽い物が跳ねる。

 進路は東、炎国へ向かう道だ。


 キャビンはバンニングに小声で話しかける。

「そろそろいいわね」

「周囲に人影はない。やっていいぞ」


 バンニングが荷台との間の窓を閉める。

 キャビンはそれを見て、ハンドルの奥にあるボタンを押す。


 ハンドルに沿うように赤い魔法陣が構築される。


 キャビンがハンドルを強く握りしめて魔法陣に魔力を注ぐ。


 ガコントラックが大きく揺れ、体が後ろに引っ張られていく。

 斜めになった感じで上り坂をゆっくり上るようにキャビンの背中が椅子に吸い付く。


 荷台の面々も、揺れに身構えたが、その後はそのまま雑談を続けていた。


「成功ね」

「魔力に注意してくれよ。尽きる前に止まらないとまずいからな」

「了解」


 キャビンの前に広がるのは空、それとタイヤの前に広がる虹。

 キャビンはトラックで空を駆けていた。






 時は戻り、サハギン退治後の輸送隊舎研究倉庫にて。


 キャビンはパッド達研究グループに相談をしていた。

 隊員は好きな魔法だったり、エンジニアリングだったりを研究するグループがあって、輸送業務で使える技術開発をしている。


 そっちの仕事が主な隊員もいて、実はパッドも研究が本職だったりする。サハギンという未知の敵なので

 キャビンが引っ張り出した前回が珍しかった。


 そんなパッドも今日は本業だ。


「た、隊長。まさか魔力壁を敷いて空中を走るなんて……力技が過ぎるっす」

「そう? でも、半分のタイヤは道を走っていたわけだし……」 

「んー?そもそも道いるんですかぁ。話を聞く、というか地形を見る限り明らかに道なんてない箇所を走っていたりするです」

「空中を走っているっていうこと?」

「そう思うんですぅ。隊長、えっと、何枚か壁を出してみてくれませんか?斜め前方に向かって」

「ほい」

 キャビンは前回の無我夢中で出した魔力壁をイメージしながら出してみる。


 空中に、静止した魔力壁が三枚出現した。

「失礼しますぅ」

 パッド、その魔力壁を歩いて登っていく。上の方まで行くと、ジャンプしたり魔法で攻撃してみたり

 色々試した後、キャビンに向かって叫んだ。

「隊長ぉ。どうです。負担ありますかぁ?ジャンプしたときとかぁ」

「全くないわー」

「了解ですぅ」


 パッドはそのまま降りてくると目がキラキラとして、頬が高揚していた。


「その顔は、何か発見があったのね」

 キャビンが聞いてみると、パッドは一気にまくし立てた。

「まず壁の固定です。これはかんっぜんに空中に固定されますぅ。それに強度、さっきの魔法はトラックより数倍重い重力魔法だったんですけど、負担がないってことはトラックでも乗れるという事。元々の報告でも走っていたと聞いていたのでぇ、大丈夫だと思っていたんですけど。それで、追加でいい面としては平なんです。悪路走行と違ってぇ、平らな道が延々続くとなれば速度は出しやすいですし、蛇行がなければ速度を落とす必要もないですぅ。単に道なき道を走るよりすごいことが出来ます」


「便利なのはわかったわ。つまりどういうことが出来るのかしら?」

 キャビンはパッドを余計に興奮させないように、落ち着かせるように尋ねた。


「そ、空を走れますぅ」


 そんな会話があって、その後は研究班でわいわいきゃいきゃいしながらトラックへの実装を考えていた。

 トラックに魔法陣を組み込めばキャビンは魔力行使だけに集中できるからそうしようとか、流石にそのまま飛ぶのは目立つから隠蔽の魔法も混ぜようとか。

 虹がいい。

 じゃあ外からは虹が出てるように見えるようにしようとか。

 空飛んでたら目的地わからなくなるから望遠機能も実装しようとか。


 まぁ思いつく限り盛り上がりに盛り上がった。キャビンが元々行使していたのもあって実装は数日で出来てしまった。

 テンションが上がりまくった研究チームが眠れなすぎて、夜通し勢いで作業を進めていたためだ。


 誰かが、実際使うならデバン副班隊長に相談した方がいいと言いだしたので、出来た後にキャビンがデバンに出来たわと伝えるとピクルスを食べた時みたいな顔ををしていた。

「いずれ改良されるのは想定してましたが……こんな目立つ機能。どう使っていくんですか」


「便利なら普通に使えばいいじゃない。それより早く試したいわ」

 キャビンの晴々した笑顔に、デバンは憂鬱な面持ちとなるのだった。

パッドは息切れしやすくてすぅはぁ言ってます。(口癖ではない)

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