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箱で遊ぶと

 ホテルに荷物を持ち帰った3人はさっそくパンドラの箱を使うのだった。


「ここなら大丈夫かな〜?」


 ホテル裏の公園に来た3人。

 店長の話によると規則性なしの完全ランダムで魔法が発生するのである程度のスペースがあるところで使ったほうがいいとのこと。

 ホテルの裏はちょうどいい感じの広さで人も少なかったので試してみることにした。


「さっそく使ってみましょう〜!」


 何が起こるか楽しみな2人はさっそく箱のスイッチを押す。

 箱はガタガタと音を立てながら魔法をさらに打ち上げた。


「何かしら? 上に上がったみたいだけど……」


 魔法が打ち上がるとしばらくして雪が降ってきた。

 どうやら雪を降らせる魔法だったようだ。


「うわ〜綺麗だね〜」


 夜の夜景と雪が重なりいい雰囲気を出している。

 雪は公園内でしばらく降ると溶けて消えていった。


「まさか南の島で雪が見れるなんてね……この箱どれほどの出力で魔法を出しているのかしら?」


 うっすらと積もるほどの雪を出した箱から出た魔法に興味を示すフレア。


「そこそこ強い魔法のようですね〜」


 シキが箱に近づくとスイッチを押した。

 最初と同じくガタガタと音を立てる箱。


「次は何が起こるのかな〜?」


 雪でテンションが上がっているネナはワクワクしながら箱を眺める。

 先程と同様に魔法を放つ箱。

 今度はうち上がらずに周りに広がった。

 魔法が発動して少し経つと地面から花が生えてきた。


「これは……すごいわね……」


 箱から出た魔法によって公園が花で埋め尽くされた。

 どうやらこの箱、範囲をある程度認識して魔法を放つことが出来るようだ。

 今はこの公園を効果領域に設定しているのか公園外には魔法が届かないようになっている。


「お花……綺麗」


 シルフに人格が変わったシキは嬉しそうに花を摘んでいる。

 ネナは花を眺めてまわっているようだ。


「この箱本当にどんな仕組みになっているのよ……」


  先程とはかなり系統が違う魔法を放った箱。

 どんな仕組みになっているかは不明だが本当に多くの魔法が使えそうだ。

 今度はフレアが箱に近づきスイッチを押す。


「次は……なんの魔法だろう?……」


 箱を興味深そうに見るシルフ。

 やはりガタガタと音を立てる箱。


「今のところは結構綺麗な魔法が多いね〜」


 花を見てまわっていたネナがフレア達の元に戻ってくる。

 ネナが戻ってきたから箱は空中に浮くと地面に魔法陣を展開した。


「これは……召喚魔法ね」


 召喚魔法用の魔法陣を展開すると魔法が発動した。

 地面が少し揺れたかと思うと魔法陣からゴーレムが現れた。


「ゴーレムだ〜」


 ゴーレムはゆっくりとフレアの方に近づくとまるで命令を待っているかのように動きを止めた。


「この箱本当にすごいわね!」


 ゴーレムの召喚は錬金術師ぐらいにしかできないがそんな魔法を普通に発動する箱にかなりの興味を持ったフレア。


「ねえ〜フレア〜ゴーレムの肩に乗って走るやつやって〜」

「何よそれ?」


 ネナによるとタルトが描いた漫画にそんなシーンが登場するらしい。

 ゴーレムの肩に乗った少女が疾走する様子が描かれているんだそうだ。

 まだ最新刊を買っていなかったフレアは軽いネタバレをされながらゴーレムの肩に乗った。


「こ、こうであってるのよね?」


 ゴーレムの高さはそこそこあり高いところが苦手なフレアは少しだけ怖がっているようだ。


「そうそう〜それで走ってみて〜」


 ネナは怖がるフレアを面白そう眺めている。


「わ、わかったわ! いけ〜ゴーレム! スピードは遅めでね!」


 念のためスピードを落とすよう命令しながら公園の中を走るフレア。


「わ〜すごいね〜」

「かっこいいです! フレアさん!」


 ゴーレムの肩に乗って走るフレアはまさに漫画の通りだ。

 心地よい風を受けながらフレアも楽しんでいる。

 普段とは違う目線で走るのはかなり楽しいようだ。


「楽しいわね〜これ!」


 しばらくゴーレムに乗っていると突然ゴーレムが消えてしまった。


「え!? キャーーー!」

「あ、やばいかも〜シキ〜」

「は、はい!」


 シキが土の魔法で地面を作りフレアを受け止める。

 もちろんただの土なのでドスンと音を立ててシキの作った地面と衝突するフレア。

 直接公園に落下するよりはましだが多少体を痛めたようだ。


「イタタタ……何よこれ! なんで突然消えるのよ!」


 突然消えたゴーレムに怒りながらフレアがネナ達のところに来る。


「どうやら時間制限があるみたいですね……さっきまで咲いてた花も消えてます!」


 シキの言う通りさっきの魔法で咲いた花は1つ残らず消えている。

 先程何本か摘んでいたものも消えているので魔法で出されたものは全て消えるようだ。


「最初から時間制限あるって言いなさいよ! あの店長!」


 体についた土を払いながらフレアが文句を言う。


「でもフレア〜面白かったよ〜」

「ま、まぁ楽しかったのは認めるわよ……」


 文句を言いつつも楽しんでいたフレア。


「夜も更けてきましたし、フレアさんが土だらけになってしまいましたからお風呂行きましょう〜」

「そうね〜この土なんとかしたいわね」

「じゃあお風呂行こ〜」


 箱の魔法を楽しんだ3人はお風呂に向かうのだった。



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