二ページ目
「遥っ!」
「うげっ…」
そこには撒いた筈の幼馴染がいた。
しっ…しつこい…
何なんだ。こいつは。俺に対する当て付けか?嫌がらせか??
「…なっ…なんでしょう…?」
気づかれぬように声色に気をつける。
「何って…こっちの台詞なんだけど。」
「へ?」
俺、何かした?…身に覚えが…
「まさか…幼馴染の顔、忘れた?」
…気づかれてるー。めっちゃ気づかれてるー。…おっかしいなぁー。
そんなにわかるような顔してます?
もう人生オワター
「また姉の言いなりになって…あんたの趣味じゃないことくらいは分かるわ。」
良かったぁ。誤解は解けた。…けど。
こいつバラすだろうし、こえぇな…。
「…けどまぁ…似合ってる。」
くっ…口説くつもりかっ…!俺は男だぞ
「…屈辱…」
「どんまい笑」
殴りてぇ…女装してる俺の前で肩震わせて笑ってるこいつを殴りてぇ…
「今殴りたいって思ったでしょ?」
昔から人の心をよむ奴と思ったが…
…侮れない…。
「遥って昔から私に勝てなかったのに…逆らうつもり?」
「…あれから俺は成長した。いい加減舐めんな」
「ふふ。…んじゃ今日放課後武道場まで。」
俺が小さい時の話だ。
よく可愛いやつだの何だのとバカにされていた。 イライラする毎日。そんなとき。
「…悔しくないの?」
突如声が聞こえ、ビクッとする。
声のする方へ顔を向けると俺より弱そうな女の子がいた。
「…っせぇ。俺より弱そうなくせに。」
「…ふーん。」
女の子はつかつか俺の近くによると俺の足を引っ掛けた。
「なっ…何すんだよっ…‼︎」
「…弱いって言ったから。証明しただけだけど。何か。」
イライラして女の子に殴りかかる。
もちろん女の子に手を上げてはいけないのだが、そんなのを配慮する余裕がなかった。
拳を振り上げる。
しかし女の子はあっさりかわし、そのまま振り上げた手を俺の背中にまわし固定した。
「っ…⁉︎」
「…これで分かった?私、弱くないから。」
「…お前は一体…」
「裕樹 彩芽」
これが彼女との初めての出会いだった。
それから空手にも通ったのだが、彩芽に勝った事が無い。
今日俺はあいつに勝つ。
いつまでも舐められるのは癪に障る。
「逃げずに来たんだ。」
笑いながら話してくる。
「今日お前に勝つ。その舐めた態度改めさせてやる。」
「…ふっ…望むところ。」
多くのギャラリーが集まる中、俺と彩芽は武道場にて拳での語り合いが幕を開けた。
今回も見てくれてありがとうございました!
「彩芽〜もう少し女らしkー」パキパキ
「ん?笑 何?遥?」にこっ
「なっ…何もない…です。」
見てない見てない。遥の手首が砕けそうになってるなんて知らない。
グダグダです( ´ ▽ ` )ノ