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第7章04 お仕置きに行きますか(後編)

閉鎖都市

外部からの情報を全て遮断されている

まるで、浦島太郎状態だろう

市場にも活気というものもなく

通りすがる人の瞳の奥に気になる光を見た

(・・・魔族に操られてるわね・・・まるで、牧場・・・)

植民地というものはこういうものなのかと

昔、歴史の時間に聞いた事があったが

こう目の当たりにすると、なんとも言いがたい心境になった

―まるで、生ける屍ね・・・

(『シエラ様、あまり良いたとえではありません』)

フェンリルが、シエラの意見に首を突っ込む

(<そういわれても、仕方が無いようにみえますわ・・・>)

セリスは、シエラの意見に賛成のようだが

(>信じられない・・・まだこんなところがあるなんて<)

目をそむけながら、会話に参加して来たメリア

全ては魔族の所為だろうと、簡単に片付けてしまえばそうなのだろうが

香苗は、なにか深いところに意味があるように思えて仕方が無かった


しかし、街並みはまるで空中都市・・・地球の南米ペルーにある

マチュピチュ・・・それを、巨大化したような街並みだった・・・

いわゆる・・・絶景・・・

しかし・・・活気がないがために・・・それも、半減してしまうほどだった


謁見の間に案内された香苗一同はドアの前に立ち声がかかるまで待った

「謁見希望のものよ、入りたまえ」

声的には、30代の男性の声に聞こえた

その周りにいる女性たち

やはり、目は虚ろ・・・何を見ているのかもさえわからないほどだった

魔術・・・いや、この周りに漂う魔性に満ちた魔力に踊らされている

そのように、香苗は見えた

何処の王や、帝王にも膝を付かない私たちは直立不動で彼を見た

「御初にお見えにかかります、わたくしディスニー王国近衛隊長兼 第5特務隊隊長のセレネ・アキータです」

「ラグーン市長のダリア・オディーヌだ。我に何用か?」

「回りくどいことはよしましょう。率直に言います。用件は2つ

一つは、魔族が我々の領地へと入ってきている事、貴方たちが行っている

いろいろな、ことは我が王も見過ごすわけにはいかないとおっしゃっております」

実際は言ってないけどね・・・

「貴方たちが行っている、『事』についてお考え直していただきたいとの陳情を受けております。もし、考え直さなければ我々にもそれなりの『事』

をしなくてはなりません。いわゆる忠告です。それが一つ・・・

もう一つは、先日私の所へミラージュ妃が亡命されました。

亡命されたからには、そちらからの関与があり次第、我々も動く所存です。

もう、国籍・・・いえ市籍と申しましょうか・・・それを、放棄したと・・・ご本人から承っております。我々も、ディスニー王国法第298条の『亡命者に関する法律』に法り、保護するとの王からのお言葉です。

それを、伝えに参りました。ご意見等ございましたら、お答えきる限り

返答いたしますが?」

ズラスラッと言いめくった香苗に、途中で反論も出来なかった

市長の顔は険しさをました

「・・・シュンリンはどうした・・・」

「あぁ、それもありましたね。そちらも、亡命すると・・・いや、難民でしょうか・・・」

ダンッと座っていた手置きを叩いた

「・・・そうか・・・そういうことか・・・」

クククと笑い出す市長

とち狂ったか?と、香苗は思った

が・・・

「よかろう・・・忠告感謝する・・・だが・・・それで終わったとは思うなよ」

静かに立ち、剣を抜刀し香苗に向けた

『我々が、この街を支配していることはおまえらには、解っていないようだな・・・そして、今の状況も』

さっきの声とはまるで別人の口調で言う市長

しかし、皆身構える事もなく平然としている

やはり、香苗の家族である証でもあった

どんなときでも、動じない。そう教えているから

「私たちは、どんな状況にもなろうと・・・動じないよう、訓練されています。たとえ・・・瀕死な状態になろうとも・・・それがお解りですか?」

『戯言を・・・』

「残念ながら、戯言じゃないんですよ・・・」

ニコリと香苗が笑いそして言った

「そのぐらい私達は強いってことなんですよ・・・お分かり?市長さん」

『ククク・・・アハハハハ、おまえバカか?周りをよく見てみろって』

「ん?知ってるわよ。もう囲まれてるってことも、人数もね・・・でも・・・それで、脅してるわけ?ないわよねぇ・・・」

『何!?』

「私もね、伊達に、近衛隊長やってるわけじゃないの。それなりのことをして・・・(してないかもしれないけど)るつもりだから」

よく考えて見れば、私ってこの世界じゃぁ何でもありなんだよね・・・

無敵と言えば無敵なんだろうけど・・・

しかも、私の体よくわからないけど。傷ついてもすぐに直っちゃうし・・・

この前なんて、転んで、グサッって枝が掌を貫通したのに・・・

10分で直っちゃうし・・・なんか、自分・・・人間だーって、

言えない・・・かも・・・

『じゃぁーこの危機的状況、克服してみなっ!』

市長が、首を切るような動作をすると陰に隠れていた刺客たちが動き出した


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