Revelion ZOO
使用したお題:『ツンデレ』『ハプニング』『アトラクション』『スカート』
「貴様! 言え、言うんだ!!」
「やめろ、ライオン! いきなりどうした、そんな大声をあげて?」
「こいつが、きっとこいつが何かしたに違いないんだ。そうじゃなきゃ急にこいつが人間に人気になるわけがない! 今まで見向きもされていなかったくせに!!」
「や、やめてくれ。オレは何も……」
「ウソをつくな! お前最近妙にわーきゃー言われてるのは間違いないんだ! 何をしたのか言え、言ってくれ! そしてどうやったら人気が出るのか教えてくれ! サーバルキャット!」
「待ちなさい、ライオン。本当に知らないのかもしれない。急にある種の動物が人気になることはよくあることだろう? パンダを見ろ。あいつらなんで人気なのかオレには全く分からないぞ?」
「うぐぐ、だがそういうがウォンバットよ。ことは深刻なのは承知しておろう? このまま特定の動物ばかり人気が偏ってしまうと……」
「確かにな。ここは動物園、人気の無くなった動物は隅に追いやられ、悲惨な目にあう。交尾相手を用意されず、餌も最低限となり、汚れた部屋で飼い殺されるんだ。最悪、どこかの土地に引っ越しさせられることもあるからな」
「そうだ、だから一部だけこう人気を集める状況はどうにかせねばならん。人気になったのならその方法を共有して、お互いで譲り合わねば……」
「人気格差問題は厳然としてあるからな、認めたくはないが。ライオンやゾウ、キリンのように定番人気な動物はいいのだが、タイミングの問題か、なぜか極端に注目を集める動物が一部出てくるのは困るからな。動物間のパワーバランスが崩れる」
「だが長年の研究によりある程度方法は解明しているんだろう? 確かメガネザルが言っていた気がするが……」
「ああ、コツメカワウソの件だな。あいつは動物園以外でカフェを経営し、その身近さで触れあいを行い、愛嬌をふりまいているらしい。それが人気のきっかけになったそうだ」
「そうか、愛嬌をふりまくのか……こ、こんな感じか?」
「ライオンよ、そんな風にお主がゴロニャーンとやっても怖いだけだ。いや、遠くから見たら可愛いかもしれないが、近付きたいとは思わないだろう。なにせ図体がでかいからな……」
「う、た、確かに、私がシベリアキャットのように可愛く振る舞うより、威厳ある風体で堂々としていた方が人気がある気がするな。昼間は寝っ転がってしまうのが悪いのか……。何かサービスした方がいいのだろうか、背中に乗せて歩き回るとか」
「そんな安い遊園地の乗り物じゃあるまいに。効果は薄いだろう。だが何かサービスをするというのは良い案かもしれない。何か案はないか?」
「プライドでメスライオンもふもふ会開催とか?」
「余興でドラミングアトラクションとかしてみようか? ウホッ」
「す、スカート履いて人間のメスの振りをするとか……」
「黙れ、サーバルキャット! 人間の振りをする動物なんて意味がわからないぞ! 動物は動物だからいいんじゃないか!?」
「そ、そんな。せっかく案出したのに、なんで僕だけ……」
「いや、存外そんなことはないかもしれないぞ」
「なに、何か考えでもあるのか、チンパンジー!?」
「人間の文化を探っていろいろ調べたのだが、動物の要素を加えた人間のメスというのは人気が高いらしい。擬人化というそうだ。何がいいのかまでは残念ながらわからなかったが……」
「おお、そうなのか。さすがチンパンジー、最も人間に近い種族……!!」
「ち、チンパンジー。お主ならきっと素晴らしい名案を思い付いてくれるはずだ。その深い人間知識を持って我々にどうすれば人気を出せるようになるか、教えてくれ!」
「答えなら簡単です。威嚇と恭順です」
「ん、どういう意味だ?」
「わかりやすく言いましょう。例えば大勢の人間がいた場合は、己を強く見せるとよい。まるで人間が敵だと言わんばかりに威嚇しまくりましょう。そして人間が少数だった場合、やさしく振舞うのです。頭を下げ腹を見せ、恭順の意を示すのです」
「ふむ、そんなことでいいのか? だが、それだけで本当に効果あるのか?」
「あります。人間どもの文献を調べてみると、そういうメスやオスに惹かれるようなのです。おそらくですが、大勢がいるときは強く見せることでその強さを示すことで我々の存在感を誇示し、少数のときは甘えた様子を見せることで『あなただけに見せるのよ』と特別感を出すと効果があるのでしょう」
「な、なるほど。深いな。つまり大勢がいたら威嚇、少数だったら恭順。これでいいんだな?」
「はい、ライオンさんやクジャクさん等は特に効果が高いのではないでしょうか。もちろん、他の生き物も無意味ではないでしょう。やること自体は簡単ですので、やるだけやってみたらいいんじゃないでしょうか?」
「そうか、ちなみにそれに作戦名などはあるのか?」
「はい。ツンケンした態度とデレデレした態度を使い分ける作戦、人間の文化に倣って『ツンデレ作戦』と名付けましょう」
「あいわかった! では皆のもの『ツンデレ作戦』を決行するぞ!!」
「おう!!」
「チンパンジーよ! お前の作戦は最高だった。私だけでなく他全ての動物が生き生きしていると人気が出始めた! お前のおかげだ!」
「いえいえそんなことはありませんよ、ライオンさん。あなたの威嚇の遠吠えと猫のような態度の使い分けがよかったのでしょう。皆の役に立てて光栄です」
「そうか、だが、また困ったことがあってな……。人気が出た動物はかなり増えたのだが、動きが地味な動物はあまり効果がなかったようなのだ。それに、人気差が出るという根本的な問題は解決されなかった。他に何か手段はないか?」
「はい、あるにはあるのですが……うーん、下手するとハプニングじゃすまないような事件が起こりかねないしなぁ……。どうしましょうか?」
「あるのか? ならとりあえず内容だけでも教えてくれ。どういったものでどう利用するかはまた皆で話し合おう」
「そうですか、では……ツンデレの上位版に『ヤンデレ』というのがありまして」




