最終章 お仕置き実施(後編)終了!
「ど・・・どうして?!ミラージュさんが!?」
メリアが驚愕の声を上げた
(・・・私は感づいてはいたんだけどね・・・)
―私もよ・・・
「ミラージュさん!私よ!解らないの?!メリアだよ!」
必死に問いかけるメリアだが、無情にも黒い鞘から刀を出した
完全に、魔の力に押さえ込まれている・・・いや、これは・・・
「まぁ、予想していたんだけどね。・・・ねぇ、私こんな小さい
姿にしなくてもよかったんじゃないの?」
「あ・・・だって、その格好可愛いじゃん」
密かに後ろにいた、ティニアが呟く
「あとで御仕置きね」
冷たい笑みを、ティニアに返してやった
「さて・・・彼女も、腕試しした言って顔してるから・・・
しかし・・・珍しいわね・・・聖と魔の混種?」
『奇跡に近い人物よねぇ(いつみても)・・・』
「でも2対5・・・いや4か、それじゃぁあれよね」
ニヤッと笑う私に
大笑いをしだす知事
「あほらしい、また前回と同じになるぞ?」
「ちっちっちっ、そんなこともう手配済みよ」
「なに?」
香苗がパチンと、指を鳴らす
するとどうだろうか、何処から来たのか
数十人の適えと色違いの服装の者たちが
香苗の後ろに立っていた
「ちっ・・・警備の者はどうした!」
叫ぶが、誰も返事が無い
「おい!だれかいないのか!!」
沈黙を破ったのは香苗だった
「皆さんは、お休み中よ?私たちが休暇を与えたわ」
「この尼!勝手なことしやがって!」
「知らないわ・・・、そんな戯言いいから、どうするの?
誰と戦いたい?・・・あ、もう一人いるのよ?剣の達人」
「なんだぁ?!」
「『我に宿りし、聖なる魂よ、現世に戻り、舞い上がれ、そして!具現せよ!』」
いつもながら、香苗の周囲に白い竜巻が起きたと思ったら
そこから、1人だったはずが、知らないもう一人の女性が立っていた
かなえも、幼女姿から元の姿に戻っている
『御初にお見えにかかるわね、知事・・・それと、御久しぶりかしら?ミラージュ・・・いいえ、境葵』
「あ・・・あんたら、知り合いなの?!」
香苗も驚愕な事実を知り、驚く
『まぁ、腐れ縁No.2かな?』
「じゃぁ、ミラージュは貴女に任せるわ・・・それと、知事?
どれがいいかしら?メリア?それともセリス?フェンリル?
あぁ〜言っておくけど、ティニアはダメよ?」
「フン、おまえに決まっているだろ?セレネアキータ!」
そう言い放つと、腰に携えていた剣を抜いた
「そう、私を指名なのね?・・・フェンリル!例の物を」
「はい、主殿」
そう言って、持って来たのは長さ1.5mほどの布に隠されている
物だった
「実はね、バルン州に知り合いがいてね。作ってもらったのよ」
バッと布を取るとそれは、黒い鉄で出来た塊だった
直径7.62mmの筒がある筒状の物体
香苗以外知る由も無い得体の知れないものだった
「じゃっじゃ〜ん!」
「な・・・なんだそれは?」
「ふふふ・・・64式7.62mm小銃(改)!
重さは、重力魔力制御によってほぼ0kg!
7.62弾頭は・・・じつは、通常弾のみ・・・
((/_;))
だけど、最大15発の射撃が可能!通常弾なので〜
飛距離は500が限界かな〜っと、説明はそのぐらい・・・
でね、私、剣術って苦手なのよ・・・でも」
腰の後ろに手を回し、短剣を抜いて銃にさした
「銃剣道7段の腕前、披露して進ぜよう?・・・あぁ、
銃を撃つのは反則よね?あ・・・銃自体解らないかな?」
クククと笑う香苗
「ふん、笑わせるな!おまえの持っているのが銃だと?
信じられるか!銃って言うのはもっと細長いものだ!」
・・・たぶん、火縄銃の事よね?
「なら、試して見る?」
マガジンを入れ、薬室に弾を込め
タァン
撃った後、からの薬莢が飛び出す
弾は頬をかすめて飛び、男の頬には一筋の血が滴り落ちた
「な・・・・ば・・・ばかな」
「まぁいいわ、じゃぁ、始めましょう」
『やっと、前振り終わり?長いわよ!』
「いいのいいの、だって・・・一瞬で終わりそうだもの」
呆れたような表情で見つつ
『そっちはな・・・こっちは・・・苦戦しそうだ』
ニッと笑うシエラ
「そう、ガンバってね」
『人事のように!』
そう言って、突然シエラは走った
ミラージュへと
「そう、人事よ!」
私も、知事へと向かった
「なっ!くそっ!!」
キィン
銃剣と剣が交わる
「いい事教えて上げるわ・・・銃剣はね・・フッ!」
相手の剣を跳ね上げつつ、突き上げる香苗
その、銃剣さばきに圧倒されている知事
「な・・・何なんだ!その裁き方は!」
「銃剣道は基本的に、長さ2mある木銃といわれるものを
つかって、突きあう競技なのよ。しかも、一本を取るためには
喉元、左胸、そして小手その3箇所しかない・・・しかも全て
突き・・・その意味解るかしら?」
「しらねぇよ!」
「教えて・・・上げるっ!」
バン!と、短剣の根元で小手を払い除け、そして
喉元の寸前で止めた・・・あと2mm動かせば完全に息の根を止められる
「チェックメイトよ」
(わかるかな?)
