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ここはぼくらの秘密結社  作者: たかはしうたた
ここから始まるぼくらの秘密結社
13/38

役者は揃えど話は進まず

____カツカツカツカツカツカツ





「メイデイ様ぁ〜。貴方のクリシュですっ!メイデイ様に会うのにお色直ししてたらこんなに時間が経っちゃった。でもでも、かわいい私を見て欲しくて頑張ったんですよ〜! メイデイ様、どうですか?わたし可愛いですか?」


「ふむ、化粧が濃すぎないか?クリス嬢。お主には薄い紅がよく似合う」

「ごもっともです、フェスパイア様」

「メイデイ様以外の意見なんて聞いてないわよ! って、なんだ引きこもり貴族。あんたも来てたの。珍しいわね。あんたと屋敷以外で会うの」


濃ゆいチークと真っ赤な口紅、笑いを取りに来たのかな?と勘違いさせるほどベッタベタと塗った化粧に、フェスパイアが優しく助言をし、付いて来たペテクベルディ(分体)が同意する。





_____カツカツカツカツカツカツ





「すみまふぇんでひた、はかふぇ(すみませんでした、はかせ)」


顔をこれでもかと腫らしたジルが正座でモゴモゴと喋る。


「ジル・・・逃げあ・・・し・・・・早く・・・なっ・・・た・・・」

「ジルの坊やにこれほど時間を使うとは……屈辱です。」


ジルを追い詰めてボコボコにしたであろうヒタキとペテクベルディがジルの両隣を陣取る。


「キャハハハ! 酷いかお〜」

「アハハハハ! ジルったらおっかし〜!」


ジルの顔を見て無邪気に笑う2人の妖精。





________カツカツカツカツカツカツ





「俺の根あるじゃん。めっちゃあるだろ?でもこれ二本以外は足じゃないんだぜ?知ってたか?」

「はあ、知ってます」

「これコレとコレ、この二本以外は実は手なんだよ。知らなかっただろ」

「だから、知ってました」

「俺も最初は、これ足じゃねーのかよって突っ込んだもんだよ」

「その話、2000回くらい聞いてますからね?」


木とスライムがいつものように、いつもと同じ会話をしている。





__________カツカツカツカツカツカツ





「誰かと思ったらジルじゃない。ひっどい顔ねあんた。私がメイクで美しく可愛くしてあげよっか?」

「ジルド、随分と滑稽な顔をしているな。だが何故かその顔が貴様の有り様だと思える。なぜか、酷く自然だ」

「おまふぇら、うっはいほ(おまえら、うっさいぞ)」

「あははは! 何言ってるかも分かんないわよ。私が治癒魔法かけたげよっか?」


唇も腫れすぎて、歯も何本かないジルに、涙を浮かべながら笑うクリシュ


「おまふぇらだまひぃえ!もほはほいえふぁひはき!おまふぇのせひなんふぁからは!(お前ら黙れ!元はと言えばヒタキ、お前の所為なんだからな!)」


ふがふがと喋るジルに。ビシッと指を刺されたことで「あ、俺の事言ってたの?」と気付いたヒタキは親指を立ててジルを煽りにいった。



「ジル・・・か・・・っこい・・・い」

「ヒタキあんた冗談言えるんじゃないあははは!」

「ふっ、ヒタキの言う通り、カッコいいぞ。ジル。見違えた」

「アハハハ! ジルカッコいいー!」

「キャハハハ! ジル結婚してー!」


「ジル、おまえ俺の根何本に見える?」







_______カツカツカツカツカツカツ……カツリ

ふるふるふるふる




「お前ら、いつまで話がおわらねーんだよ!」



メイデイは……泣きながら怒鳴った。


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