寝て起きたら少しだけ気持ちが落ち着くよねあるある
ジルを拷問部y…基、お置き部y……曰く、反省室‥‥‥ではなく、普通の懲罰房に入れて一晩が経った
起床後、少し冷えた頭でジルの言葉をメイデイは思い出してみる。
ユービスのヤツが…ユービスのヤツが…
そんな言葉を連呼していたように思う。んー、気のせいか?
「ペテクベルディ」
「は、如何様でしょうか、マスター」
「昨日ジルがユービスがどうたらとか言ってたか?」
「記録を照合します。照合中…はい。3回ユービス様の名前を出しておられます。その内の全てが、彼に昨日の原因の起因が有ると告げられております」
ふむ、聞き間違いではなかったらしい、ペテクベルディの記録に残っているなら、間違いではないだろう。
「分かった、ユービスは居るか?呼んできてほしい」
「かしこまりましたマスター。分体に接続中……接続完了。居場所が判明しました。只今ユービス様はトレーニング中です。今すぐ呼び出されますか? それとも、トレーニング後にこちらへお呼び致しますか?」
「トレーニング後でいい。その間に俺は朝食を取ってくる。その後、ラボに居るからそっちに呼んでくれ」
その返事を聞くとスライムはぷるるんと震えて、了承の意を表した。多分だが。
「かしこまりました。それと今日の朝食は白麦パン、魚介のコンソメスープ、自家製ベーコンと夏野菜のソテー、エッグパテを。食後には紅茶を用意しております」
「コーヒーは有るか?」
「ご用意致します」
「助かる」
いつものやり取りを交わしラボに向かう。
緊急性の低い必要事項は口頭ではなく紙面でやり取りをするため、口頭でのやり取りは当たり障りのないもので済ませる。
やりたいときにやりたい仕事を、やりたいようにするのだ。
ワンマンだから出来る業務体系である。
「それと、マスター。勇者に動き出す気配があるようです」
ラボに向かう足がピタリと一瞬止まる。
「そうか、早急に行動範囲を絞れ。ヤツが何を見つけたかは知らないが先手はこちらが打つ。あいつらには……何もさせるな」
「かしこまりました。マスター」