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ここはぼくらの秘密結社  作者: たかはしうたた
ここから始まるぼくらの秘密結社
22/38

罠は掛かる為にあるし、フラグは回収される為にある

 

「うげ〜、また分かれ道だよ〜」

「分かれ道あきた〜」

「みぎ・・・」


 3人がこの森に入って数時間が経つ。もう日も開けそうな時間ではあるが森の内部はまだ暗く、『ザッツライト君』無しでは進めそうもない。頭上を覆う葉の厚さは、日の光を遮るカーテンだ。時間の感覚を狂わせるこの環境も時計の名を冠する理由だと思わせてくれる。


 あれから数種の魔物が何度も襲ってきたが、全ての魔物が頭にナイフを刺しながら眠ってしまった。

 勿論メイニーネイシーはその事に気付くこともなく。


 そんな中、敵がきた事にも気付かずにアクションもないと唇を尖らせつまんなそうな妖精2人。

 暗いだけのこの森に妖精達は結構、イヤかなり飽き飽きしていた。何度も何度も繰り返される分かれ道も理由の一つである。もう最初の頃の様に鼻をフンフン鳴らしながら「右からお宝の気配がするわ!」なんて言うこともなくなり、「んじゃこっち」と言った具合に適当に選んでいることからもその事が察せられる。


  だが、真面目なのだろう。ヒタキは1人ちゃんと奥っぽい方を選んでいた。感覚で……だが。


 __微かだが・・・臭・・う・・。

 __あっている・・・ような気がする。


 最初に入った外側の森とは、少しずつ異なってきたからだ。

  最初は木の壁であった、だが進むに連れて、その壁が見えなくなってきた。代わりにその木の壁に巻きつく様にツルが目立ち始めた。

  今となってはツルが壁を覆い尽くし、その分、道自体も狭くなり始めて当初よりも空間が狭い。

 上空さえも、少しずつ垂れる様なツルや、壁と壁の両面を渡す様張り巡らされて、最初とは打って変わった風景となり始めている。


 ヒタキは合ってるだろうと先に進む。

 場面だ場面。何とかなるさ。


 最悪全て燃やそう。と、そんな物騒な事を考えてると空気が変わった。

  前を歩いていたメイニーとネイシーが通り過ぎた後に、道を断つ様に魔法陣が展開される。


「・・・ッ!」


 《空間設置型トラップ》

  今の時代では、作る事は不可能とされている古代科学の一つ。

  壁や道などでは無く、空間に設置されたそれは、生体反応が設置されている場所を通り過ぎる事がトリガーとなり発動。

 あまり見ないトラップであること、迷宮の様に入り組んでいるとは言え、たかだか森にそんなものがあるとは思わず油断していたヒタキ。


 ペテクベルディの話しを聞いていなかった彼には予備知識がない。

  当然の帰結と言えよう。

 魔方陣が道を切り裂き、空間を遮断する様に展開。背後に流れる魔力の異変に気づき、妖精たちは振り向く。


「ほえ?」「なによこれ?」

「・・・わな・・気をつ・・・けて・・・」


 そして、周りにあった無数のツル達が蠢きだす。

 無数のツルが、罠にかかった哀れな小動物を捕獲しようと妖精たちに向かう。

 ヒタキは腰の短刀に手をかける。一閃

  妖精達に伸びるツルを電光石火の如く切りつける。


 どうやらコレがトラップの内容らしいと推察。これならば問題はない。何とは無しに切ったが、この罠は、メイニーネイシーとの相性が()()

 助ける必要も、怪我をする可能性もないなと、ホッとヒタキは息をつく。


「キャー!罠にハマっちゃったわこわ〜い」

「アハハハ!メイニーはドジだね!」


 キャハハハ、アハハハと、2人も楽しそうだ。だがヒタキは「あっ・・・」と一人呟く。

 先程ツルを切った際に、空間設置型のトラップに触れてしまっていたからだ。

  身体の半分が魔方陣を通りすぎている。

 無数に蠢くツルの気配が変わる。


 ヒタキはその気配から、もしや…と思考を巡らす。

 このトラップ、最後に通ったものに反応するんじゃ。ターゲットの周りの人が巻き込まれる事があっても、最後に通った人間に毎回標的が入れ替わっていて、今のターゲットはまさか…と。

  そうだと仮定した場合、今狙われてるのはメイニーレイシーのどちらかじゃ無くて、最後に陣に触れた…

 そう、ヒタキである。


 そこまで考えたところで仮定が正解であると告げるかの様に、ヒタキに無数のツルが迫る。だが、予想の範囲を超えない事に、ヒタキはつまらなそうにツルを切り捨てた。


「めんど・・・う・・・」


  両手に短刀を構え迎撃、消える様に振られるその短刀が迫り来るツルを切り裂く。

  そんなの関係ないと言わんばかりのツルが、無数のツルをヒタキに迫らせる。生き物の様に四方八方から迫るツル。

 その全てを、避け、切り裂き。

  跳ねては迫り来るそのツルを、空中で身をよじらせては躱し、お返しと言わんばかりに、ツルを縦に裂く。

 舞踊の様に踊りながら紙一重に、だが一切ツルを触らせずに淡々と処理していくヒタキ。この程度は問題ないと言わんばかりに。

 余裕があるのか、チラリと先刻までメイニーネイシー達がいた場所に目を向ける。そこには


 先ほどまで居た、メイニーとネイシーはもう…


「ッッッ!」


 遠くから微かに声が聞こえる。


「キャハハハッ!トラップこわ〜い!」

「アハハハッにっげろ〜!罠がく〜る〜ぞ〜!」


 どうやら2人は罠と鬼ごっこをしている模様。


「待っ・・・!」地面に足が付いた瞬間に全速でかけようと力を溜めたところ、後ろからツルがヒタキの足を絡める。


「クッ」


 宙に吊られそうになり、慌ててそのツルを切り裂く

  2人が離れていく事が気になりツルへの対処が疎かに、その隙をつく様にツルは攻める。

 先程とは違い、鮮麗さが欠けたヒタキ。

  ツルの猛攻は激しくなりつつある。


 ___やらか・・・したっ・・


 ヒタキとメイニーネイシーは、ペテクベルディのフラグを見事回収し離れ離れになった。

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