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アナログとデジタル

今日思ったこと、そしてここ数年のこと。


なんとなく、書いてみました。

 ある日。僕は久しぶりに図書館に入ってみた。

 非常に、久しぶりだ。覚えている限りでは、高校に入ってからはずっと行ってなかっただろうか。理由としては、「自分の家の近くには図書館がない」、「学校からだと少し遠い」、「今まで時間がなかった」、と明確だ。

 しかし二つ目の理由である「学校からだと少し遠い」、と言った考えは、意外と駅から近かったためにそこまで遠くはなかった。高校三年目に、初めて学んだことだ。

 入ってみると、非常に静かで、時折誰かが咳き込む音や、遠くから本の裏にあるバーコードをスキャンする音等以外、聞こえてこない。室内だからだろうか、風の通る音も、意外と聞こえなかった。

 入ってみたはいいけど、読む物が意外とない。次の電車が来る時間もあと少し、それ以前にこの図書館のカードを持っていないので借りれない。借りてもずっと借りっぱなしになりそうだけど。

 ときおり、背表紙に書かれてるタイトルに興味が魅かれた本を手に取って数ページ読むぐらいで、後は特に何もすることなく、見回っていた。

 そうやって見回っている間、「僕と本」は切っても切れない関係であることを感じていた。どんなにゲームやっても、サイトまわっても、本は普段でも読むし、自分で話を書くこともある。僕は立ち読みより、買って読む派だ。それも関係がある原因の一つかもしれない。


 ふと、僕は「インターネットで読める本」が頭に浮かんできた。

 そう言えば、ここ数年、近代化が進んでいる。上に挙げたソレもその一つだ。

 普通にお金を払い、払ったらすぐに手軽に読める。必要なのはそれを見る機材だけで荷物にもならないし重さもない。まさに夢のようなシステムだ。

 そして、地球にも優しいかもしれない。インクの必要もないし、紙も必要ない。暗くても基本的にディスプレイは明るいので手軽に読める。まさに、現代がもたらした奇跡とも言える。

 でも、僕はそう思えなかった。

 どこでも便利、と言うのは裏を返せば「便利の根源を切ってしまえば不便になる」。インターネットはサーバー、そして電気を使っている。これらの内どれかを切ってしまえばそれは忽然と消えてしまう。まるでキャンプファイアーの積み木のように、どれか一つを崩してしまえば上は崩れる。「観る」、というのは一番上にあるのだから。

 それに、「暗くても読める」と言うのも、それはダメなんじゃないかと思う。本と言うのは周囲を明るくして読む物だと、僕は思っている。少し前のテレビアニメ(最近は観てないのでもしかしたら今でも呼びかけているのかもしれないが)の放送の前には「部屋を明るくして~~~」と言うのがある。これは目を悪くさせないために呼びかけているのでは、と今更ながら考えた。

 そして僕がそう思えない理由のもっともな理由に、「ページがある」。

 僕はページをめくる音が無意識に好きなのかもしれない。文字がずっと固定化されていて、ラノベではずっと黒と白だけで構成されているのが好きなのかもしれない。むしろページをめくる際に触るソレが好きなのかもしれない。安心できているのかもしれない。


 そう思いながら、手に取っていた一冊の本を戻し、少し余裕をもって僕は図書館を後にする。


 本当に、デジタルは「便利」だ。システムさえ作ってしまえば後は自由に組み替えて観る物があるだけで使えてしまうのだから。

 でも、それらが全部「便利」とは思えない。では食事は何だろうか? 多分、アナログだろう。デジタルは、「見る」ことはできるが「触る」ことはできない。デジタルの唯一の弱点だ。

 僕が「本が好き」なのは「アナログ」だからだろう。物語を見るだけならデジタルでもかまわないけど、本だったらアナログの方がいい。僕個人のわがままかもしれないけど。

 また、物語も、書くなら「デジタル」なんかじゃなくって「アナログ」のほうが僕は達成感がある気がする。デジタルだったら一発で漢字を変換できる。僕も頼っている。でも、アナログで書いた方がなんだか思い入れもそれ以上な感じがある。アナログで書いてデジタルで書く、と言う手もある。僕もその一人ではあるが。


 このまま近代化が進んで、後に手に触る本が無くなったらどうなってしまうのだろうか。僕には考えることはできなかった。

 でもせめて、自分の買ってきた本は大切にしたい。きっと、身近に感じる宝物に、未来へ伝えられるアイテムになるはずだから。

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