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5ch「安価・お題で短編小説を書こう」スレで自分が書いた奴  作者: 友人B
お題:『魚』『禁止』『表裏』『恋人』『星座』
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愛と愛

お題:『魚』『禁止』『表裏』『恋人』『星座』

 私は彼にとっても愛されてるの。今朝だって私のことを大切にしてくれたわ。


 彼はこう言うの。「ダメだ、包丁は使うな。君がケガをしたらどうするんだ」って。


 いやん、彼ったら私のことが凄く心配なのね。嬉しい。

 私はその日から彼の言いつけ通り、ちょっと大変だけど包丁は一切使わないで調理ハサミを使って料理することにしたの。


 それだけじゃないのよ? 他にも彼は私のことを大事にしてくれるの。


 彼はこう言うの。「ダメだ、占いなんて見るな。嫌な結果が出てたらどうするんだ」って。


 いやん、彼は私の気持ちまで心配してくれてるのね。嬉しい。

 私は毎日テレビの占いを見てたけど、その日からすっぱり星座占いも誕生月占いも見るのをやめたわ。


 まだまだあるわよ。彼は本当に、私のことを優先してくれるの。


 彼はこう言うの。「ダメだ、魚は食べるな。寄生虫がいたらどうするんだ」って。


 いやん、彼は私の体調まで心配してくれてるのね。嬉しい。

 私はお寿司や焼き魚は大好物だったけど、その日から一切魚料理を食べなくなったわ。


 彼はこう言うの。「ダメだ、勝手な買い物をするな。財布を持ってたら誰かに騙されるかもしれないぞ」って。

 彼はこう言うの。「ダメだ、友達と遊ぶな。友人だからとつけこんで酷いことをされるかもしれないぞ」って。

 彼はこう言うの。「ダメだ、外に出るな。変な男に目をつけられたらストーカーされるかもしれないぞ」って。


 いやん、彼は私が危険なことに巻き込まれないようにいつも護ってくれてるのね。嬉しい。

 でもだんだん規則が厳しくなりすぎてきたけど、これも愛の裏返しってやつね。私はもちろん彼の言う通りにするわ!


 でも、もう限界かもしれないわ。


 彼はこう言うの。「ダメだ、もう勝手に動くな。オレの言う通りにだけしろ。それ以外何も考えるな」って。


 だから私は、彼を●したの。「ごめんね、あなたのこと大好きなの。だけど、これ以上あなたに命令されたら、あなたのこと嫌いになっちゃう。だからあなたが大好きなうちに、あなたのことを●したの。ごめんね、ごめんね」


 私は血まみれの部屋の中で一人でいつまでも泣いていた。友達との接触もなく、ずっと家の中で引きこもっていた私には、誰も心配してくれる人なんていなかった。

 だからこそ、彼に対してずっと謝罪し続けた。私は彼の背中に刺さった凶器を見て、ずっと彼に謝り続けた。


「ごめんなさい。言いつけを破って包丁を使ってしまったわ。ごめんなさい、ごめんなさい……」

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