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ここはぼくらの秘密結社  作者: たかはしうたた
ここから始まるぼくらの秘密結社
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天才が編み出したデフォルメ人形

 食事を運ぶと言う大役にも慣れが出てきて、試行錯誤の末マニュアル化に成功。

  いい感じに仕事をこなせる様になってきた。マニュアル完成迄費やした時間、2週間と6日。つまり、明日オービスは懲罰房から出てくる。せっかく出来たマニュアルが……



  その頃、メイデイも最後の追い上げをしていた。最終段階に入り、試作したその道具の微調整をしている。発動条件、効果等。持っていても発揮しなければ意味がない。

  慎重に、最後の仕上げを行う



 《スケープドール》


 持つ者、使用者に似せて作られた、まるで毛糸で作られた様に見える掌サイズの人形。キーホルダーのようにチェーンが付けられた、今ここにあるものはメイデイが使う様。なのでデフォルメされた編み物メイデイがチョコンとデスクに座る。



 ふっふっふ。もうすぐだ、これは・・・いける

 この人形、可愛い割にはなかなかに強力な効果を持っている。

  バッドステータスを受けた場合、その全てを肩代わりにする。治癒や自分にかかるバフとバッドステータスの違いをプログラム化するのにかなり手間取った。

  生き物ならある程度の思考能力があれば勝手にやってくれるその効果の違いを一つ一つプログラミングした。その為の術式を毛糸の一本一本全て、効果を変えて編み込んだ。

  更に、毛糸の塗料にもいくつかもの効果を。

 本人識別の効果を乗せたり___敵に取られた場合にその効果を発揮出来ないように、個体1つ1つを識別させるため、本人専用の人形を作る必要があった___乗せた術式を発揮させるためのトリガー等、毛糸に編み込まれた術式を発揮するための補助を乗せてある。


 頭に着いたチェーンと落とさない様に付けられたフックは飾りだ。これをキーホルダーの様に持ち歩いてほしいものだ。


 頑張って作ったんだから。


 勿論このチェーンも優れもの。

 切れない様にわざわざ私オリジナルの合金まで作りました!匠の技を詰め込まれたこのチェーンも紹介しよう。

  ミスリルという柔らかいが魔力と融和性の高く、持つ者の魔力に当てられて強化されていく金属と、堅鉄鋼という、無駄に高い硬度を持つ、鍛治師泣かせのこれを掛け合わせた合金で出来た、無駄にクオリティの高いチェーンなのだ。

 

  切れるものなら切ってみろ!


  比率や加工方法は企業秘密、気になる方は是非この基地見つけてください。まず見つけられないと思いますが。ケッケッケ


 使用者に似せたのは、単純に全て同じ形だと、どれが誰の人形かわからなくなるからだ。

 今から量産していくにつれて量が多くなる。その際、例えば俺用に作られた人形を他の誰かが持っても、効果を発揮しない。つまり、本人用に作られた、それ以外の物を持ってもそれは只の可愛らしい人形でしかない。


「くらえバッドステータス!」

「大丈夫!僕にはこれがあるもんね!」なんて呪術をもらって

「はい死にました。残念無念ご臨終」では人形を作った意味がない。

 同じ形にすると、持っていく人形を間違えると言う状況になってしまうかもしれないので、使用者に似せた。という事だ。

 ちなみに使用者の半径2メートル以内が効果範囲である。効果範囲にある限り自動で効果が発揮する。

 なのでこの可愛らしい人形を戦闘中に肌身離さず持たなければならない。


 戦闘中に人形を見てほっこり、なんてことがあるのでは?メイデイはそれだけが心配である。



 最終調整中にヤツが来た。真面目スライムのペテクベルディである。


 あーんな高い声してるくせに、なーんであんなに堅っ苦しい話し方をするのか。メイデイはそこが不思議である。小首を傾げてジッとペテクベルディを見ていると、青い身体がほんのりピンクになる。だからなんでそこで色が変わるんだよ。


  怪人を創る時、能力、長所を付与するが、性格までは産まれてきた時にはどうなるか分からない。産まれてきた者の経験に左右させた方が能力を使いこなせると、そう思ってるからメイデイはあまりそこには干渉しなかった。

 だから、必要に応じて必要なものを求めた結果が、そのものの性格になるのだろう。オービスがペテクベルディみたいな性格にならないのはそうゆうことだろう。今が最前であると信じている。うんうん




 思考を逸らしながら自問自答をし、うんうんと頷いていると、ペテクベルディが真面目くさった顔?で語りかけてきた。




「マスター、勇者一行の目的地が絞れました」



 おほっ、なる程。そりゃ確かに真面目な話しだわな。



「よくやった、今いるフーアーズを集めろ。作戦会議だ」

「かしこまりました。マスター」


 ペテクベルディへの返事と共に、メイデイは意識を切り替える。


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