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「ごめん、家まで送ってもらっちゃって。玄関に入ったとこまでは記憶があるんだけど、そこからさっぱり覚えてないんだ。俺、変なことしなかった?」

「変なことって、別に…。」


言ってから、形はどうであれ抱きつかれたことを思い出して急に恥ずかしくなる。


「宗田くん全然起きないから、放って帰れなくて。だって鍵とか開けっ放しはよくないし。その、寝てしまったのはごめんなさい。」


まっすぐ目が見れなくて、伏し目がちになってしまう。


「仁科が謝ることじゃないだろ?ほんと、仁科は優しいね。」


呆れたように笑う彼は、もう酔っぱらいの宗田くんじゃなくて、いつもの宗田くんだ。


「優しいのは宗田くんでしょ。私の代わりにビール飲んでくれたし。そのせいで酔わせちゃって申し訳ないな、と。」

「結果的に酔い潰れて迷惑かけてちゃ、俺カッコ悪いな。」


何だか可笑しくなって、二人で笑いあった。


いつも優しい宗田くん。

私はあなたの気持ちに応えることができるのだろうか。

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