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冬の寒い日
ある冬の寒い日。幼い女の子が一人で外にいた。
「わたしがすぐに楽にしてあげるからね」
幼い女の子はうっすらと涙を流しながらつぶやいた。
女の子の目の前には、女の子と同じくらいの背丈の姿がひとつ。
頭には帽子を被り、首には赤いマフラーをしている。
そのマフラーを巻いた首がたったいま、身体から分離した。
身体と離ればなれになった頭は、地面に落ちる。
ぐちゃり。
落ちた瞬間、頭が潰れる音があたりに響いた。
潰れた頭から液体がじんわりと漏れ出す。
顔は血の気などなく、真っ白だった。
「ユミちゃん、何してるの!?」
そのとき、女の子のお母さんが一人で外に出ていた女の子をようやく見つけ、女の子に声をかけた。
お母さんは血相を変えて、慌てるように女の子の元へ駆け寄った。
「お母さん、あのね。雪だるまさんがとけてきて苦しそうだったから、わたしがもう一回作り直そうとしてたの。えらいでしょ?」