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第6章04 強敵現る!

翌日

コンコン

扉を叩く音が聞こえテクテクと、マリーが応対に行く

「はい〜ただ今、どなたです・・・か?」

見知らぬ人ならば、結界が阻むが知っている人は素通りする

もちろん、結界からの報告もない

だから知っている人のはずなんだけど、さっきの反応

何か気になるなぁ

「ん?だれ?」

ソーサーとティーカップを両手に持ちながら玄関を見ると

ミラージュと黒猫の姿

あらあら・・・また厄介事かなぁ

「昨日ぶりでございます、セレネ様」

「おう〜げんきだった?って、昨日あったばっかりだっけか」

「今回は、お願いではなくティニア陛下からの伝言と令状を

御持ちいたしました」

「ん?・・・・ぇ・・・」

【セレネ・アキータ近衛騎士兼第5特務隊隊長

セレネ・アキータに、ミラージュ令嬢の護衛及び事の収拾を命じる

ディスニー国王ティニア 署名

P.S. 厄介事に巻き込まれるの好きだねぇ〜♪】

な・・・な・・・

「なにぃ!!あのやろぅ・・・コロス!」

完全に握り締められクチャクチャになる令状

「伝言で、【まぁ、適当にがんばって】と」

はぁ・・・だから厄介事は困るんだよ

「で?私にどうしてほしいの?都市の壊滅?知事の抹殺?」

ものすごい怖い事を連発する香苗

確かに、彼女ならやりかねない

とても今、逆鱗に触れられた気分なのだ

「い・・・いえ、都知事が結婚の話をやめさせてほしいだけなんです」

「はぁ?結婚話?いいよなぁ・・・けっこんかぁ・・・いいよなぁ」

ズゥンとしずむ香苗

「あははは・・・」

苦笑するミラージュ


結局、私の家に居座る事になった

根本的な解決になってないと思うけど

まぁ、対策はこれからって事で・・・



物静かに佇む一人の女性がいた

日本刀の様な黒嫌さに包まれた物を左手に持ち

その人は呟く

「・・・ここか・・・シエラ・・・」


むすっとした顔でミラージュの方へ振り向くと

「ねぇ、いつまで居座るの?」

不満そうに言う香苗

あれから、約1ヶ月経ったが使者と言う使者は

あの結界で全てあしらわれ

メリアとフェンイルでことごとく大敗して帰っていく

私に取っちゃいい迷惑だ

「すみません・・・私の我侭で・・・」

申し訳なさそうに言うと、私も何か

心地よくない・・・悪者のようで・・・

「まぁ、庭の手伝いしてもらってるからいいけどさぁ」

そっぽを向いて言う

実は、彼女もガーデニングが好きで庭に行くといつも

意気投合しているのだが、それが終わるとなぜか

不満をぶち当ててしまう

まぁ、気を許せる人だからって事で不満を言えるのは

嬉しい限りなのだが・・・相手は、どう思っているのかは

分からない

しかも、彼女の植物に対する知識は

悔しいけど私以上、というよりティニア(元だけど)の次に

師匠と呼べる人の様な気がする

(植物に関するものだけだけど)

暇になってしまった私は

「庭に行ってくるよ」

そう言って外へ出ると

一人の女性が立っていた

見覚えの無い女性が

「・・・貴女だれ?」


紅黒い皮服に身を纏っている女性が立っていた

というより、その皮服・・・元の世界で見たことがある!

「そ・・・それ、スカジャン?!」

古い服なのか結構よれよれのようで、まだ着られそうな雰囲気の物

「・・・ほう、この服の名前を知っているのか・・・なら」

キッと目を細め

「・・・シエラがいるのだな」

(貴女の知り合い?)

――えっ・・・あぁ・・・まぁ・・・あまりあいたくないような・・・

  ここに来た時からの腐れ縁で・・・

(地球人?)

――違うわ、ティニアと同じような処遇よ

(そ、なら貴方に任せる!尻拭いなんて嫌だもん)

「彼女に、どう言うよう件ですか?」

その問に、ニッと笑い「私用だ」と言った

ふむ、何かご立腹のようで

(彼女、何か怒ってるよ?)

――いや、なんていうか、勘違いしていると言うか・・・

(もー、ならあんた自身で説明して上げなさい!)

――ちょっ!まっ

私は聞く耳持たず、シエラの意識を引きずり出す

「結君、彼女入れていいわよ。あぁ、もし家壊されそうになったら防いで上げて」

ピーンといい音がする

「あ、名前知りませんけど。シエラ呼びますね。あんたも、ちゃんと説明して上げなさい!」

刹那

香苗の周りに風の渦で壁が出来たと思ったらすぐに止むと

そこには、紅い服を着たシエラが立っていた

『あ・・・あの・・・シェンリン?・・・これには事情が・・・』

オロオロするシエラの姿は見たことなかったけど

なんか、おもしろそう

結界の外にいた彼女は、ワナワナとうつむきながら

ぼそぼそと呟き、歩み寄ってくる

左手に握っていた日本刀の様なものから綺麗な剣が姿を現す

『・・・シ・・・シェンリン?・・・・』

「シエラ・・・さ・ま」

『は!はいぃ!』

「いいましたわよね・・・貴女が、帰ってきたらならすぐに

私のもの元へ寄ると・・・」

『あ・・・言ったような気がするねぇ』

「忘れてたんですか?」

『ま!待って!話を聞いて!これにはふか〜い事情がぁ』

「問答無用!!!」

6・7mあった間合いが1歩で1m近くまで来た

(すごい!)

『!』

シエラも抜刀しカタナを受け流す

『シェン待って!話を聞いて!ってぇ!』

シェンリンと言う彼女の刀とシエラの持っていた剣が

弾き合い2つとも宙に舞い地面へと刺さった

『うそっ!』

勢いよく迫ってくる殺気の塊に怯え体を硬直させるが

強い衝撃・・・と言うよいタックルが決まり

押し倒されるシエラ

「シエラッ!逢いたかった!」

涙と枯れた声にシエラはどうしようとあせっていたが

どうしようか迷っているようだ

(まったくもぅ・・・仕方が無い・・・)

香苗が助け舟をよこし

彼女の頭をなでた

「心配かけたね。ごめん」

シエラの声で香苗が言うと

彼女はもう号泣のあまり、20分近く泣いていた


とりあえず、事の事情を説明した

「そうなのですか・・・意識だけ・・・ここに」

しょぼんとする彼女に謝罪の言葉をかける

「ごめんね・・・なんか、本人じゃないんだ。偽者?

かも知れないけど、こんなんでよければ」

『こんなん!ってなによっ!』

体は同じなのに、声は全く違うのが何か違和感を持っているよう

それを見ていた、ミラージュは

「私は帰りませんよ!シェンリンさん」

怒鳴るように言うミラージュをポカーンと

見つめて

「え?」


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