溶けていく
使用したお題:『幽霊船』『45度』『ジェンガ』『忘れる』『レズビアン』
40度。
視界がぼやける。頭も痛く、体もだるく、心も重い。澱んだ水の中にゆっくりと沈んでいくようだった。
濁り切った水の水面に船が見えた。大きくて立派な船だ。その上で昔好きだった女の子たちが遊んでいた。めっちゃ行きたい。でも沈んでいく。どこまでも、どこまでも。
41度。
さっきまで寝ていたのだろうか、それとも起きているのだろうか。自分の現状がまるでわからない。ただ辛い。
遊んでいた女の子たちがいつのまにか減っていた。遊んでいるうちにいつの間にかダンスを踊り始め、気付いたらぐにゃりとくっついて減っていく。残ったのは昔一番好きだった子だけ。彼女が船より大きな顔で笑って見ていた。
彼女の顔が久しぶりに見れただけで、何か幸せを感じた。
42度。
汗が止まったのか、それとも感じないだけなのか。体が濡れている不快感がなくなっている。頭も不思議と痛くない。
船はジェンガのように崩れて行った。今は幽霊船みたいな骨組みだけを残して、そこから海底にいる自分の頭の上に山ほどがれきを落としてくる。振り払いたいが体は一切動かない。
さっきまで何かが僕の事を見ていた気がする。とても大切なものだったような。なんだっけ、思い出せない。
43度。
思考、がまとまら、ない。こわい。こわい。こわい。
あたまがと、れた、たぶん。うでも、とれた。ゆびがとける。さっき、のゆうれいせん、のようだ。こわい、こわい、こわい。
さむい。
44度。
あ。
45度。
36度。
19度。
400度。




