第1章03 さぁどうしてくれよう
何かの爆発で吹っ飛んだティニアは
近くにあった大木に当たり腰をさすっていた
「いったぁ〜・・・」
「だ・・・大丈夫?!」
爆風で自分が飛ばなかったことを気づかずに
人のことを心配するのはやっぱりお人好しなのだろう
「なにするんですか!・・・って?あら?」
「え?」
なに?
首を傾げる彼女をみつつ
男が言った言葉は
「香苗様じゃないですか!僕ですよ、ティニアです」
はいぃ?
「だから!私が香苗だってい・・・てる・・・??」
あれれ?確か、さっきまで不思議な色の髪だったよね?
よく見ると、長さは変わっていなかったが黒髪に戻っていた
前までとはちょっと違うサラサラの髪質をちょっと堪能しつつ
「はぁ・・・よかった・・・で!」
ティニアの方に振り向いた
獲物をみる獣のように殺気だった瞳だった
香苗がそれを殺気を放つという意味を知ったのは
まだ先の話だったが
それを浴びたティニアは何かの金縛りにあったように凍る
「・・・ッ」
背中に冷たい汗が滴り落ちていた
ライオンと猫の睨み合いのように、
驚愕の顔をしているティニアを見つめる
形勢逆転の状態を維持するため、香苗は行動に移る
ゆっくりと、足を踏みしめるように
そして、彼との距離は30cmほどになり
私の手がすぅっとティニアの顎をつかんだ、掴み取るように
完全に私は、ぶち切れ状態・・・もう、誰にも止められない・・・
いや、きっと止められるのは※『会社の上司』ぐらい
に、完全に切れた
冷たい笑みと、彼女の声がティニアを完全に思考停止する
「説明・・・してくださるわよね?」
「はぃ・・・」
彼の声は裏返っていた