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猫を追いかけて異世界  作者: ふー
異世界召喚編
2/112

状況把握

2話目も開いてくださるなんて、なんて優しい人なのでしょう!

目が覚めた?

次の瞬間あの激痛を思い出して体が硬直する。

どうやら、収まったのは気のせいではなかったようだ。

そして改めて周りを見回す。

周りの景色が違いすぎる。

まず寝ている場所だ。

家賃5万の部屋ではない

実家の六畳の東の部屋でもない。。

寝ているのはいわゆるお嬢さまのベッド、天蓋付きのラブリーなベッドだ。

ちょっとスプリングを確かめてみる。

はねる、はねる。


(ホテル・・・・・?)


心当たりはない。

覚えているのは、猫のシロを追っかけて捕まえた時にこけたような記憶までだ。

昨日のあの痛みからして病院のほうがしっくりくるが、このお嬢様ベッドでその可能性はゼロだ。

体の中身を掻き回されてねじられたような味わったことのない痛みはないが、気がつくと手足がヒリヒリする。


「マズイノデハナイデスカ」


手と足首に縛られたあとのようなものがあるのだ。

拉致された?

27歳にして見知らぬ人から蹂躙された?


「お目覚めですか?ご気分はいかかでございますか?」

声をかけられて、髪がゾァとした。頭の血管が1、2本切れたかも。

人がいたなんて気がつかなかった。


「はっ、はい。気分はいいです。」


ひっくり返った声で答えて声のした方をみると長いスカートを履いた女性だ

 中世のいわゆる侍女さん?

 ラノベ?

 異世界物?

趣味がネット小説を読むことなので頭に浮かんでしまった。 

まさかね・・・・


(そうだ!シロはどうしただろう。)


「ご加減が許すのであれば、湯浴みをなさっても構わないと侍医が申しておりましたが、いかがなさいますか。」


確かにべたべたしていて気持ちが悪いので、さっぱりしたいが、

「あの、猫をみませんでしたか?真っ白なちょっと長毛がはいってる雑種猫なんですけど。」


「失礼いたしました。私はセエル=ディーナ=オリエリと申します。」


(外国名だよ・・・・言葉がわかるようになっているよ・・・これは決定的?)

「あ、すみませんでした。

わたしは 私の名はすめらぎ 沙耶さやと申します。

名前がさやで 姓がすめらぎです。」


「お名前で呼ぶなどできません。

神子様とよばせていただきます。

私のことはセエルと呼び捨てしてくださいませ。ほかのお世話係も後ほど紹介いたします。」


自慢じゃないが小市民で小心者の自分には、明らかに目上の人を呼び捨てなんてしたことないぞ!


「・・・(いや、なんか緊張する)セ、セエルさん」


「セエルでございます。神子様。先ほどのお話の白げの猫混じりですが、この城にはおりません。」


「猫混じり?城?」


(そうだね。城だよね。この部屋しかみてないけどそれっぽい。やっぱり、異世界?)

信じたくない気持ちとはうらはらに、状況が整っていく。


「詳しい話はお風呂をお使いになったあと、リカード様がいらっしゃられるのでその時にお聞きになればよろしいかと。」


(リカードという人が親玉なわけだ。もし、もしここが異世界なら召喚した張本人なわけだ。)


ともあれ、状況を把握してからだ。

質問事項をメモにして書いておこう。


「あっ!」


「なにか?」


「私のカバンをみませんでしたか?」


「カバンでしたらそちらのテーブルの上にございます。中身はなくなっていないと存じますので後でご覧下さい。」


「わかりました。」


「湯浴みはされますか?」


「ではおねがいします。」


「ご案内します。」

促されて、ベッドから降りる。


(?・・・視線が違う?・・・あれ?・・体が・・・痩せた?)


最近の生活の不規則から太り気味になってきて、本気になってダイエットをせねばとおもっていたはず。

視界も微妙に違う。


(歩幅も違う、髪ものびた?)


風呂場の前に部屋があった。


(うちのアパートより広い部屋!)


マッサージ台?

なあに?あの壁一面の鏡は!


その鏡に映っているのは、私ではなかった。

その場所に立っているのは位置関係からして確かに私のはずなのだが、全く違った人間だ。

同性ながら見とれてしまう。

街を歩いていたら10人中7人は見る。

すれ違ってから振り返ってみる人も5人はいる。

スカウトの嵐。

ちょっと硬質的な男前な感じのする美人。

好み~


もしかして

もしかして

変身・・ですか

いやいや、容姿平凡、体型ぽっちゃりがどこをどうこねくりまわし・・・

されてましたか・・

あの激痛の嵐はこれが原因でしたか

ここまでのするには、当然の痛さだよね。


「どうなさいましたか?お着替えをおてつだいいたします」

豊乳ではないけど十分均整のとれたナイスバディだが、今まで培ってきた羞恥心がある。


「いえ、ひとりでできますので」

と辞退をもうしでる。


こそこそと隅っこで着替えようと移動するとセエルさんが回り込んでくる。

「体調が十分でないので、必ずお付き添いが必要と命じられております。」


(すみません。すみません。)


付き添ってもらってお風呂に入るなんて恐縮です。

心の中でずっと詫びていてゆっくりできなかった。

広くてすてきなお風呂だったのに・・・

ナイスバディを堪能したかったのに・・・


(この恥ずかしさ、夢でなかったならなんとしよう。)


沙耶の抵抗は続く


髪がのび太   

笑ってしまった。

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