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第6章01 何か変なのが居る!

あの旅から約六年

年を取らない私には、何も変わらず

周りがどんどん変わっていきます


快晴の中、城下町を歩いています

今日もいい朝です

これから買い物、食料調達です

朝市って言うのもこの町にはあります

そのため、今町へと繰り出しているんです


城の中で住んでいたのではと?

いえいえ、そうも言ってはいられません

というより、そういうのは嫌いです

なので、ティニアが私の家を作ってもらいました

といっても、豪華なものではないのです

私が断りました

断固として断りました

そんな豪華なもの嫌です

元の世界では、素朴に質素に暮らそうと考えていたのですから

そういえば、朝ごはんがまだだったような気がします・・・

お腹減りました

少し腹の虫が泣いています

「マリー、やっぱり、ご飯食べようか」

私の後ろで一緒にあるいている人がマリーさん

六年前の救出劇によって助けられた召使いの一人なのですが

なんか、私に恩を返したいということでしたので

私の直属のメイドさんに当たります

なんと、5年もの歳月を経て勉強して来たそうです

そこまで、がんばってきたのですから断るのも気が引けたので・・・

しかも、年的には・・・私より上になってます・・・

(いっ!)

ギロッとみられてます・・・

朝食は、いらないといってしまったため、ちょっと消極的です・・・

腰が引けています・・・冷や汗だらだらです

怖いんです、私に始めてこの世界で怖いといえる人が出来ました

この方には逆らえません・・・無理です!

そりゃ、剣とか魔術とかなら勝てますが

精神的に勝てません・・・

非常に嬉しくありません・・・

「だから言ったではありませんか!朝のご飯は重要だと!」

この人には頭が上がりません・・・

実の母親に似てるんです・・・口調も、声も、性格も・・・

正論を言ってくるので、言葉が出ないのです・・・

出したら2倍以上に返って来ます

「ごめんなさいぃ・・・」

カクッとうな垂れます

ご飯が恋しいと言うのはこの事を言うのでしょう

毎朝のご飯は欠かさないのですが、なぜか今日に限って食べていません

マリーのご飯がまずいのではないんですよ。とてもおいしいんです

でも・・・量が・・・半端なく多いんです

朝はあまり食べられないので、少なくって言っているのに・・・多いんです

食べないとやっぱりやっていけないようです

困りました

「しょうがないですね・・・近くの食堂で食べましょう」

呆れたように言われたのですが

私はとても嬉しいです!とても!なぜか、マリーが神様に見えていました

ちょっと、大げさかもしれません・・・

「やったっ!」

小声でガッツポーズをした所を見られたようで

キッと細めで見られてしまいました

「あはは・・・」

最近はとても平和でよろしい限りです

たまに、魔獣もきたりしますが適当に追っ払っているようです

でも、私はそんな平和を許してもらえないようで・・・



「はらへったぁ〜・・・ん?何?」

目の前に誰かがいます

黒い魔術師用のローブにいかにも魔法使いですと言っているように

杖まで持っています

「勝負だ!黒い魔女!」

ここ6年間、この様な方がずっと挑戦してくるんです

今度は黒い魔女ですよ!いつからそういう名前が増えてるんでしょう

たしか・・・前は、黒い死神・・・だった気がします

今度メモって置きたいぐらいです

えーと、確かこの人は7回目です

がんばりますね・・・

「黒だか白だかしらないけど、名前があるんだから、名前で呼んでよね!」

叫ぶ私に帰ってきた言葉は、

「そんなの関係なぃ!決闘を申し込む!」

・・・またですかっ!

実は、前回の旅の時から私の事が噂になり

このように、『自分がNo.1になるっ』という

大ばか者が後立たちません

困ったもんです

と言うより、馬鹿が多すぎます

「い・や・だっ!面倒だもん」

こういうごたごたは、拒否するに限ります

「き・・・きさまっ!侮辱するきかっ!」

「侮辱も何も、貴方私に勝てないよ?」

「くっ!やってみなくてはわからんっ!!『火炎弾』!」

呪文を唱え、ソフトボールぐらいの弾を飛ばしてくる

呪文唱えた時点で何が飛んでくるか分かる

相手に勝機はない事は明白なのだ

香苗はそういうことをしなくても、イメージで

出せるため本当の戦闘と言うときにしか使わない

なので、こういう馬鹿らしいことの時は

短い短縮魔術語を使うことが多い

「『零』」

ピッと指をその弾へと向けると

水が蒸発するようにその弾も消える

「な・・・これならどうだ!『火炎連撃弾』ッ」

数十近い火炎弾が飛んでくる

私は身軽なステップで避けるのに必死・・・のはずはなく

かなり余裕で避けている


「貴様!避けるなっ!」

(支離滅裂だし・・・避けるでしょ!普通)

「しょうがないなぁ・・・」

私は避けるのを止め、飛んでくる火炎弾を手套で切る事にしました

「よっよっ」

カポーンと口が開きっぱなし

これぞ、開いた口が塞がらないというんだろう

「な・・・魔法がダメらなっ!」

杖から、細身の短剣を抜く

(へぇ〜仕込み刀?いや、仕込み短剣か?)

