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猫を追いかけて異世界  作者: ふー
異世界召喚編
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インターネット アクセス

お読みいただきありがとうございます。

 お腹に適度にものが入ると人って活動的になる。

 逆に猫は、おねむになる。ベッドで長々と爆睡中。

 人じゃないけど、猫だけど、話せないけど、同じ世界から来た同志がそばにいるのは心強い。


 やる気の出た私は、遭難した時の心得その1を実践する。

 持ち物の確認です。

 出張帰りなので、持ち物は充実している。

 ラノベで身一つとかで召喚される人はいるけどやっぱり大変だよね。


 キャスターバックの方は


 着替え(ブラウス・パジャマ・下着)、ハンカチ、デオドラントテッシュ、ドライヤー

 化粧道具、飛行機用のスリッパ、自分にお土産のご当地ラーメン、折りたたみ傘

 命の充電器の数々、裁縫キット、サバイバルツール


 仕事用バッグは


 ノートパソコン(会社支給品)、タブレット、スマホ、ポーチ、筆記用具

 システム手帳(ほとんど白紙)


 なかなかに充実。ソーラー充電ができるので文明の利器も死蔵品にはならないだろう。

 置いてこようかと思っていたサバイバルツール、なんかうれしい。

 テーブルに所狭しと置く見慣れぬものに侍女たちの視線が集まっているのを感じる。


 興味あるそうなのはやっぱり化粧道具かな。

 忘れるとこだった。

 スマホの電源落としておこう。

 もう充電切れてしまったかしら?

 ちょっと今日はもう暗いから明日充電しておこう。


「え?」


「なにかありましたか?」


「い、いえ。」


 スマホの画面のネットがバリ4、しかもWi-Hiも・・・


 つまり繋がっている。


 なあんだ。

 夢じゃないか。

 まったく、リアルすぎる。


 ・・・・


 ・・・・・・


 つまり、脳内でこんな美女になってみたいとか、お嬢様ベッドに寝てみたいとか思っていたわけか・・・


 恥ずかしすぎる。

 もういいよ。

 起きようよ。

 会社に遅れるよ。

 シロにご飯あげなくちゃ。





「はじめまして、リカード=シンミャ=ライオリアスと申します。リカードと呼び捨てください。」


「はい、よろしくお願いいたします・・・・夢でもナイスミドルの方とお話ができて光栄です。これは理想の上司像の反映ですか?」


「はっ?」

 リガードという妄想オジ様が怪訝な顔をする。


「これ、夢ですから。」


「いえ。あなた様は戦神子として、確かにこの世界に召喚された方です。」


「じゃあ、なんでネットがつながっているんですか?」


「は?」

 オジ様が、固まっている。


「は、じゃありません!異世界ならなんでスマホがつながっているんですか?

 説明してください。」


「おっしゃられている意味がわかりかねますが。」

 あくまで冷静な口調だ。


「いいですか?この世界が私のいた世界と違うのなら、なぜこの機械が元の世界とつながっているのですか?リカードさんが言う通りならおかしいじゃないですか。ありえないでしょう?」


「繋がるとは?それで、行き来できるのですか?」


「しらばっくれないでください!ほら!」

 私は水戸の人のようにスマホを見せる。


「これは!」

(ほら!いいのがれできないわよ)


「このような綺麗な絵画は初めて見ました。まるで小さくなって入り込んでいるかのようですな。」


「え?」

 私のスマホの待ち受けはシロだ。


「そんなことを言っているのではありません。」

 だんだん腹がたってきたぞ。


「異世界の技術はこの世界では考えもつかない神の領域に及ぶようですな。誠にすばらしい。」


「・・・・本気で言ってます?」


「無論です。」


「初めて見る?」


 リカードは頷く。

 そして説明し始める

「それは、御子様が一緒に持ち込まれたからでしょう。」

 リカードは嬉しそうだ。

「戦神子様の持ち物は、変質することが分かっております。ある戦神子様のナイフは、こちらの世界へきた際に剣となり、聖剣エクスカリバーとなりました。」


「・・・・・やっぱり異世界なのですか?」


「はい。」


「・・・・・もしかして帰れないですか?」


「お姿が変わってしまわれたのはわかりますね。こちらの世界のマターに入れ替わっております。戻るのは不可能です。」

 そう言って私の顔を見る。


 取り乱すと思っているだろうな。

 泣くと思っているだろうな。


「つまり、向こうの世界の私は死んでしまったも同然ということですか?」


「言ってしまえば」


 そうか。

 好きな人もいなかったしな。

 仕事は生活のためで、始めたばかりで愛着なんてないし。

 この体で帰ったら、モデルとして稼いだり、玉の輿にのれるとおもったのにな。

 そうか、死んじゃったのか。


 ・・・・・


 ・・・・・・・・


「戦神子様?」


「わかりました。で私は何のために呼ばれたんですか?」


「それは、お気持ちを整理する時間も必要でしょうからしばらくはごゆっくりとなされるのがよろしいでしょう。」




 枕元にはシロが寝ている。


「お前も死んだことになっちゃたね。」

 ベッドに入ったもののやはり寝付けはしない。


 帰りたくないわけではない。

 両親も友達もいる。

 涙が出てきた。

 ザラットした舌で顔を舐められる。


「シロ~」


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