番外編1 あの・・・はじめまして・・・
このお話は、香苗がとある一人の女性に目をつけたことから始まる
面白くもおかしくもそして・・・悲しくもある一つの物語である
あの騒ぎから、数ヶ月経ったある日のこと・・・
この私、ディアース・ノーストレック(皆は、『ディナ』って呼ばれてる)に一つの手紙が届いたの
そう・・・あの手紙を読んだ時のことはよく覚えてるわ
だって・・・その手紙は・・・
小鳥の囀る中、朝日を浴びながら
「うにぃ〜〜っ・・・はぁ〜・・・」
朝日がまぶしい・・・
私の容姿はそんな綺麗って程でもなく・・・
醜いって程でもなく・・・ごくごく普通の・・・
人間・・・
「朝って苦手・・・」
じゃ無いの・・・実は・・・悪魔・・・
数ヶ月前に魔族長が王国との条約を結んでから
森の中でひっそりと一人で住んでいた私は
封印都市に移住及び移籍申込みをして晴れて
ラグーン市民になったの・・・
だけど・・・
「ディアースさん?いますか?」
あれ?だれだろう??まだ朝だよ?
「はぁ〜い、どなたですか??」
ガチャッと戸を開けると一人の青い服の女性が立っていた
「ディアースさんですか?」
「は・・・はぁ?」
コクンと頷く
「貴女様に是非こちらの試験を受けていただきたいとの御要望が
ございまして」
と、手渡された一通の手紙
表紙には私の名前
そして、裏には・・・
「え?あ・・・あの、何かの間違いでは?」
「いいえ、是非貴女様にと近衛騎士長兼第5特務隊隊長
セレネ・アキータ様から御預かりになって参ったしだいです」
え・・・セレネって・・・あの、泣いている子も黙る
悪魔の悪魔・・・魔王でもひれ伏すといわれている、あの・・・
「い・・・イタズラではないですよね?」
どうしても信じられない・・・
「はい、封印の紋章を見ていただければ本物かとお解かりになるかと」
・・・確かに、この紋章はディスニー王国のものだ・・・
「あの・・・返事はいつまで?」
「いえ、その内容を読まれてからすぐにでも」
「は・・・はぁ」
封を外し中の紙を出して・・・読んだ
『ディアース・ノーストレック殿
新たなる組織の編成に、貴女の御力をお借りしたいと考えています
是非とも、ディスニー王国まで来て欲しいと思うしだいです
強制では有りませんが、承諾していただける場合
私の部隊にはいることを条件とします
それは、戦争に参加すると言う事をよく考えて返事を頂きたい
来てくれるのであれば、それなりの待遇を取らせていただきます
いい返事を期待します
近衛騎士長兼第5特務隊隊長 セレネ・アキータ』
あの手紙が来て・・・私の生活が大きく変わっちゃった
よくも有り・・・悪くもある・・・あの手紙を貰った事で・・・




