表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/43

*

「仁科、ちゃんと飲んでる?食べてる?」


いつの間にか戻ってきた宗田くんが、私を覗きこんで言う。

一応お菓子をちまちまと食べてましたよ。

しゃべる相手もいないのでね。


「仁科はさ、可愛いんだからもっと笑いなよ?」


宗田くんの言葉に、私は嬉しい気持ちと胸に刺さる気持ちが入り交じって、複雑な気分になった。


私だって笑えるなら笑いたいよ。

可憐ちゃんみたいに愛想よくなりたいし。


黒歴史である過去の恋愛が未だに私の心を蝕んでいて、何だか上手く笑えないんだ。


「そうですよ!真知さん眼鏡取るとめっちゃ可愛いんですよね。私、外したとこ見たことありますもん。黒ぶちメガネで隠しちゃって、もったいないです。」


男性陣に囲まれていた可憐ちゃんが、突然会話に加わってくる。


「そうなんだ。仁科さん、メガネ取ってみてよ。」


可憐ちゃんがこちらの会話に加わったことで、可憐ちゃんの取り巻きたちが一斉にこちらを見て言う。

今まで空気のような存在だった私が、一気に表舞台へ立たされた。


「えっ、嫌です。」


拒否したのに、ほろ酔いの可憐ちゃんにすっとメガネを外される。


「ほら、真知さん。」

「えっ、ちょっ、」


とたんに、恥ずかしさが込み上げてくる。

メガネで素顔を隠していたのに、何てことをしてくれるんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