血の理由
使用したお題:『麦わら帽子』『四字熟語』『レーズンブレッド』『スマホゲーム』『青』
「reason blood」というスマホゲームがある。
和名にすると「血の理由」という。実に重苦しい名称なのだが、裏腹に内容はよくある占いアプリであった。
動物占いというものが流行ったが、それに似ている。入力した個人情報に応じて、その人を何の血筋なのか最初に示してくれるのだ。
例えば「狩人の血」なら目標に向かってひたむきに努力する性格だ、とか。「商売人の血」なら駆け引きが上手で物事を客観視する力に優れているとか。
人間以外にも「飢狼の血」だと貪欲に物事に集中するなどといろいろな性格占いを最初に占ってくれるのだ。
そしてその後は、普通の占いソフトよろしく日々の運やどの血筋の人と相性がいいか、なんて当たり障りのないことを占ってくれる。
しかしこの手の占いソフトにはありがちな話で、特別に的中するというわけでもなく、格別に面白いというわけでもなく、別格に人気というわけでもない。
どこにでもあるごく普通の占いアプリであり、何もおかしいところはない。そんなスマホゲームだった。
……ただ一点を除いて。
とある噂があった。この「reason blood」にごく稀に「青の血」という診断結果が出るそうだ。
この「青の血」選ばれた人は、ものすごい幸運に恵まれるらしい。仕事は好成績を毎日たたき出し、恋愛は最高の異性と巡り合って純愛ができ、健康は癌すら治るとのとんでもない話だった。
実際はどうだかわからない。しかしただのスマホゲームのアプリのくせに、この「青の血」に関しての的中率だけは100%であると噂ではそうされている。
ただし「青の血」に選ばれた人は、ある義務を負うこととなる。それは占い結果に全面的に従わなければならないということだった。
電車で席を譲りましょうと出たら必ず譲らなければならないのだ。ラッキーアイテムが麦わら帽子と出たら、会社へ満員電車で通勤中でも付けていかねばならない。献血を今日中に3回行えと書かれていたら街中を巡って献血車両を探す必要が出てくる。
しかし、その全てが幸運になって帰ってくるというのだ。席を譲った老婆が取引のある大会社の社長夫人であったり、日射病で苦しんでる女性に麦わら帽子を渡して交際へと発展したり、血をたくさん抜いたおかげで内臓腫瘍が早期発見できちゃったりするのだ。だから義務ではあるがやる価値のある義務であった。
ただ、気を付けてほしい。この義務は必ず占い結果に従って毎日やらなければならないのだ。
電車で寝こけていたり、恥ずかしがって麦わら帽子をつけなかったり、献血車両が見つからなかった場合、その「青い血」の人は……。




