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変わらない2人

 バレーボールを楽しんだ3人は一旦休憩をしていた。


「ふぅーこれで良しっと!」


 ネナが休憩に入るやいなや眠ってしまったので顔だけ出して体を砂に埋める。

 途中で気づくかと思っていたフレアだがぐっすり眠っている様子のネナ。


「ネナさんこの状態でも気づかないとは、相当眠かったんですねー」


 フレアが砂を盛り付けているのにも気づかないネナ。

 ネナは飛行機内でもずっと起きていたため眠くなってしまったのだろう。


「せっかく海に来たのに寝るような奴にはお仕置きしなきゃねー」


 キッチリネナを砂に埋めて満足そうにするフレア。

 そう簡単には抜け出せそうにない。


「ネナさん大丈夫ですかね〜?」


 ここまで埋めるのは流石に危ないんじゃないかと思うシキは少し心配そうだ。


「一応顔に日差しが当たらないようにパラソルを立てておくから大丈夫よ! それにネナならいざとなったらスケルトンで勝手に出てくるでしょ」


 スケルトンの召喚は簡単にできるので正直ネナを砂に埋める意味はあまりない。

 本来起きたら砂に埋まっていた! なんて状況に陥ったら少し焦るだろうがネナは特に焦ることもないだろう。


「それもそうですねー、私少し海で泳いできますね!」


 まだ泳ぎ足りないのかシキは海に泳ぎに行った。


「私はここで休憩してるわね!」


 フレアは先ほどのバレーボールで疲れてしまったのでもう少し休むことにした。


 最近ハマっている漫画を読みながら休憩をするフレアは時折ネナの方を見る。


「……凄い気持ち良さそうになるわね〜」


 砂の中があったかくて気持ちいいのか幸せそうな顔で寝るネナ。

 時折寝言でたい焼きのことを言っているようだ。


「本当にたい焼き好きよね〜あんた」


 幸せそうな夢を見ている様子のネナを見ながら少し昔のことを思い出すフレア。


 最初にネナとあったのはあの森の中だった。

 当時フレア達は小学校に入ったばっかりだったがフレアは真面目に毎日魔法の練習をしていた。


「ファイヤー!」


 毎日ひたすら同じ魔法を打って精度を上げる。

 お父さんに言われた練習方法だ。


 その日もいつもと同じようにファイヤーの練習をひたすらしていた。


「ファイヤー!」


 的の真ん中を撃ち抜く炎。


「だいぶ上手くなったなフレア!」


 近くで見ていたお父さんが褒めてくれる。


「ほんとー! やったわ! でももう少し頑張らなきゃ!」

 

 もっと高威力の魔法を撃ちたい! ただその一心でもう一度練習を始める。


「その調子でいけばきっといい魔法使いになれるな!

