表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/43

*

私にも、可憐ちゃんみたいな可愛らしさがあったらよかったのに。

自然にニッコリできる処世術を身に付けたいものだ。


なんて卑屈になってしまうあたり、私のこじらせ感が出てる。

そう、私はこじらせアラサー女子なのだ。


黒歴史である過去の恋愛が原因で、上手く笑えなくなってしまった。

それがきっかけで大きな黒ぶちメガネをかけるようになった。

なるべく顔を隠したいと思ったからだ。


でも、私だって昔は可憐ちゃん程ではないにしろ、ニッコリ笑って受付業務をしていたと思うんだけどな。


「真知さん、私ちょっと手を洗ってきますね。」

「うん、いってらっしゃい。」


血の滲んだ手をふーふーしながら、可憐ちゃんは出ていった。

私は引き出しから絆創膏を出して彼女のデスクに置く。


ふいに扉が開いて、「おはようございまーす」と間延びした声が聞こえる。


「おはようございます。」


可憐ちゃんがいないときは当然私が受付をする。


仕分け作業の手を止めてカウンターへ寄ると、宗田くんが顔を覗かせていた。


宗田くんは私と同期で、設計職として入社して希望通り設計課へ配属されている。

1ヶ月の新入社員研修ののち各課に配属されるのだが、私は事務職、宗田くんは設計職ということでもう絡むことはないだろうなんて思っていたのに、図面管理課と設計課は密に関わりがあって、こうしてよく顔を合わす。


宗田くんは私を見ると、軽く右手を上げた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