プロローグ
今回は、自分が納得のいく作品をじっくりと作っていこうと思っています!
どうぞ、よろしくお願いします!
評価もしていただけると嬉しいです(#^.^#)
プロローグ
「おい!なんだあれは!」
「桐原先輩どうしたんですか?」
鉱山の洞窟をボロボロのピッケルとヘルメットに付いている懐中電灯を頼りに掘り進める。その先には、不気味な色の結晶体が存在した。
洞窟の中は、発掘隊の男集団たちの汗のにおいと土埃が混ざり息苦しく感じる。
結晶体を発見した時には、まだ鉱山自体が一か所も開通していない。さらに男達は、携帯食料やらで重装備となっていて、この空間が蒸し暑く地獄にさえ感じた。
「あれ見てみろよ。あの光方おかしくないか……?」
蒸し暑い中異様な結晶体に冷汗をかいていた。
「え……?なんですか、あれは!!」
黒色の塊にどこか透明感があり、そのあたりでは、漆黒に引きずり込むような違和感が存在した。
その塊は、当時の発見した発掘隊の隊長――桐原薫により命名された。
「黒い瞳」――通称[B.C]ブラック・コアと呼んだ。
B.Cは、すべての生命体の躰をコアへと引きずり込み、代償に必要以上のエネルギーを与える。あらゆる感覚器官や細胞、その他の小器官などすべてを活性化させた。
いわゆる第二の心臓とでもいえた。
そして、B.Cの発見から2年経過した現在。
最新の科学技術は進化を遂げ、10年前の2015年に比べ何10倍にも世界は機械化へと進んでいた。
なん100メートルにもなるほど高くそびえ立つビルの数々。その間を掻い潜る様にして通る高速道路。それらは、宙に浮いていてウォータースライダーのようでもあった。ありとあらゆるところに、電子信号からなるモニターが映し出され、常にニュースや宣伝が流れている。地の地面など存在しなく、すべてが金属のタイルからなっており、人の気配を感じ取ると自動で道を開いた形で移動する。
そして、ビルよりもはるか上空に球体の物体が存在し、それの周りを波紋状にいくつかの電子的なサークルが回っている。
球体の下には、土台のようなものがなく、明らかに浮遊していた。
これも、現在だからこそ実現が可能であることであった。
2年というものはあっという間に過ぎる。特に現在のこの世界では。
2年前の発見では、新たな世界の発展に向けてB.Cの調査が極めて慎重に扱われた。まず価値の設定から決められた。発見場所の洞窟付近からは、100個ほどが発見された。そして生命体にもたらす効果から1個1兆円ほどで売買され始めた。その後も順調にB.Cの発掘が進んでいた。この時、B.Cはまだ生命体を吸収した使われ方はしていなく、その他の実験で効力を調べられていた。
新たなに発見された効力は……
その1――B.Cに吸収された躰はそれが外されたとき生命は失われる。
その2――本来の命が失われてもB.Cに取り込まれている生命体は、B.Cが存在する限り生命が保たれる。
その3――2つ以上のB.Cを取り込んだ生命体は存在が抹消される。
新たにB.Cは生命が存在しない無機質な物体、鋼などの金属にも命の代用としての効力が発見された。
それは、技術革新であり急変的にこの世界は進化を遂げた。
地球は生きている。
地球も息をしている。
地球は丸い。
そう唱えられてきたこの世界。
それは、もう現在の地球を表現するにはナンセンスな表現だった。
あえて言うなら
現在の地球は生きていると言える状態ではない。
火山活動や、川に流れる水流。大地の象徴とでもいえる森林。それらは、極稀にあるだけであってほとんどの自然が電子で組み替えられたグラフィックにより再現されている。
地球は丸い。10年ほど前までは確かにそうだった。
だが、今は違う。
丸は丸であっても月と同じように、地球の周りにはそれと似たような衛星が8つ存在した。
そしてB.Cが悪用されるまでには、そう時間はかからなかった。
B.Cを悪用し開発されたロボット。科学殺戮兵器――ZERO
開発社のM-F-CはZEROを利用し人類機械化政策を目的とし、世界を恐怖で支配していった。
それに対して、日本を含む13か国で結成された国際橋廷[I.B]。それらによって編成されたプレゼンス本部が対抗戦力となって支配を阻止しようと取り組んでいった。
――2025年 現在――
M-F-Cとプレゼンス本部とで世界は真っ二つになっている。国際橋廷は13か国の加盟国にZEROに備えるために軍基地を作り、日本に本部を置いた。
日本のプレゼンス隊員は、比較的他国に比べて有力でり、本部のランク。トップ上位者のほとんどを占めていた。戦場では常に先駆者となり指揮を執っていた。
誰もが入団できるような部隊ではなく、
[筋力]・[敏捷力]・[知力]・[魔力]。4つの観点で審査を受け総合値が高い者が入団許可を下される。また、なかでも例外があり、その者達は大抵、部隊の中の特殊部隊に編成される。
[筋力]
筋力の項目では、腕力、脚力など受験者の筋肉の強さを図るためのものになっている。また、ここではスタミナの消費スピードや耐久力、心拍数の乱れなど生命においても審査される。
[敏捷力]
敏捷力は身体の柔軟性によって生まれるステップの細かさ、速度、器用さが求められる。高い反射能力が必要とされる。よって視力は2.0以上は欲しい。体重も審査の一部として入る。
[知力]
ただ単に学力だけでなく、生活上での知恵。物事の経験量が高いほど良い。また、集中力が磨かれていることや、精神状態が安定していることなど審査される。第6感や、深刻な状況での冷静な情報処理速度が求められる。
[魔力]
魔力は、特別なホイールに一時的に体を包ませ魔力の保有量、特質を調べる。どれだけ順応しているかや効力範囲も数値化し審査する。また、周りを引き付ける魅力。チャームなども部隊の指揮を執る際に使われる。
それらを兼ね揃えた人間が、最新の科学でできた武装を纏う。
そして、B.Cで力を手に入れた科学の殺戮兵器を殲滅させることを仕事として。
(この世界はどうなっちゃうんだろう……俺が考えるようなことでもないか。あー、何もかもめんど――)
と掌を頬に押し当てながら窓の外を憂鬱に眺めていると、不意に頭への軽い衝撃に身を竦ませる。反射的に顔を被い指の隙間から前を見ると
「キリハラーーー!!授業に集中しろ!お前の苦手な英語だぞ」
数学担当の教師による<ファイル攻撃>により頭を叩かれたことを理解した。
――ん?
いやいやいやいやいや、最後のは余分だろ!ショートケーキにのってる一つだけのイチゴくらい余分でしょ!ショートケーキはイチゴが必須だったか……。チョコレート派の俺もたまには、食べてみようかな。
などと、考えている内にいろんな方向から矢が飛んでくるような感覚に襲われた。
いつの間にか、俺は席を立っていて周りの生徒から指さして笑われていた。
桐原湊は、慌てて着席し照れ隠しに頭を掻き毟りながら苦笑いした。
日常は、永遠に続くものではない。それはどこまでが日常であって、どこからが非日常なのかは誰かが決めれるようなものではない。
少年はこんな日常がいつまでも続くと思っていた。だからこそ考えもしなかった。自分が世界のために命を張り戦場を駆ける立場になることを。
そう遠くはない世界がそう啼いていた。
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