歴史の授業は命がけ?
〜歴史の授業〜
「さて今日は歴史の授業を進めるわけだが、留学生も来ていることだし軽い復習から始めるとしよう」
歴史担当教師のドワーフ、ガイエンは歴史の復習を始めた。
この世界には人類側の5つの大国と4つの魔王国がある。
かつては争っていた2つの陣営は1人の勇者によって和平を結ぶことに成功した。
要約するとこんな感じの内容だ。
「さて今日は初めに和平を結んだヴァンパイアの魔王との戦いの部分だ」
〜100年前〜
ヴァンパイアとの戦争は熾烈を極めていた。
夜のみの襲撃だけでとてつもない被害を及ぼすヴァンパイア、ほぼ防戦に徹することしかできなかった人間側はかなりの苦戦を強いられていた。
「勇者様! このままでは我々の負けは決定的ですぞ!」
王家専属の参謀長が焦り始めている。
何か打開策はないものか……
「よしわかった! 例の捕虜に伝言を残して解放せよ!」
「勇者様!? 正気ですか?」
参謀長の心配そうな声に対して作戦の全貌を伝える勇者
「それは……」
「今はこれにかけるしかないだろ!」
勇者は強引に案を通すとヴァンパイアに土下座して伝言を頼んだ。
「あのヴァンパイア呆れておりましたぞ」
「しらね」
土下座する勇者に呆れたヴァンパイアの捕虜は勇者があまりにも可哀想なので伝言を届けることにした。
「レナ様!」
「お主! 生きておったのか! よくぞ無事に戻ってきた!」
レナは捕虜に取られた仲間の無事を喜んでいるようだ。
「レナ様! 勇者から伝言を届けるという条件のもと解放してもらいました!」
「伝言? どれ言ってみるのじゃ」
伝言を伝えるヴァンパイア、伝言を聞いたレナは呆れた様子だ。
「あの勇者正気か? 狂っておるのではなかろうな?」
「私に土下座までして頼んでましたからね……何か意図があるのかと」
「それはそれでどうなんじゃ? まぁ良い妾はその案になるかの〜」
約束の時間になりレナは勇者が待つ墓場に向かう
「全く! 敵の魔王を呼び出すとはいい度胸じゃな! 愚かな勇者よ!」
「おー! まさか本当に来てくれるとは!」
(なんじゃこやつの反応?)
予想外の反応に困惑するレナ
「お主? 本当に勇者か?」
「勇者だよ! 失礼だな!」
「お主のようなバカには言われたくないわ! なんじゃあの伝言!2人っきりで話したいから今日の夜墓場に来てくれませんか? どんな誘い方じゃ!」
「え? 俺のいた世界では鉄板の誘い文句なんだけど」
(こやつ転生者か道理で常識が通じんわけじゃな)
単にこの勇者がバカなだけだということに気づかないレナは話を進める
「あれは告白するときに使う伝言じゃろうが!」
「え? そうなの?」
「お主! バカにしておるか! しね! ブラットレイン!」
勇者のあまりのバカさ加減に思わず魔法を発動するレナ
の魔法をギリギリで避ける勇者
「危ねぇ〜、危うく死ぬとこだった」
(妾のブラットレインを避けたじゃと?)
この技を避けられるやつは今までいなかった。
しかしそれを初見でギリギリながら避けた勇者に少しだけ関心した様子のレナ
「ほぉ〜少しはやるようじゃな!」
「だろ?」
「では次の魔法は避けれるかの?」
レナははやくも次の魔法の準備にかかっている
「ちょっと待て! 俺は話し合おうと言ったんだ!」
「なぬ!?お主まさか本気で話し合うつもりじゃったのか?」
「あ? あの伝言でそう言っただろ!」
勇者の発言にさすがに驚きを隠せないレナ
「嘘じゃろお主、普通敵の魔王を呼び出すなら一騎打ちじゃろうが?」
「いやいやいや! 魔王と一騎打ちとか冗談はやめてくれよ! 絶対勝てないだろ!」
勝てないと断言する勇者の堂々とした姿に思わず吹き出すレナ
「くっははは! お主断言するか! 本当に勇者か疑うものじゃ」
「雑魚のヴァンパイアで苦戦してんのにお前に勝てるわけないだろ!」
これを素で言っている勇者に笑いが止まらないレナ
「笑いすぎだろ……」
「すまんすまん……はぁ疲れたのじゃ」
「もういいか? 話し合いを始めたいんだが……」
(こやつはなかなか面白い! 話ぐらい聞いてやるのじゃ)
勇者を気に入ったレナは話を聞く
「よかろう! 話し合いに参加してやるのじゃ!」
「マジ! ありがて〜! 俺の名前はたくまお前は?」
(妾の名前か……ただ名乗るのもつまらんし少しカッコつけるかのじゃ!)
「妾は紅の悪夢、赤き月の信徒にしてヴァンパイアの女王! 魔王レナ=スカーレットじゃ!」
「という風に……」
「やめるのじゃ〜!」
「どうした? レナ?」
(過去の妾恥ずかしすぎじゃろ! 何が紅の悪夢、赤き月の信徒じゃ! というかなに広めてくれたんじゃあのバカ勇者!)
レナの前でレナの歴史を語るという黒歴史暴露のような授業に耐えきれないレナ。
そしてそれを見て楽しむネナ達。
「紅の悪夢〜赤き月の信徒〜」
「ネナ! やめるのじゃ!」
ネナが楽しそうにレナをからかうのを楽しむフレアとシキ、するとネナが調子に乗ってスケルトンを召喚し、勇者とのやりとりを再現し始めた。
「やめろと言っておるのじゃ〜!」
レナは顔を赤らめながらネナを止めようと魔法を発動する。
「ちょ! レナ! それはまずいわよ!」
「レナさん落ち着いてください!」
フレアとシキが止めようとするが一足遅い。
「しねー! ブラットレイン!」
レナの魔法をギリギリで避けるネナと防御魔法で生徒を守るガイエン。
レナの魔法が当たったところは大きな穴が空いている
「危なかった〜危うく死ぬところだったよ〜」
黒歴史を暴露されたレナの暴走で授業は中止になったのだった
流石に本人の前で黒歴史バラしたらやばいよね
本人がいないところでバラすように気をつけろよ!




