都市伝説「雨女」
使用したお題:『逆上がり』『雨』『女装』
~~~都市伝説「雨女」~~~
『雨の降っている夜の公園に行くと、髪の短い女がびしょ濡れで笑いながら遊んでいるらしい。
その雨女に見つかってはいけない。見つかると狂気に染まった視線を受け、呪いを受けてしまうそうだ。
雨女を捕まえれば呪いを解くことができるが、その雨女は呪いをかけたあとものすごい素早さで逃げてしまうので捕まえることは困難だろう。だから夜の雨の公園には決して近づいてはならない』
…………
僕はパンチラが好きだ。
……うん、わかるよ。エロい意味に思っちゃうよね。うわ、こいつ変態だって。
そう考えるのが普通だし、僕もそういう下心が全くないってわけじゃないから否定はしないけど、ちょっと違うんだ。話を聞いてもらえればわかる。
パンチラ、所謂パンティチラリズムというものに興奮するんだ、僕は。
下着のうち特にパンツは他人に見えちゃいけない、でもデザインは本人の好みが反映されていて、でも本来は恋人や親しい人にしか見せないはずのものだ。
それがチラりと見えたり、または見えずとも、見えそうで見えないギリギリのラインを描き出すその芸術性に惚れているんだ。決してエロい意味ではない……まあ変態な趣味だといわれたらその通りだと思うけど。
だから僕は男のパンチラでも喜ぶよ? もちろん女性のパンチラがいいとは思うけど、その相手が色気のない妹やおばさんド直球の母親のものでも嬉しい。
だけどさ、パンチラってそうそう拝めないじゃないか。
男のパンチラはズボンを履いてる人がほとんどだから無理。女性ならスカートを履いている人が多いから、路上でのパンチラはワンチャンあるけれど、相手だって見られたくないから当然ガードが固くなる。
短いスカート履いてるくせにパンツを見せたくないなんて変な話だよな。そう思わない?
まあ、そんなわけでパンチラはなかなか滅多に見られない貴重なイベントシーンなんだ。だからこそ、どうしても見たくて見たくて……。
それで我慢できなくなって、とうとう自分のパンツをパンチラすることにしたんだ。思いついたときは画期的な名案だと自画自賛したね!
だから僕はごくまれに女装をしてパンチラの機会をうかがっている。
とはいえ僕だってバカじゃない。いい年こいた男がスカートなんて履いてたらご近所の笑いものだ。下手するとネットで拡散されて人生終わるかもしれない。だから見つからないように工夫を凝らした。
スカートの入手は簡単だった。母親のお古のスカートが処分される際にこっそり盗んだ。別に定期的に履くわけじゃないしデザインも気にしないから1着あれば十分だ。
妹のスカートには手を出さなかった。サイズが間違いなく合わないだろうし、殺されたくないしね。
次に手段。どうやって自分のパンチラを見るかだった。
鏡を使う案やカメラで録画する案もあったが、どれもしっくりこない。鏡だといい角度に調整できず、カメラだと生で見られないためよろしくない。これだったらエロ本の露骨なパンチラの方がマシだ。
うんうんうなって考えているうちにようやっと思いついたのが、逆上がりだった。近くの公園の鉄棒で逆上がりすると、たった一瞬だけど実にちょうどいい感じにパンチラが拝めるのだ。
これに気付いたときは小学生以来やったことない逆上がりを、これでもか、というくらいグルングルン周りまくったね。
そして最後は隠ぺい工作。これは覚悟さえすれば割と簡単だった。
さすがにスカート履いた男が逆上がりなんてしてたら通報モノだろうよ。でもね、あの公園は雨が降ると誰も寄り付かなくなることを僕は知ってたんだ。
だからずぶ濡れになる覚悟さえ決めれば、いくらでも回り放題だった。それに濡れて足にへばりつくスカートが実に良い感じのアングルを作ってくれたので結果は上々といえよう。
……その際、自分のすね毛が濡れて足にへばりついてる絵面が実に気持ち悪かったので、すね毛処理もするようになった。他人には見せられないな、これは……。
閑話休題。まあこんな感じで、僕は自分の趣味を十全に全うすることができるようになったんだ。マジ最高の気分。
ただ、この前知らない人に見つかりかけたから焦ったけどね。暗いから顔は見られなかったと思うけど、今度からよーく気を付けて公園に行かなきゃまずいね。
それに、なんか変なお化けが出るって噂まで最近聞いてるじゃん? もう嫌だなぁ、僕お化けとか苦手なのに……。
どうか、僕が逆上がりしているときは現れないでくださいね?




