クロワッサン王国とワッフル王国
使用したお題:『【始】のつく言葉』『革命』『クロワッサン』『人狼』『先生』
あるところに旅人と先生がいました。旅人は優しく賢い先生のことを尊敬していました。
2人はクロワッサン王国に着きました。クロワッサン王国の人に話を聞くと、街の人はとても親切にこんな話をしてくれました。
「クロワッサン王国は治安が良くて良い国だ。でも隣のワッフル王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」
2人はその後、ワッフル王国へ行きました。ワッフル王国の人に話を聞くと、街の人は懇切丁寧にこんな話をしてくれました。
「ワッフル王国は栄えていて良い国だ。でも隣のクロワッサン王国の奴らは悪い奴らだ。絶対に近づいちゃいけないよ」
二つの国の国民から話を聞いた旅人は、先生に聞きました。
「僕はどちらの国も良い国だと思いました。でも、なんで彼らはお互いを悪い奴だと言うのでしょう?」
先生は答えました。
「人間はね、外に敵がいないと味方を作れないんだよ。人間は狼のように、仲間には優しく、敵には厳しいからね。悲しいことだけどね」
そう言ってワッフル王国から出ていこうとしました。が、なんと2人は捕まってしまいました。
ワッフル王国の人々はこう言いました。
「お前たちはさっきクロワッサン王国から来た二人組だな。もしかしたら敵のスパイかもしれない。処刑してやろう!」
ほんのちょっと前まで優しかったワッフル王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、先生の首を刎ねてしまいました。
先生の首を刎ねたのを見たクロワッサン王国の民がいました。彼らはこう言いました。
「おお、なんと残虐な奴らなんだワッフル王国民は。こんな奴ら生かしておけない。革命を起こして全員殺してしまうべきだ!」
ほんのちょっと前まで親切だったクロワッサン王国民は、そうだそうだそうかもしれないきっとそうだそうに違いない、と口々に喚き散らし、戦争を始めてしまいました。
醜い争いを始めた二つの国の国民たちの姿を見て、優しかった先生の亡骸を抱えた旅人はこう言いました。
「人間は狼なんかじゃない。こんな愚かな生き物は、狼にすら劣る」
そう言って旅人は狼に変身して、戦争をしていた愚か者たち全員を噛み殺してしまいました。
遠吠えが一つ響いただけで、あとには何も残りませんでした。




