魔王の帰郷
「ほぉ〜その錬金術師なかなか面白そうじゃな〜」
旅行のお土産話しを聞くレナ。
「まぁ色々振り回されたけどね……」
フレアは旅行であったことを振り返りため息をつく。
「でもすごくいい人でしたよ!」
「そうだよ〜一緒にいたエメも面白かったな〜」
旅行の話を楽しそうに語る3人。
3人の話を聞くレナは目を輝かせていた。
「妾も行きたかったのじゃ!」
「そういえばあんた何してたのよ?」
旅行の日は何やら用事があったらしく一緒に行けなかったレナ。
「そ、それはじゃな……その〜……なんといえばいいのじゃろか……」
何やら言いにくそうにするレナ。
「あんまり言えないことでしたら言わなくても……」
「いやそういうわけではなくてじゃな……別に妾は言ったところで困らぬのだが……」
訳ありな様子のレナを見かねてミルが口を開く。
「私が言いましょうか? その方がめんどくさいことにならなさそうですが……」
「いやいい、よくよく考えたらネナ達に言うぐらい問題ない気がするのじゃ! もしそれで文句言われてたら妾がなんとかすればいいだけじゃしな!」
そう言うとレナはネナ達が旅行に行ってる間に起きたことを話した。
「レナお嬢様、国より連絡が来ております」
「なんじゃ? 今忙しいから後にしてくれんかの〜」
レナはいつも通りデススライムで遊んでいる。
ミルはため息をつくとスライムを抱えて引き離す。
「何をするのじゃ! 妾の遊びを邪魔するでない!」
「お嬢様……国から連絡が来ると言うことは一大事ということです……スライムであそんでるばあいじゃありませんよ……」
一応一国を治める魔王なのでしっかりして欲しいと思うミルだが流石に口には出さない。
「どうせくだらん要件じゃろ? 内容はなんじゃ?」
「さぁ? 何やらトップシークレットな案件だそうで一度国に戻って欲しいとしか聞かされていません」
余程のことなのか内容を一切教えてもらえず困惑しているミル。
「なんじゃと? それは……はぁ〜仕方ないの〜幸い連休で学校も休みじゃし久しぶりに戻るかの〜」
「了解しました、国に戻る用意を進めておきましょう。」
こうして二人は国に戻ることになった。
連休初日二人は始発の電車に乗った。
「これが電車というものなのじゃな〜なかなかに快適じゃの〜」
「お嬢様……ここはグリーン車ですので席が取れるだけです……普段は2時間ぐらい立ったまま移動する人もいるとか」
「なんじゃと!? 何という悪魔の所業……もうすこし数を増やせばいいものを……」
「それができれば苦労はしませんよ……」
どこか遠い目をしたミル。
どうやらミルも何度か経験したことがあるようだ。
「まぁそんなことはともかくなぜ電車で帰るのじゃ? 飛んで帰った方が早いと思うんじゃが?」
電車で帰る必要性を感じないレナはそんな疑問をミルにぶつける。
「そもそもレナお嬢様はなぜ人間の国に来たのか覚えたいますか?」
「ん? 観光じゃないのか?」
「違いますよ……これからより関係を密接にするために文化の違いを知ることを目的に交換留学をするっことになったの忘れたんですか……」
完全に目的を忘れエンジョイしていたレナ。
そんなレナを見てため息をつくミル。
「も、もちろん覚えておったのじゃ! ミルを試しただけじゃ!」
誤魔化そうとするレナを見てさらに深いため息をつくミル。
「まぁお嬢様が覚えていたかどうかはともかく今回移動で電車を使うのは帰るついでに人間の移動方法を知っていただくためです」
「なるほどの〜それで……電車に……」
「お嬢様? 大丈夫ですか?」
電車の揺れが心地よいのか眠たそうにするレナ。
しばらくするとレナは深い眠りに落ちてしまった。
「……全く仕方ありませんね……」
眠ったレナを眺めながらミルは国で何があったのか考えていた。
「お嬢様を呼び戻すほどのこと……一体何があったのでしょうか?……なんとなくくだらないことのような気がするのですが……」
連絡の電話を入れてきた者の声のトーンからそんなことを思うミル。
何やらめんどくさくてどうでもいい事が起きそうな魔王とメイドの連休が始まるのだった。
満員電車は辛いよね




