第8章・幕間劇 神器❝犬の器・奴隷犬❞
今回の登場人物
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・大須賀 栃虎 (おおすがとちとら)
栃春の息子。パッと見はイケメンで、育ちの良さを伺わせるも、裏の顔は悪業に手を染め、暴行を繰り返す。人身売買から、婦女暴行を息をするように行う。虎太郎の仇の1人。
・一本松 康二 (いっぽんぎこうじ)
八俣出身。貧民で、ごろつき仲間とお金の為に何でもしてきた。まだ殺人こそしないものの、その後処理など、善悪の分別よりも金銭を大事にする。
・三条 勝太郎 (さんじょうかつたろう)
神奈備出身。貧民ではないが、特技もなく、許嫁になるはずの女を売り、自分の身銭を増やすことに注力してきた。武勇に冴えないが、非常に狡猾。
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ー 和都歴452年 9月12日 20時 置田村・八俣 貧民街外れ 畑道
「早く帰るよ。暗くなっちゃった。」
「ゴメンねお姉ちゃん。」
二人の姉妹が夜道を帰宅していた。
ーパカラン、パカラン
「見ーっけ!極上の女のコ2人だぁ!」
馬車に乗った一本松と三条が姉妹を捕らえる。
「栃虎さん、連れてきました。」
姉妹を馬車に連れ込むと、三条が馬車を動かす。
「い、いや…!お姉ちゃん助けて!!」
「へへへ…数カ月空けるとホントにアホみたいに釣れるよな。」
一本松がケダモノの顔をする。
「まぁ、俺の勘を働かせりゃ直ぐ分かる。この女は畑仕事できるようだ。肉体奴隷に最適だろう。カラダはココで奉仕してもらっちまって構わないだろ。俺の後は好きにしろ。ただし1人1回までだ。衰弱すると売値が下がる。」
「よっしゃあ!!!」
馬車の中で暴行の限りが尽くされる。
これは以前、虎太郎の事件で捕まることを逃れた凶行の青年らが野放しになった結果の事であり、期間を空けては❝奴隷狩り❞を横行していた。
「おい、早く服着させろ!そろそろ奴隷屋敷に着く。」
「あんだよ、くそ…」
栃虎は屋敷から出てくる伊良皆に一礼すると商談を済ます。
「女二人か。」
「畑で鍛えた体力。兵士に持ってこいかと?へへへ。」
「フン。また性処理したのか。良いだろう、いつも通り、前金と処置の適応性によって更に報酬を払う。」
伊良皆 艶。迦具夜の乙名ら上部公認の奴隷商人で謎の人物。薄い布一枚という妖艶な姿。
「お…お姉…ちゃ…」
「心配するな。あのクズ共と違い、私はお前たちに危害は加えん。」
そういって姉妹を屋敷へ連れて行く。
「暫くぶりよのう。艶よ。」
「いらしていたのですか。」
「偶にはのう。ん?そのオナゴは?」
「これから例の兵士の処置を、と思いまして。」
「おお、そうか。久しぶりじゃ。妾が強力な処置を掛けてみようかの?」
「恐れ入ります。きっと素晴らしい売り物となりますでしょう。」
ここに強大な悪しき淫婦が存在した。
羅前 色。唐衣は紫生地に黄色の狼の絵柄、表着は桃色で単衣は黒、袴は菫色という全体は紫の十二単を着こなす。悪しき妖術と思しき技で人を操り、実質、迦具夜を支配している。
姉妹を丸裸にして柱に向かい合わせに縛り付けると、中心に羅前が立つ。
「さぁこの我が力を見るがよい。」
羅前が神器を懐から取り出した。
神器❝犬の器・奴隷犬❞
馬鍬を咥えて引き、大根がお尻に刺さり、胸部の毛が刈り取られた不気味なデザインの犬像。
「妾の色となるのじゃ。」
羅前も服を脱ぎだし、姉妹に乱交を始める。
オーガズム状態にした頃、羅前は神器を姉妹に舐めさせる。
「完了じゃ。」
「グ…グギャァァァ!!!」
まるで獣の様になる姉妹。
「艶!」
羅前が伊良皆に目配せすると、檻を開き、何匹か動物が逃げ出す。
姉妹が縄を噛み切り、それぞれ姉は牛を、妹は馬を襲い始める。
「出来上がったのう。」
「ええ、久々の優秀な兵士です。」
「そうじゃ、命名する。具義屋姉妹。牛子と馬子じゃ。」
具義屋 牛子。牛の頭をくり貫いたマスクから見開いた片目だけを覗かせる。巨大な鉈を軽々持ち、牛の皮の羽織り一枚以外、全身裸という狂気の姿。
具義屋 馬子。馬の頭をくり貫いたマスクから見開いた目を覗かせる。両手に金槌を持ち、馬の皮の羽織り一枚以外、裸という狂気の姿。
神器❝犬の器・奴隷犬❞
この力は羅前が自らの魅力で相手をオーガズムに達せることで、次のいずれかの効果を選び、与える。
①獣の様に恐れを知らない獰猛な兵士となり、羅前と、羅前の認めた者以外は殺戮の対象となる。
②羅前の意思を肯定するのみの傀儡となる。
③本人の意思を保ちつつ、その者も①の能力を付与する力を持つ。ただし、羅前が死ぬと効果が切れる。
この神器を、何処からか手に入れ、横暴の限りを尽くす羅前。
それに心酔する伊良皆。
彼女らは迦具夜であらゆる恐怖をばら撒いていた。
次回2025/6/26(木) 18:00~「第9章・1幕 次の任務・蓮太編①」を配信予定です。