 さてお父さんは先に家に帰ってるからキリのいいところで戻ってきなさい」

「わかったー!」


 返事をしつつ練習をするフレア。


 しばらく練習をしているとだんだんあたりが暗くなってきた。


「そろそろ帰りましょー」


 荷物をまとめて帰る用意をすると突然茂みがガサガサと音を立て始めた。


「何かいるのかしら?」


 警戒しながらゆっくり茂みに近づくと茂みの中からスケルトンが出てきた。


「キャーーー!」


 いきなり飛び出してきたスケルトンに驚き動揺してしまったフレアはとっさにファイヤーを撃ってしまう。

 フレアがファイヤーを撃つとスケルトンは音を立てて崩れ落ちる。


「た、助かったー」


 スケルトンを撃退したフレアは大きく深呼吸をする。


「それにしてもおかしいわね……」


 まだアンデットが出る時間にしては早すぎる。

 そもそもこの森でアンデットが出るのは限られた場所だけのはずだ。

 何やらおかしなことが起きていると感じたフレアは急いで家に帰ろうとする。


「お父さんに知らせた方がいいわよね!」


 森の中に入り家に向かおうとするとまたスケルトンが出てきた。


「ファイヤー!?」

「ね〜」


 炎でスケルトンを燃やそうとした時急に後ろから声をかけられ魔法が外れてしまった。

 外れた炎は木に燃え移ると勢いよく燃え始めた。


「やばいわ! このままじゃ森が火事に! なんで話しかけてきたのよ!」


 後ろを振り返ると眠そうな顔をした同い年ぐらいの少女が火を眺めていた。


「えー? 私はてっきりお父さんがスケルトンを倒したんだと思ってきたんだけど〜」


 どうやらスケルトンを出したのはこの少女のようだ。


「へぇ〜あんたがスケルトンを出したんだ〜」

「そうだよ〜すごいでしょ〜」


 この歳でスケルトンを扱える少女に感心していると少女は自慢げに胸を張った。


「でもいきなり出すのやめてよね、怖いんだから!」

「そうなの〜? ごめんね〜次から気を付けつけるね〜」


 そんな会話をしている間にも炎は次々と燃え移っている。


「ってこんな会話してる場合じゃないわ! 早く炎を消さなきゃ!」

「おー頑張れ〜」


 少女はまるで他人事のようにその場を去ろうとする。


「あんたのせいなんだから手伝ってよ!」

「えーめんどくさい〜」


 やる気のなさそうな少女はダルそうにしている。


「私じゃこの炎を消さないんだもん! 手伝ってよ!」

「私も死霊魔法しか使えないから無理〜」


 炎を消す手段がない2人。


「このままじゃ森が燃えちゃうわ! 私のせいで……」


 すこし涙目になっているフレアはその場に泣き崩れてしまう。


「大丈夫〜? ハンカチ使う〜?」

「ぐすん……ありがとう……でも炎を消さないと……」


 フレアの魔法の威力が低いおかげでまだあまり燃え広がっていないが放っておくわけにはいかない。


「ん〜? あ! いいこと思いついた〜」

「え?」


 少女はスケルトンを大量に召喚する。


「嘘!? 私と同じくらいの歳にしか見えないのにこんなに難易度の高い魔法を!」

「私ってすごいでしょ〜」


 ドヤ顔をする少女はスケルトンで炎で燃えている木を覆い始めた。


「何をする気なの?」

「ん〜? 上手くいくかわかんないけど〜木を囲って燃え広がらないようにするの〜」


 燃えている木を覆い終えると少女はスケルトンに命令をして水属性の魔法を上から流す。

 炎はみるみるうちに消えていった。


「すごいわ! 炎が消えたわ!」

「ふふん〜すごいでしょ〜」


 少女は得意げな顔をする。


「それにしてもなんで森を燃やしたの〜? もしかして放火魔さん?」

「あんたが話しかけてきたから手元が狂ったのよ!」


 まだあったばかりなのにいきなり放火魔の疑いをかけられる。

 少女は面白そうにフレアをからかっているようだ


「と、とりあえず助けてくれてありがとう……私はフレア! あなたは?」

「私はネナ〜放火魔さんよろしく〜」

「だから放火魔じゃないって!」


 懐かしい記憶に浸っているとどうやらネナが起きたようだ。


「ん〜よく寝た〜あれ? 体が動かないよ〜」


 ネナは体を動かそうとしているようだが動けないようだ。


「あんたが寝てる間に埋めたのよ」

「え〜ひどいよフレア〜」


 文句を言うネナはスケルトンを出して砂をどかし始める。


「あんたが海に来てまで寝るからよ〜」


 動けないネナの頭にデコピンをする。


「痛いよ〜フレア〜」

「知らないわよ、私はシキと泳いでくるわね〜」


 砂に埋まったネナを放って海に泳ぎに行くフレア。


「えー! せめて掘り起こしてよ〜フレア〜」

「いやよ〜」

「ちぇー放火魔〜」

「あらあら燃やされてたいかしら?」


 今も昔も変わらない2人だった。




昔と変わらないことも大切

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