「くらぇ〜〜〜っ!」

――香苗!

(大丈夫)

――え?

余裕な声に驚くシエラ

スッと相手の右側に避ける

「てぃ!覇っ!」

左手の手套で相手の手首を強打し短剣を離させると同時に

右手で手首を掴み少し捻り上げた

「はへ?!――にぎゃっ」

相手の脚は地と逆になり鈍い音とかえるの断末魔の様な

声が聞こえた

「ふぅ」

手をはたき、伸びている男を見下ろす

――か・・・香苗?いつ体術なんて・・・

(あれ?言ってなかったっけ?自衛隊でね、合気道5段でしょ、銃剣道7段徒手格闘4段なんだ。自衛隊の全国大会まで出たんだよ。準優勝だったけど)

――い・・・言ってないわよっ!

(あはは、だって言ったら『自分で何とかなるでしょ!』とか言って

面倒な事やってくれないじゃない?)

――そ・・・そんな事、知ってたらそうするわよ!

(だから、言わなかったの。でもばれちゃった。

いずれ言おうと思ってたからいいんだけどね)


とりあえず、浅い地の仕入れを終え家に付くとき

「まってっ!」

扉を開けようとするマリーを静止させ意識を集中させると

(何か・・・いる、何者?人間じゃないけど・・・この魔力量は・・・)

入って見ないと分からないか・・・

勢いよく開け抜刀する

「だれっ!」

そこには誰もいない・・・いや、2階に2人の気配はあるけど

1階にもいる・・・

「すまぬのう・・・勝手に入ってしまって」

え?どこから?!

見渡しても何処にもいません

気配はかなり近いのですが・・・

「ここじゃ!ここ」

「え?」

下を見ると、黒猫がいました

・・・猫?いや・・・この猫普通の猫じゃない・・・人間が化けてるの?

「いやはや、突然御邪魔して申し訳ない」

もう何も驚きません、この世界では

「で?貴方私に何か用?」

「いやぁ、この国に最高の魔道士と剣術士がいると聞いてのぅ

御邪魔してみたのだよ」

じろじろと私の周りを回り、見渡すと

「素晴らしい!なんていう魔力なんだ!その封印をしてもその魔力

只者じゃないのぅ。お主・・・何者じゃ?」

こ・・・こいつ・・・何者?!封印の事も知られるなんて・・・

――こいつ・・・もしかしたら、封印都市ラグーンの使者かもしれない

(ふ・・・封印都市って・・・あの?!)

封印都市ラグーン、結界で守られ外部からの侵入を拒むと言われ

外交も交流も全くない未知の都市

噂では、古代ヒステリア語(古代魔術)を使うとして伝説になっているほどのものだ

それが?こいつ??

「な・・・何者も何もないわよ?ふつーの、女性?」

「ほぅ、普通とな・・・なら、これは避けれまい!」

(あ!これは!!古代魔術!)

すぐに、古代魔術の結界を張ると爆音と共に結界の周りに纏わり付くように

稲妻が弾けていた

「な・・・何をするのよ!!」

いきなりの暴挙を許すわけにはいかない

「ほう、それを防ぎましたか・・・なら、これはっ!」

急に猫の爪が伸び素早い踏み込み

シエラは反応して抜刀した

その爪を防ぎ、魔力を高めその爪を切り裂いた

キィン

「なんとっ!爪が!うぁっ」

シエラが、容赦なくその猫の喉元を突こうとしたとき

「待ってください!」

誰かの声に反応し、シエラの剣は猫の喉元数ミリの所で止まっていた

「ミラージュ様・・・」

その猫が答えた先にいた者

「ありえない・・・」

その女性の容姿も女神の様な姿だったが、それ以外に女神と言えるものがあった

(・・・翼?!有翼人種って・・・いたっけ?!)

確かに伝承にはあった気がするけど、いや・・・あれは物語に過ぎない

『ま・・・まじ?!』

(始めて見た・・・)

――わたしもよ・・・

「マブロ、そこからはなれなさい!貴方の独断で行った暴挙で

自分の命を絶とうとしたのですよ!」

そして、私の方へ向きなおすと

「大変申し訳ない事をいたしました・・・私、ミラージュ・リアーティー

と申すもの、光の民『セレネ・アキータ』様にお願いがあり参りました」


突如、現れた有翼人種の一人ミラージュとその猫

一体全体どういう厄介ごとに巻き込まれるんだろ・

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