と思う香苗だった
「く・・・」
意外なことを香苗が言った
「ねぇ、貴方たち魔族は何で人間を嫌うの?」
「き・・・嫌っちゃいねぇ!人間が勝手に嫌っているだけだろうが!」
「え?そうなの??」
きょとんと、してしまう香苗
「好き好んで、人間に寄生までして生き延びているわけじゃねぇ!
死活問題なんだよ!俺たちは、自分自身に生殖器官がねぇ
人間に頼らなきゃぁ死滅しちまう・・・だが、協力してくれる
人間なんているはずねぇだろが!」
(そういうことなのね・・・)
ふっと、戦意をそがれてしまった香苗
「そういう理由らしいわよ!ティニア!」
その頃、シエラはミラージュといい戦いをしていたが・・・
まぁ、ほっといてもいいだろう
「事情はわかった、魔族の・・・名はなんていう」
「けっ、名を聞くときは自分から名乗れ」
「っと、失礼した。僕・・・いや、私は、ディスニー王国の王・ティニア・ディスティニーだ。よろしく」
「おれは、ここの魔族代表のモニートだ・・・」
「そうか、モニート殿。君たちには生殖器官はないと言ったな」
「あぁ、無いな」
「では、この街にすんでいる者たちは無理やり卵を?」
「・・・いいや・・・下の者たちは・・・協力的だった・・・
だが、異教を唱える者たちが現れ・・・そのものたちは・・・
クソッ」
「・・・そうか・・・我々の、早とちりらしいな・・・
事情はわかった・・・だが、君たちのした行為は
黙認することは出来ない」
「・・・・」
「だが・・・ここに私が来たのも何かの縁だ・・・一つ交換条件といかないか?」
「は?」
「君たちが、善意のある者たちが望んだもの以外魔の卵を産ませることを許そう。その代わり、管理を全て君が管理すること、そして、我々にもその状況を定期的に報告する事が条件だ。」
「そ・・・そんなことでいいのか?」
その応えに、香苗が反論した
「あんたねぇ、あんたの一族か知らないけど?被害こっちまでこうむってるのよ?管理不届きでしょうが!」
「・・・それはすまんことをした・・・」
本当に魔族なのかしら・・・さっきまでの、強烈な剣幕はいったい?どこへ?
「まぁ・・・謝るより、行動をしなさい」
「あぁ・・・」
と、そこにティニアが割り込んできた
「それと、こちらの条件を呑んでもらうよ?それは、『永久和平条約』だ」
「わ・・・和平だと?!」
「あぁ、魔族と人族との和平だ・・・といっても、君たちの一族に限る
どうだ?いい話だろう?」
「だが・・・他の一族が・・・」
「安心しろ、お前達に刃向う一族があるのであれば、我々ディスニー王国が全面的に協力することを約束しよう。」
「いいのか・・・本当に・・・」
「あぁ、この条約を護りきる自信があるならな」
「・・・解った・・・締結しよう・・・」
お!これで丸く収まったカナ?
と、シエラをみると、未だに剣の撃ちあいは続いていた
「・・・いい加減死ね・・・」
ミラージュらしくない言葉を放ち振り下ろす刀を、シエラが剣で受け止める
『ッ・・・そんな可愛い顔して、そのような事言ってはダメって
お母様に言われなかった?』
今度は、シエラが刀を受け流し、その隙に足払いをかける
「ッ!・・・知らん・・・いや、忘れているだけで言われたかも知れん・・・」
はぁっ・・・と、溜息をつき眉間に指を当てる香苗
「・・・まだ続きそうね・・・」
ポケーとシエラたちを見ながら呟く香苗
「そう・・・みたいだね・・・」
呟くティニア
「・・・止めなくていいのか?」
問いかけるモニート
「見ているだけでも楽しいかと」
答えるフェンリル
「姉さん強い・・・けど、ミラージュも負けてない・・・」
そこだ行けーと、叫びながら応援しているメリア
「・・・一応、応急救護の処置でも要しておこうかしら・・・」
冷静にこの後起きることを考えるセリス
そして、その後ろでジーとシエラとミラージュの戦いを観覧している
香苗の部隊たちがいたのだった
そして、数ヵ月後
封印都市ラグーンとの、永久和平条約
(歴史では、『モニート条約』と記することになる)
が成立・締結した
これは、この世界始まっての快挙とも言えることであり
他の魔族一族も続々とラグーンへの移籍申請が絶え間なく続いていると言う
もちろん・・・反対民族に対しての対立は耐えないと言う
作者のMISSTYです
ディスティーニ読破ありがとうございます
評価の激しい小説になってしまったらしく
良い・悪いが2分割してしまう小説らしいため
評価・感想はいただきません。
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なお、荒らし・冷やかし等はご遠慮ください。
長い駄文を読んでいただきましてありがとうございました。
作者から心を込めて。