プロローグ
こんな話知ってる?
とぉっても、不思議な、不思議なお話。
おとぎ話?違う違う。
作り話?違う違う。
嘘みたいだけど本当のお話。
願いを叶える星のお話
「ばっっかじゃないの。興味ないっつーの。あーあ、時間無駄にしたわ。」
面白そうな動画だったのに。ただのオカルト?
残念。あたしはそんなの興味無いの。
「なんだよ、もう。はぁ。」
どうせならさ、もっとこう、面白いことないの?
てか最近なに?流行ってんの?願いを叶える星とか言うやつ。
嘘に決まってんじゃん。
流れ星に願ってみよー的なあれ?
「なんなのよ、新手の宗教勧誘?」
「残念ながら、違うんだなぁ」
「ならいいんだけど」
「ここに願いを叶える星がある。面白いこと起きるからさ、嘘だと思って、言ってご覧よ」
「え〜そうだなぁ。ほら、最近はやりの異世界転生物がいいなぁ。で、あたしはすごい能力者。チートレベルのね!だけど、自由気ままに生きてるの。面白いことあったら首突っ込んで、つまらなさそうならしーらない。勉強しなくても面白い生活を送りたいなぁ〜!」
「めんどくさいねぇ。ま、叶えられるみたいだし、いいんじゃない?」
「てかさ、あんた誰!?」
「神様の代行者…ていうか君の守護天使〜てことでヨロシクゥ!」
「は、意味不明、痛いよ」
「事実なんだけど。まぁいいや。君の願いは聞き届けたし」
「はい??いやいや、まって、そんなの無理でしょ。オカルトとか興味無いし」
「あと30秒…最期に言い残すことは?」
「はぁ?」
「異世界転生したいんでしょ?」
「いやいや、あのさ、聞いてる?」
「聞いてるとも。君の願い、叶えてやろうとしてるじゃん」
「いや、初対面のあんたにそんなこと…」
「はーい!時間切れぇー。てことで、皇綺羅 雫、逝ってらっしゃーい!!」
「は、はぁ!!?」
で、ドン、なんか、やな予感
「へ?」
血?なんで?
「きゃあああああああ!!!」
「そ、そいつ!!そいつ取り押さえろ!!!」
通り魔って事?え?どこ刺された?
まって、本格的にやばくない?
あたし、まだ、16よ?高校生よ?
人生終わりなんて早過ぎない?
「おわりじゃない、始まりだよ…?転生するんだからさ♡」
♛
あー、死んだ、ほんとーに死んだ。
めっちゃ体ふわふわする〜
「ねぇ」
なぁに?暇な死人に何か用?
「あたしは何になりたい?」
あたし?知らないわよ。自分のことでしょ?
「違う。あたしは、あたしなの」
は?
「おしえて。あたしは何になりたいの?」
あたしは………
♛
「ふがっ」
わー、青い空…きれー
空気が澄んでて美味しいなぁ…
「あれ、死んでない」
ここどこ?森?
わー!めっちゃ綺麗な川〜…でもあれか、エキノコックスだっけ?なんか生水?に寄生虫いるから煮沸しろってやつ?
「大丈夫だよーそんなのいないって」
「あー!さっきの痛い天使(笑)じゃん」
「あ?舐めてんの?」
「あははは、でさ、ここどこ?」
「ユーべニア王国の郊外にある魔女の住む森だよ。」
「は?そんな国なくね?」
「この世界にはあるよ。」
「…え、ガチの異世界?え、いらない、いらないって。最近のラノベとかほんと、異世界召喚とか転生物ばっかでいい加減にしろって思ってたところなんだけど??あたしが転生したら同類じゃん」
「そんなの思ってあんな事願ったの?バカじゃん」
「はぁ!!?なんなの、痛い天使(笑)!」
「だぁれが痛い天使(笑)だ!俺にも名前…あ」
「なによ」
「ちゃんとした名前、無かったわ。ま、ラムってよんで?」
「は?それ友達の推しなんだけど、無理。」
「俺の役職?って言うの?わかんないけど、その中にラムって入ってるから」
「安直、つまんねー!」
「はぁ!?ならお前がつけろよ!」
「うーん、じゃあ、シューベル・アンヴァリッド・ディルアングレイ・キュルミネ・フォン・ミューレン・ハヴォック・ウンベール・カシオで」
「シューベル…なんて?長いんだけど、短くしてくんね??」
「率直にしてはいい名前かと思ったんだけど」
「面白くもなんともねーよ」
「それな」
「もういいや、ラムって呼んで」
「ハイハイ。」
どうしよう、状況的にこいつのせいでここに飛ばされたんだよね?
てか人生1回終わったのでは
「天使(笑)って人殺ししていいの?」
「失敬な。どちらにせよ君の死亡は決定案件なんだよ。ま、俺が守護天使だったのが救いだよね〜。俺、本当は下界にはいないんだよ。だけどさぁ、天界暇すぎて降りてきちゃった☆」
「さぼり?」
「ちゃーんと神様には許可とってるから」
「ふぅん」
どうしよう、痛すぎる…痛すぎるこいつにあたしの華やかな高校生活奪われたのか…
え、最悪じゃん