第1章04 え?私が伝説の女神?
彼の説明はこうだ
魔術を習っていた彼が見つけた古い魔術書を見つけ
魔術を放ったとき、私の世界に迷い込んだらしい
物珍しいということで、近くを通った私を連れ込み
占いをしたら・・・ここにとばされたらしい
「で、私は帰れるの?」
大事なのはそこなのだ、私は元の世界に帰れるのか
帰れないなら帰れないなりの行動はとらないと
「わ・・・わかりません・・・」
「わからないだぁ?!」
叫んだ私は、ティニアの襟首をつかんだ
「お・・・おちつぃて!」
首を絞める手をふりほどこうとしているが
そんなよわっちい、腕で私の拘束から逃れられるとでも?!
「こんな状況で!冷静でいられるか!」
「ぐぅ・・・ちぬ」
パッと放ち
「でも・・・」
肩で息をしているティニアをみつつ
「これを、楽しまない手はないよね。で、その文献ってどれ?」
「え?それはですね・・・」
頭をぽりぽりと掻くティニア
「まさか・・・」
私は、ありえない想像をしてしまった
「あははは・・・あの世界においてきちゃいました」
・・・・
「コロス」
本気で殺しそうな雰囲気を漂わせた瞬間
なぜか、香苗の黒いきれいな髪が宙に浮き
まさしく、魔女といわんばかりの姿に変わった
「あわわ・・・あなた、香苗様じゃありませんね!!
魔術師ですね!香苗様の替え玉ですね!!間違いない!」
ビシッと私に指さす
きっと、勝手に漏れだした魔力がそのような姿にしたのだろう
「ふっ、愚問ね。私は香苗よ!じゃー、言ってあげましょうか
貴方は、あのとき私に声をかけてなおかつ、断ったのに
連れ込んで、あんなことこんなことを・・・」
「やってませぇえん!」
やけに高い声で尚かつ叫び声を出した
だって、そのぐらい言わないと勘違いなおしてくれないし
しかも、絶対にかんちがいしてるからねぇ
「じゃー責任とってね」
カポーンと口が開いたままだったティニア
「わ・・かりました・・・」
「うんうん、でね、一つ聞きたいんだ」
これだけは聞いておきたい、この髪のことである
瞳だけど、先ほどの話(前話)で伝説の魔女とかウンタラカンタラ
「あぁ、そのことですか。私の世界での伝説なんです。
七色の髪で、輝く金の瞳は『女神シエラ』様であると
言われていて、金の瞳の人たちはたくさんいるのですが
七色となるとどこにもいないんです」
ふぅん、そりゃ七色ヘアーなんている分けないもんね。
でも・・・なんで、黒に戻ったんだろう
もしかすると、『元に戻れ!』って思ったら
戻ったりして
と、その時
香苗を中心に渦を巻いた風が立ちこめた
「な・・・なに?!!」
訳の分からない私は、なにもできずその場で立ちすくんだ
でも、なぜかその風は優しく穏やかで
なぜか気持ちよかった。
何かが聞こえるよう、なんだろう。風が踊ってる
「あ・・・あぁ・・・」
ティニアがなぜか開いた口がふさがっていなかった
まったく、そんなにあいていたら塞がらなくなっちゃうよ
「どうしたの?」
疑問を問いただしたとき、ティニアからでた言葉
「シエラ様・・・ま・・・でも、え?」
また、シエラシエラシエラうざいよ!
でも、髪をみてガックシ
元に戻ってる・・・
ん?ってことは・・・私が女神?
まさかぁ〜・・・でも・・・
「ティニア」
「はぃ!」
「これってさ、やっぱり私って女神なの?それとも、その娘とか?」
「・・・可能性はありますね・・・その魔力が、物語っています」
はぁ・・・ふぁんたじぃだ・・・