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ケダモノたちよ  作者: 船橋新太郎
第4章・赤島会
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第4章・幕間劇 紫家

紫尤(しゆう)こと紫御前。

紫家の長女として生まれる。

紫家は黛村、元鈴谷村の乙名でもあり、その頃から女郎花区画を閉鎖的に自治していた。

紫家の当主は、10の歳に紫ともう一つの字を当てて名乗るようになる。

つまり、紫尤とは、一種の名乗り名である。紫御前は言われ名。

正式名は紫 鳥兜(むらさきとりかぶと)

乙名として育てられた紫尤は、妹を副統轄の座に充てる。

元鈴谷村では、商業は発展しない土地の為、略奪や強盗を繰り返す、❝紫の七草❞を結成した。

当時は女尊男卑はそこまで強くもなく、七草には男のメンバーも存在した。

七草の頭目を副統括とすることも、この時決められる。


初期メンバー

・紫 (すみれ)

・竹達 鬼灯

・遙 星薊

・白石 樹

・早見 鈴蘭

・新花 蓮華

・水瀬 白粉


女郎花でも地位の有る、白石家。美男子家系で、紫家にも高い影響力があった。

白石(いつき)、彼と鳥兜が結ばれ、子孫を残す流れであった。

鳥兜も菫も、美女ではあるが、鳥兜は剣の道に精通し、男勝りの戦好き。

菫は大人しいながら、頭が切れる、何か不思議な雰囲気を持っていた。


時期が過ぎ、樹は鳥兜との夜の営みに疲労を感じるようになる。

一方的な、暴力的な、自分よがりな愛情にー。

後日、菫と樹の男女の仲が知られることになる。

菫は七草を束ね、鳥兜に応戦するも、新花蓮華と樹以外は鳥兜に付く。


その間に両親と鳥兜の間で問題提起があった。


跡取り、だ。


こんな状況で、外から男を拾ってくるも、紫家として許さない。

むしろ、菫が後継者・当主に相応しいと。


男との相性に苦しむ鳥兜。


その時、ある者からの手紙を読む。一言しか書いていなかった。


❝神器を使えば、その悩みも解決できる❞


祖柄樫山の❝十二の神器❞


祖柄樫山には太古に降臨したという、神がその神秘的な力を封じた神器を各一画に一つずつ、山頂近くに一つ、祖柄樫山の裏側、未開の地に一つあるという。


神器は、ある一族が代々継承してきている。

神器についての謎は多く、そもそもその神秘性のみ語られ、その実、装飾品としての役割以外、未だ分かっていない。

しかし、女郎花・乙名、紫家だけはその神器の使い方を受け継いでいた。使用は御法度とされていながらも。

それは、とてつもないハイリスク・ハイリターンであるため。


巳の器・鉄線(みのうつわ てっせん)


名の通り、鉄線の華が生けられた花瓶に大蛇が巻き付いた焼き物のような神器。


その使い方は嘘のような儀式だった。


①使用者の両親の心臓を花瓶に入れよ

②使用者が望む人間を頭に描き、大蛇の口に手を入れよ


ーそれは…

妾の色を理解する、男の役割を持つ、妾の様な美少女

妾の愛情だけを求め、妾の愛情で女神の如く君臨する

妾の代わりにもなり、妾の娘ともなり、家族ともなる


上田 樒が❝生まれた❞ー


七草は変わった。

上田 樒が頭目となり、七草に相応しい女傑を探させた。


菫に命を狙われながらも、樒は鳥兜の妹君として気に掛ける。


❝遠慮は要らない❞


鳥兜は、紫尤は、紫御前はここから本気で自分の残る家族を殺すことを誓う。


そして、手紙の主にも、敬意を払った。


❝九狼党❞


菫と樹はその間に、樹と契りを結び、女郎花から去った。


凄まじい力と美を備える彼女の、歪んだ内面。

そんな歪んだ愛情を❝教え込まれた❞樒。

女郎花の狂気はそこから始まったー

次回2025/2/20(木) 18:00~「第5章・1幕 紫の七草・集結」を配信予定です。

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