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5ch「安価・お題で短編小説を書こう」スレで自分が書いた奴  作者: 友人B
お題:『7』『実験』『スマホ』『池袋』『美人上司』『爆発』『マジレス』より三つを選択
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人が死なない爆発

使用したお題:『実験』『美人上司』『爆発』

人間だけを殺さない爆弾を発明した。

普通の爆弾と同じで非生命体は爆風で破壊するのに、人間にはせいぜい火傷や打ち身程度の被害で済むのだ。自分で言うのもなんだが、世紀の大発明だと思う。


 これさえあれば戦争が変わる。殺戮目的ではなく戦略拠点陥落のための空爆をこの爆弾ならし放題だからだ。人道的に配慮した戦術・戦略が行えるようになる。

 もちろん戦争だけではない。人質もろとも誘拐犯を爆破し、その武装を破壊して解除することもできる。火力発電所や原子力発電所に応用できれば、人的には絶対安全な施設を作れるだろう。倒壊した建物だけ破壊すれば人命救助だって楽々だ。

 極論、子供の遊びに爆弾を利用することだってできるだろう。とにかく世界の全ての技術と文化が大きな前進をしたのだ。素晴らしいことだ。


「はぁ、ここまで長かったな……。彼女たちに感謝だ」


 私は過去を思い出す。彼女たちと過ごしたありきたりで平凡で、幸せだったあの日常の日々を。


 料理が下手だった妹のことを思い出す。妹が揚げ物をすると台所がよく黒焦げになったものだ。

 謎の実験をよくやっていた幼馴染のことを思い出す。あいつのせいで何度理科室の窓を割ったことか、多すぎて回数なんて覚えていない。

 イタズラ好きだった先輩のことを思い出す。あの人にいろいろなイタズラを仕掛けられて死を覚悟したことは一度や二度ではない。


 あれから何年も経った。経ってしまった。しかしそのおかげでこの非殺傷爆弾を完成させることができた。

 私は感慨深く思いながらいつものようにいつもの場所に座り、いつものように線香に火をつけた。手を合わせる。


「みんなのおかげで完成したよ。本当に、本当にありがとう」


 仏壇に乗った三人の写真に向かって真剣に手を合わせる。心の中で幾度となく繰り返した言葉を何度も何度も唱え続けた。


 彼女たちのおかげでこの非殺傷爆弾を完成させることができたのだ。

 妹が台所に立つたびにこっそり油や粉末を混ぜこんで料理させたり、幼馴染が気づかないうちに実験準備室にある薬のラベルをわざと危険ではないものとすり替えたり、イタズラに引っかかる際にヘリウムや火薬の量を調整しつつ、先輩を盾にしたりして。

 そうして何度も『人が死なない爆発』を実証・観察できたことによって。


 私は心の中で何度も何度も感謝と、謝罪を繰り返す。


「みんな、ありがとう。そして、ごめん。ごめん、やり過ぎたんだ。みんなを死なす気はなかったんだ。でもみんなは爆発に巻き込まれて死なないのか、どうしても気になって。気になってしまって……。ホントに、ホントに……」




「……フフフ」

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