懐かしい日々との再会
「みんな休みは楽しめたかしら? 色々教室で話してる子もいたけどとりあえず授業始まるわよ!」
今日からいつも通りの授業が始まる。
三連休を挟んだせいでいつもよりやる気の出ないネナは今にも寝てしまいそうだ。
そんな中廊下から足音が聞こえた。
「ルカ先生」
「校長先生!? どうしたんですか?」
足音の正体はどうやら校長先生だったようだ。
既に半分寝ているネナはルカが校長と話し始めるのを確認してその隙に寝てしまった。
少ししてレナがネナを起こす。
「ネナ! ネナ起きるのじゃ!」
「なに〜……授業始まった〜?」
「今日の授業はルカ先生じゃないのじゃ! ほれ! 早く前を見るのじゃ!」
妙にテンションが上がっているレナは必死にネナを起こそうとする。
「先生って言ってもライ先生とかオニヒラ先生とかじゃないの〜?」
だるそうにしながらゆっくりと前を見るネナ。
先生は寝ているネナの近くまで来て立っていたのかすぐ近くに来ていた。
「ネナさん、授業中に寝るのはダメですよ」
どこか懐かしい優しい声が聞こえた。
寝ぼけた目をこすりながら先生の方に顔を向ける。
「……タルトだ〜……タルト!?」
驚きのあまり一瞬で眠気が吹き飛ぶネナ。
その様子を見てニヤニヤする3人は静かに見守っている。
「お久しぶりです! ネナさん」
「久しぶり〜でもなんでタルトがここにいるの〜?」
「そうですね……まぁとりあえず知らない人もいるでしょうし自己紹介でもしましょうか!」
そう言ってタルトは教卓に戻る。
「それじゃあ全員起きたみたいなので自己紹介を、漫画家のタルトです、今日から雑誌の企画で美術の授業をやることになりました! よろしくお願いします」
そんなタルトの姿を眺めるネナはどこか嬉しそうだ。
久しぶりに会ったタルトにばかり気を取られてその様子を眺めるレナ達の視線には気づいていないようだった。
「やっぱりあの二人いい感じですね!」
「これは恋の予感ってやつね!」
「お主恋したことないのにそんなことわかるのかの?」
「うるさいわね! その辺はあれよ……乙女の勘ってやつよ!」
「お主が乙女とか冗談じゃろ?」
「なんですって!」
そんな言い争いが聞こえたのかタルトが苦笑いをしている。
「僕とネナさんのことはいいですから! 授業始めますよ〜」
こうしてタルトの授業が始まった。
昔は魔法学校で美術の授業などなかったが最近は魔法を使った芸術も評価させるようになり授業に組み込まれるようになった。
ダイヤの錬金術もある意味で美術の面に触れているため教科書にもいくつか作品が載っている。
「これ! ダイヤが作ったゴーレムじゃない?」
「この写真は水着を着たエメじゃな……これ芸術なのかの?」
「まぁ芸術は捉え方次第ですからね……」
少し苦笑いを浮かべつつ黒板にイラストの描き方を書いていく。
「今日は最初の授業なのでとりあえず好きな絵を描いてみてください! 一応絵を描くコツを黒板に書いておきますね! それじゃあ始め!」
タルトが合図をすると皆イラストにするものを探し始めた。
「何描こうかしら?」
「私はあそこのお花を描きますね〜」
「妾は自画像にするのじゃ! ミル! 鏡を持ってくるのじゃー!」
「どうせそう言うと思って先に用意しておきました」
「さすがミルじゃな! 妾のことをよくわかっておるのじゃ!」
少しバカにされているのに気づかないレナはご機嫌な様子で鏡に向かってポーズをとる。
「レナやばいわね……私は……」
何を描こうか迷っているフレアの目線に向かい合ってそれぞれの絵を描こうとしているネナとタルトが見えた。
「私はタルトを描くね〜」
「じゃあ僕はネナさんを描きますね」
楽しそうに絵を描く二人を見たフレアは少し離れた位置に椅子を設置した。
「なかなかいい感じじゃない! じゃあ私は……」
こうしてそれぞれが位置取りを決め絵を描き始めた。
「イラストといえばこの俺! イフリート様の出番だろ!」
「いいえあなたの絵は汚すぎます! ここは私が」
「お花……綺麗……」
「皆さん好き勝手描かないでください!」
精霊達に振り回されるシキ。
「ミル? どのポーズがいいかの? 妾的にはこれがいいと思うんじゃが!」
「いいんじゃないですかーすごくかっこいいですねー」
「棒読みすぎじゃろ!」
ミルに手伝ってもらいながら描くレナ。
「タルト〜もう少し顔見せて〜」
「なんだか少し恥ずかしいですね……」
「ん〜? なんで〜?」
「いえ! なんでもないです!」
「?」
微笑ましい光景を作り出すタルトとネナ。
「ふふふ……いいわ、いい! この感じ完璧ね!」
何やら独り言を言いながら描くフレアなどみんな絵を描くことにも個性が出ている。
そんな生徒の様子をネナの絵を描きながら確認するタルト。
しっかりと生徒の特徴を確認しているようだ。
(なるほど……なかなか面白い人たちがいっぱいいますね! これは漫画のネタになるかも!)
様々な思いを絵に乗せて美術の時間は進んでいった。
「それじゃあそろそろ終わりにしようか!」
タルトがそう言うと生徒達は絵を描き終えようと少し急ぎ始めしばらくして全員が描き終わった。
「それじゃあ絵を提出してくださいね! 絵は明日評価と一緒に返却します! それじゃあ今日はここまで!」
タルトの授業が終わるとネナ達はタルトの元に向かった。
「タルト〜」
「ネナさん! どうでしたか授業は?」
「大丈夫だったよ〜不思議と全然眠くならなかった〜」
「それは良かっです!」
そんな会話を見るフレア達。
「やっぱりいいと思うのよねー」
「お似合いだと思います!」
「妾もいいと思うがお主はどうじゃ? ミル?」
「いいんじゃないでしょうか? なかなかの好青年であることは既にわかっていますしね……」
コソコソとネナ達のことを話す4人にネナは気づかなかったようだがタルトは気づいた。
「勝手なこと想像したりしないでくださいね!」
「し、しないわよね?」
「そ、そうですよ! くっつけようなんてしないですよ!」
「こら! シキ! 口から漏れておるのじゃ!」
「お嬢様……手はずの方はどうしましょう?」
「手はずって何!?」
休み明けも騒がしくなりそうなネナ達だった。
久方ぶりのタルト登場!
詳しくは25話〜27話を見てね!




